【インタビュー】DIAURA、2ndフルアルバム『FOCUS』完成「“常識を疑え”っていうコンセプト自体がこのバンドを表している」
DIAURAが12月4日、フルアルバム『FOCUS』をリリースする。収録された全11曲はDIAURAからのメッセージ。サウンドは重く、作品ひとつひとつにこめられた言葉が心に迫りくる。その楽曲制作およびレコーディングは3ヵ月間に凝縮して行なわれた。結果、生み出された楽曲は瞬発力に溢れ、突き刺すような攻撃的ナンバーから、彼ら十八番のミディアムチューンまで、DIAURAの音楽性を物語るように深く広い。
このアルバムに込めたコンセプトは“常識を疑え”だ。ある事象をひとつの側面から見ることなく、FOCUS=焦点を変えることで、その裏側に潜む真実を表現したもの。4人のメンバーはそれぞれの“FOCUS”を楽曲に落とし込んだ。だからこそこのアルバムはバンドの確固たる意志に貫かれてしなやかに強いのだろう。BARKS初インタビューとなる今回は、メンバーの音楽的志向を交えながら、アルバムの核に迫る。
◆『FOCUS』収録曲「TRIGGER」SPOT30動画
■一つの情報の裏には、まるで違う現実があったりもする
■“FOCUS=焦点”によって変わる見え方を1曲1曲で表現した
──DIAURAの結成は2010年ですが、このメンバーになってからは間もないんですよね。
佳衣:はい。ドラムの達也が加入したのが2013年4月なので、まだ半年ちょっとですね。
──では、この半年間活動を共にしてみて、達也さんがDIAURAというバンドに対して抱いた最大の特徴って何でしょう?
達也:やっぱり“芯のあるバンド”ってことですね。それは加入前にサポートとしてライブに参加させてもらったときから変わらない。音楽だったり自分たちのやりたいものに対して、ずっと真っ直ぐで曲がらないんですよ。
yo-ka:いわゆるヴィジュアル系と呼ばれるシーンの中で活動しているわけですが、そういったカテゴリーにとらわれることなく、一つの音楽として影響力を及ぼしていきたいんですね。そこで今のDIAURAが重視しているのが“楽曲にどれだけのメッセージを籠められるか?”ということなんです。今のシーンを見渡してみると、ライブでの激しさやノリの良さを求めるのが当たり前で、正直、自分たちも以前はそこに縛られていた部分があったけれど、身体を動かして満足するんだったら、ただの体育会じゃないですか? 熱をぶつけるのがライブの本質だとしても、表現方法は一つに限らないんだから、もっと自由にやれるはずだし、曲自体に訴えかける力があれば、絶対に“ノリが良い”以外の魅力をライブでも引き出してくれるはず。そうやって何か感じるものがある曲を選んで、その一つひとつでDIAURAの伝えたいメッセージをしっかりと打ち出したい。単にライブで楽しめる曲の寄せ集めではなく、あくまでも一つの“作品”を創っていきたいという意識がバンドの中で高まったところで着手したのが、今回のアルバム『FOCUS』なんです。
──もともとDIAURAの曲って、今の時代にしては珍しくスピーディーに畳み掛けるのではなく、じっくり聴かせるのが特徴ですもんね。
翔也:確かにミドルな曲は多いですね。
yo-ka:“ミドラー”を自称してますから(笑)。
佳衣:大半の曲を作ってる僕のルーツが90年代のヴィジュアル系なんですよ。上京してからは洋楽だったり、いろんな音楽を聴くようになりましたけど、ずっとLaputaだけは一貫して聴いていて。特にギターのKouichiさんの作る曲やプレイが独特で、大好きだったんです。なのでDIAURAでも自分が受けた影響を幅広いジャンルに広げつつ、いつ聴いても独特だなと思える音楽を作りたいという気持ちが強いんですよ。
──『FOCUS』もディープな世界観でスケールの大きい、かなり独特な作品に仕上がっていますが。では、そこで伝えたかったメッセージとは?
yo-ka:作品としてのコンセプトは“常識を疑え”ということですね。スマートフォンで世界中の情報を手に入れられる現代、指先一つで“結果”が得られてしまって、そこに到るまでの“過程”というものが、どうも軽んじられている気がするんですよ。みんな情報に踊らされてるばかりで、例えば3.11の震災にしてもそう。一つの情報の裏には、まるで違う現実があったりもするのに、みんな画面に出てくる情報だけを短絡的に信じ込んで、それ以外の可能性を考えようともしない。そんな時代だからこそ、一つの物事も“FOCUS=焦点”を当てる角度によって見え方が変わってくるんだってことを、1曲1曲さまざまな形で表現したかったんです。
達也:そういった作品の全体像やヒントとなるワードがyo-kaからメールで送られてきて。その中にあった“物事には裏と表がある”という文章から、自分は“生と死”をテーマに「The Redemption」という曲を書きました。
yo-ka:これまでは佳衣が曲を、俺が歌詞とメロディを担当するスタイルが主流だったんですけど、バンド一丸となって一つの作品を創り上げるために、今回はメンバー全員でコンセプトを共有したかったんですよ。その上で各自の“FOCUS像”を自分の中に据えて、それぞれに曲を書いてほしかったんです。
翔也:まぁ、結果的に僕の曲は採用されなかったんですけどね(笑)。ただ、yo-kaから貰った文章を読んで『FOCUS』の世界観自体は理解できたので、ベースプレイヤーとしていかに楽曲に世界観を加えていけるか?という点にピントを合わせました。なのでヴィジュアル系も含め、今まで聴いてこなかった音楽も、今回はちょっと勉強しましたね! 僕、パンク出身なんで、他の3人みたいにヴィジュアル系は通ってないんですよ(笑)。おかげで自分が持っていなかった引き出しを増やせて、ベーシストとして確実にステップアップできたと思います。
達也:俺は最初LUNA SEA、LaputaやJUDY AND MARYなどにハマッて、その後は翔也の好きなパンク、メロコア、その他ミクスチャーとかに流れた後に、またヴィジュアル系を聴いてみたり、といった感じなので感覚的にはyo-ka&佳衣と翔也のちょうど真ん中かな。
◆インタビュー(2)へ
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