【ライブレポート】℃-ute、初の日本武道館公演。森高千里も「雨」で祝福

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ライブ終盤、インディーズ時代の「わっきゃない(Z)」で幕が開けたアンコール。メンバーはひとりずつ、今の気持ちを口にする。

「ここに辿り着くまでには、たくさんたくさん、時間がかかったなと思います。あの、今日という、武道館でライブをするってことになってから、今まで関わってくれた方のことをたくさん、いろんな人のことを思い出していたら、あの、正直なところ、℃-uteはマネージャーさんが頻繁に代わったりするんですよね。なので、この何年間かの間で、たくさんのマネージャーさんにお世話になったりとかして。そういった方々も今日、観に来てくれている方もいたりするので、直接はなかなか伝えられないありがとうをたくさん伝えたいと思いましたし、あとはそうですね、一番忘れてはいけないなと、いつまでも思うのは、もちろんファンのみなさんとか、家族とか、スタッフのみなさん、team℃-uteのこともそうなんですけど、過去の歴史の中にはしっかりといる、あの、℃-uteのメンバーだった3人のことにも、ちゃんと感謝しなきゃいけないなって。その3人のことがあったから、今の℃-uteがあったわけだし。5人になってからも、たくさんの思い出を作ることができているので、これからも皆さんと一緒に、ここよりも、もっともっと大きな会場でできるように℃-uteも頑張りますので、team℃-uteの愛を深めて、もっともっとみなさんと一緒に、素敵な思い出を作っていきたいなと思います。」── 鈴木愛理

“℃-uteのメンバーだった3人”という愛理からの一言で、大きく沸き返る観客。なお、℃-ute初武道館公演に先立って、元メンバーの梅田えりかは、自身のTwitterに以下のようにつぶやいた。さらに栞菜こと有原栞菜もこれに反応する。

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はじけるぞぃヽ(*'▽'*)ノ↑↑

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「はじけるぞぃ」とは、℃-uteの気合入れに用いられる言葉。5つの星と、3つの星の意味は、言うまでもないだろう。

彼女たちの想いも、また日本武道館にあったのだ。

「涙もろい中島です。愛理泣いてないのに私が泣いちゃってるんですけど。ほんっとにみなさんには感謝しなきゃいけないなって思ってますし、この公演で℃-uteの単独コンサートが201回目なんですよ。で、100回目の公演の時もスタッフさんが、今までのこうやってVTRを作ってくれたりとかしたんですけど、そっからもう100回も公演してるんだって思ったら、ほんとに、あっという間に時間が過ぎちゃったなって思いますけど。でも、まさかね、201回目の一歩のスタートを切るところを武道館でできるなんて、100回目の時は思ってなかったので、ほんとにほんとに、みなさんには感謝でいっぱいだなって思います。ありがとうございます。201回目に入っちゃったということは、300回目指して頑張りたいと思いますので、みなさんついてきてください。」── 中島早貴

「私は、初めて……まぁ、℃-uteのメンバーみんなそうだと思うんですけど、初めてこんな大きな夢を叶えることができて。℃-uteメンバーみんなでいろんなコメントをする時に、「武道館目指したいです。」って、たくさん言ってたらほんとに夢が叶って、こうやって口に出すとほんとに夢が叶うんだなって、あらためて実感ができる武道館だったんじゃないかなって本当に思います。そして℃-uteは本当に幸せものだなって思います。ありがとうございました。とーっても楽しかったです。」── 萩原舞

涙もろい中島早貴。しかしその豊かな感受性があるからこそ、彼女は感情のすべてをぶつけるような、メンバーの中でもひときわ激しいダンスパフォーマンスを見せることができるのだろう。そして最年少にして一番しっかりしている萩原舞の目に涙はない。いつも通りである(池袋サンシャインシティでの日本武道館公演決定の発表時を除く)。

