【インタビュー】家入レオ「私は全然強くないです。むしろ人より弱いから、いつ転んでもいいように心構えしてるのかもしれない」
フジテレビ系月9ドラマ『海の上の診療所』の主題歌にもなっている、家入レオの新曲「太陽の女神」。彼女の様々なトライが詰まった今作は、新しさとブレない彼女らしさがシッカリ両立。新境地開拓の意欲作となっている。そして、その新境地開拓と密接な関係にあるのが彼女の心の成長だ。人一倍敏感に何かを感じ、人一倍真剣に考え、人一倍真摯に音楽と向き合っているからこその著しい成長。それは今作からはもちろん、このインタビューでも感じ取ってもらえると思う。
◆家入レオ~拡大画像~
■経験してないことでも理解して信じて歌うことができたら
■それは嘘じゃないって思えるようになった
──「太陽の女神」はどんなふうに作っていったんですか?
家入レオ(以下、家入):ドラマの台本をいただいて、それを読んで作っていきました。で、今回は高校を卒業して初の書き下ろしだったのと、ドラマのテーマが“出会いと成長”だったので、今までとはちょっと違う自分を表現してみようと思ったんです。それが自分自身の成長にもつながるし、その成長が新しい出会いにもつながると思ったので。
──それで今回は今までとちょっと違う雰囲気の作品になっているんですね。歌の主人公が、今までは傷だらけで心の血を流してるような印象だったけど、今回はあんまり傷を負ってないというか。
家入:あ、嬉しいです、そこまで感じ取っていただいて(笑)。いや本当にそうで。私、今までは自分が経験したことを歌詞にしていたんですよ。なんか、経験してないことを書くのが怖かったんです。「なんで経験してないのに歌えるの、それって嘘じゃないの?」って言われたら、何も言えないなと思って。だからドラマの主題歌とかも、今までは自分の経験を探し出してきてテーマと照らし合わせて書く、みたいなことが多かったんですけど、高校を卒業して考え方が変わったんですよね。自分が経験してないことでも、ちゃんと理解して信じて歌うことができたら、それは嘘じゃないって思えるようになったんです。
──そう思えるようになったのは何かきっかけがあって?
家入:それはやっぱりライヴが一番大きかったと思います。前は“自分が! 自分が!”だったんですよ、私。人一倍“自分をわかってほしい”っていうのが強くて。だから「Bless You」とか特に、“私のこの苦しい気持ちをわかって!”って、100%の想いを相手が100%全力で受け止めてくれないと嫌だったんです。すごいワガママなんですけど(笑)。でもライヴをやった時に、こんな私のために足を運んでくださる方がいて、ちゃんと理解してくださる人たちがいる……っていうのがわかって。その時にパーセンテージじゃないって思えたんですよね。例えば曲に込めた想いが今100%相手に届いてなくて50%だったとしても、残りの50%を明日とか5年後とか10年後とかに、ふと「あ、家入が言いたかったことってこういうことだったのか」って思ってくれたらそれでいいかもって思うことができたんです。
──それはリスナーの人たちを信頼できたってことなのかな?
▲「太陽の女神」初回限定盤
▲「太陽の女神」通常盤家入:そう、信じることができた。温かい目で見てくださってるこの人たちは、私から何かを奪ったりしないし、取り上げたりしないし……うまく言えないけど、例えば自分が全部体験したことじゃなくても、それを信じて歌えばリスナーさんに届くって思えたんです。
──なるほど。で「太陽の女神」というタイトルも、今までにはないニュアンスがありますね。
家入:今回ドラマの舞台が瀬戸内で、私、小学校の時に修学旅行で瀬戸内海に行ったことがあるんですよ。その時バスガイドさんが「窓の外を見てください」って言って、外を見たら、海がすっごく綺麗で。なんで今日の海はこんなにキラキラしてるんだろう?って考えた時に“太陽が照らしてるからだ!”って気がついたんです。で、普通なら「自分が海を照らしてあげてる」とか主張しそうなものだけど、太陽はそんなこと一切言わずに海を輝かせてる。そういう関係って人間にもあるかもしれないなって思ったんです。私は数ヶ月前まで高校に行きながらこの仕事をしてて、時々自分がわからなくなる時があったんですね。そんな時、周りはきっと言いたかったと思うんですよ。「いやいや、君は今恵まれてるから。そんな(精神的に)アップダウンするな」と。でもそれを口にせずに温かく見守ってくれた。そういう大切な人たちって、太陽と似てるかも……と思って、それで「太陽の女神」と。
──タイトルにもそんな深い想いが込められてたんですね。ところで、この曲はアレンジ的にも今までにない要素が入っていて。最初聴いた時はビックリしました。いきなりクラシカルなピアノで始まったので。
家入:一番最初に上がってきたアレンジはもっとクラシックな感じだったんですよ、全部ピアノで。でも美しいものってどこかに毒があってこそだと思うので、サビのところにジャンジャンとギターを入れたら、それがいい感じの毒になって、美しいバランスになったんじゃないかなと。ただ、この曲って歌いにくいんですよね。作ってる時に西尾先生と「これは覚えやすいけど歌いにくいメロディかもね」っていう話をして(笑)。実際、音数が結構多いので全部しゃくって歌うとロック感がなくなっちゃうんです。だから全部ジャストで歌わないとダメで。普通に聴くと“あ、これ歌えそう”って思うと思うんですけど、いざ歌ってみると“あれ? このタイミングじゃない”ってなるかも(笑)。
──じゃあ聴く人に挑戦を突きつけた曲でもあると(笑)。
家入:あははは! でも一番大事なのはソウルなので、心で歌っていただければと(笑)。あと、自分も今まで“忙しい”っていうのをいろんな言い訳に使ってたんですが、日々みんな仕事や家事育児に追われてて、よく考えたら忙しくない人なんていないと思うんです。それでも相手のことを大切に思うからこそ、人は誰かのために時間を割いている。だから自分は今、大切な人にどう接してるかな?とか、どう思われてるかな?っていうのを、この曲を聴いて見つめ直してもらえたらなって思います。
◆インタビュー続きへ
◆家入レオ~拡大画像~
■経験してないことでも理解して信じて歌うことができたら
■それは嘘じゃないって思えるようになった
──「太陽の女神」はどんなふうに作っていったんですか?
家入レオ(以下、家入):ドラマの台本をいただいて、それを読んで作っていきました。で、今回は高校を卒業して初の書き下ろしだったのと、ドラマのテーマが“出会いと成長”だったので、今までとはちょっと違う自分を表現してみようと思ったんです。それが自分自身の成長にもつながるし、その成長が新しい出会いにもつながると思ったので。
──それで今回は今までとちょっと違う雰囲気の作品になっているんですね。歌の主人公が、今までは傷だらけで心の血を流してるような印象だったけど、今回はあんまり傷を負ってないというか。
家入:あ、嬉しいです、そこまで感じ取っていただいて(笑)。いや本当にそうで。私、今までは自分が経験したことを歌詞にしていたんですよ。なんか、経験してないことを書くのが怖かったんです。「なんで経験してないのに歌えるの、それって嘘じゃないの?」って言われたら、何も言えないなと思って。だからドラマの主題歌とかも、今までは自分の経験を探し出してきてテーマと照らし合わせて書く、みたいなことが多かったんですけど、高校を卒業して考え方が変わったんですよね。自分が経験してないことでも、ちゃんと理解して信じて歌うことができたら、それは嘘じゃないって思えるようになったんです。
──そう思えるようになったのは何かきっかけがあって?
家入:それはやっぱりライヴが一番大きかったと思います。前は“自分が! 自分が!”だったんですよ、私。人一倍“自分をわかってほしい”っていうのが強くて。だから「Bless You」とか特に、“私のこの苦しい気持ちをわかって!”って、100%の想いを相手が100%全力で受け止めてくれないと嫌だったんです。すごいワガママなんですけど(笑)。でもライヴをやった時に、こんな私のために足を運んでくださる方がいて、ちゃんと理解してくださる人たちがいる……っていうのがわかって。その時にパーセンテージじゃないって思えたんですよね。例えば曲に込めた想いが今100%相手に届いてなくて50%だったとしても、残りの50%を明日とか5年後とか10年後とかに、ふと「あ、家入が言いたかったことってこういうことだったのか」って思ってくれたらそれでいいかもって思うことができたんです。
──それはリスナーの人たちを信頼できたってことなのかな?
▲「太陽の女神」初回限定盤
▲「太陽の女神」通常盤
──なるほど。で「太陽の女神」というタイトルも、今までにはないニュアンスがありますね。
家入:今回ドラマの舞台が瀬戸内で、私、小学校の時に修学旅行で瀬戸内海に行ったことがあるんですよ。その時バスガイドさんが「窓の外を見てください」って言って、外を見たら、海がすっごく綺麗で。なんで今日の海はこんなにキラキラしてるんだろう?って考えた時に“太陽が照らしてるからだ!”って気がついたんです。で、普通なら「自分が海を照らしてあげてる」とか主張しそうなものだけど、太陽はそんなこと一切言わずに海を輝かせてる。そういう関係って人間にもあるかもしれないなって思ったんです。私は数ヶ月前まで高校に行きながらこの仕事をしてて、時々自分がわからなくなる時があったんですね。そんな時、周りはきっと言いたかったと思うんですよ。「いやいや、君は今恵まれてるから。そんな(精神的に)アップダウンするな」と。でもそれを口にせずに温かく見守ってくれた。そういう大切な人たちって、太陽と似てるかも……と思って、それで「太陽の女神」と。
──タイトルにもそんな深い想いが込められてたんですね。ところで、この曲はアレンジ的にも今までにない要素が入っていて。最初聴いた時はビックリしました。いきなりクラシカルなピアノで始まったので。
家入:一番最初に上がってきたアレンジはもっとクラシックな感じだったんですよ、全部ピアノで。でも美しいものってどこかに毒があってこそだと思うので、サビのところにジャンジャンとギターを入れたら、それがいい感じの毒になって、美しいバランスになったんじゃないかなと。ただ、この曲って歌いにくいんですよね。作ってる時に西尾先生と「これは覚えやすいけど歌いにくいメロディかもね」っていう話をして(笑)。実際、音数が結構多いので全部しゃくって歌うとロック感がなくなっちゃうんです。だから全部ジャストで歌わないとダメで。普通に聴くと“あ、これ歌えそう”って思うと思うんですけど、いざ歌ってみると“あれ? このタイミングじゃない”ってなるかも(笑)。
──じゃあ聴く人に挑戦を突きつけた曲でもあると(笑)。
家入:あははは! でも一番大事なのはソウルなので、心で歌っていただければと(笑)。あと、自分も今まで“忙しい”っていうのをいろんな言い訳に使ってたんですが、日々みんな仕事や家事育児に追われてて、よく考えたら忙しくない人なんていないと思うんです。それでも相手のことを大切に思うからこそ、人は誰かのために時間を割いている。だから自分は今、大切な人にどう接してるかな?とか、どう思われてるかな?っていうのを、この曲を聴いて見つめ直してもらえたらなって思います。
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