「私は、ほんとに、昨日もこう感じたんですけど、やっぱり、こんなにたくさんの方が来てくれるってことは、自分のファンもひとりはいるじゃないですか。ほんとにそれはすごいことだなと思って。なんか、やっぱり一番最初のほうは、悔しいこともたくさんあったし、私なんか、歌割り「Fu」しかなかったこともあったんですよ。なのに、こんなにたくさん歌わせていただけることもできてるし、℃-uteみんなもね、どんどんどんどん絆も深まっていくし。team℃-uteっていう名前ができて、より一層みなさんと距離が近づいた気もするし。ほんとに、なんだろ、11年間辛かったことが今まで多いって思ってたけど、今日、この武道館に立てたことで、辛いことなんて一気に吹き飛びましたね。ほんとに。はい。あの、今日は観に来れない方も、観に来てくれてると思いますけど……私のことをオーディションに勧めてくれた方が来ているんですよ、今日。はい。本当に、その人には感謝しています(涙 / 大歓声)。今まで家族には文句ばっかり言ってきたんですよ、「いつも遊べてていいなぁ」とか。言ってきたけど。でも、家族よりも幸せな空間を感じれることをできているし、本当に感謝しています。ありがとうございます。もうみなさん、また℃-uteにぜひ会いに来てください。今日はありがとうございます。幸せでした!」── 岡井千聖

「昨日からずっと信じられないんですけども、9月10日の「℃-uteの日」っていうのができたのは2006年で、それからこの9月10日のこの℃-uteの日は、何があっても、どんなに平日でも、みなさんと一緒にお祝いをしてきたんですよ。最初はイベント会場でやって、それが2回公演になって。で、今回こうして日本武道館で、しかも2Daysもやらせていただけて。すごいこう、支えられたなって思います。本当にどうもありがとうございます。なんかこう、出てきた時に、バーってペンライトがいっぱいあって、すっごい綺麗に見えるんですけど、ここにひとりひとりの顔があって、体があって、気持ちがあって、そういう人たちがこんなにいっぱい見守ってくれてるんだなって思ったら……(涙で言葉が詰まる)……すごいことだなって思うし、みんなが言ったように、過去のいろんな、楽しかったこともいろんな辛かったことも全部含めて、それがなかったら、今には繋がっていないと思うから、はい、ほんとにそういう経験ができてよかったなって思います。はい。後はですね。……千聖が泣いてる?(笑) 今日は、まさかのビックリの森高千里さんまで登場してくださって。いや、℃-uteのライブに森高さんがですよ。私、あの中学校の社会の授業の教科書に県庁所在地ので、森高さんが載ってたんですよ。「その人だ!」って思って。「森高さんだー!」って。一緒に歌える日がくるとは思ってなくて、ほんとにもう驚きだったし、そんな先輩まで駆けつけてくれるような、こういうライブに立たせてもらえて、ほんとに幸せいっぱいです。これからも新たなスタートを切って、ここからまた℃-uteはスタートしていきたいし、もっともっと成長していきたいし。こんなに応援してくれている人がいるんだから、もっともっとみなさんの応援に応えていきたいなと思います。」── 矢島舞美

歌割りが少なかったという岡井千聖は、℃-uteの快進撃への原動力ともいえる。その機転の効いたトークはもちろん、ハロー!プロジェクトの歌姫でもある鈴木愛理にも引けをとらないボーカルを披露する「悲しきヘブン」は、迫力、ハーモニー、表現力などなど、アイドルの曲というカテゴリーで分けてしまうことに違和感すら覚えてしまうほど。そして、これらメンバーをリーダーとして引っ張る矢島舞美。彼女の飾らない言葉の数々は、透明感とともに、素直な気持ちとして観客の胸を打った。

日本武道館公演ラストはJuice=Juiceやハロプロ研修生らも参加しての「JUMP」。会場も一体となって、熱く、激しく、この記念すべき公演が終わることを惜しむように、そして完全燃焼するかのように、日本武道館を揺らし続けた。

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ところで記者は公演中、フロアの一番後ろからステージの模様を見守る℃-ute周りの某スタッフ氏と少し言葉を交わした。そこで、ステージ上のメンバーたちに目を向けたまま、氏がさり気なく口にした言葉を本稿の最後に紹介したいと思う。

「これからですよ。彼女たちは、これから始まるんです。」


text by ytsuji a.k.a.編集部(つ / 一部写真も)

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