INORAN×清春【特別対談】知っているけど知らない2人の考え方がリンクした夜
INORAN
特別対談企画 INORAN×清春
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■自分が並んでみたい相手って誰だろう? と考えてINORAN君がいいなって思って(清春)
■黒夢は自分たちの世界を追求していて最初からオンリー・ワンの存在だったと思う(INORAN)
INORAN:そうですね。大人の事情とかではないと思われます(笑)。こういう機会なんで堅苦しいことは抜きでいきたいな、と。ついでにいわゆるプロモーションとかもあんまり関係なく(笑)。
INORAN:もちろん発端はそこにあるわけですけどね。だからどうしても清春君に登場してもらわないと。ていうか今回はお互い、“君”でいいですよね?
清春:もちろん(笑)。年齢的には僕のほうがちょっと上だけど、デビューはINORAN君のほうが先輩だし(笑)。今回のPVへの出演は当然、僕の側からお願いしたことで。言ってしまえば“並び”がテーマだったんですよね。2人が並んでる図そのものというか。
INORAN:ああ、うん。よくよく考えてみたらそうかもしれない。
清春:撮影が終わってからそこに気付いた(笑)。そもそもはこの曲のPVを手掛けてる今井(俊彦)監督が、歌詞のなかに出てくる“THE SUN & BLACK TEARS”という言葉に着目したところから始まってて。そういう名前の架空のバンドにしてみたい、という話になった。で、当初はこれまで絡んだことのある人たちというか、具体的な関係性がある人たちに声をかけようとしてたのね。そのほうが絵も想像できるから。だけどそこでふと「自分が並んでみたい相手って誰だろう?」と考えてみたとき、INORAN君がいいなって思って。
INORAN:光栄な話ですね。ありがとうございます!
清春:いや、堅苦しいのは抜きでしょ、今日は(笑)。どうせ並ぶならカッコいい人と一緒でありたかったし、変な話、同じような世代とかで今も残ってる人ってそんなにも多くないわけですよ。バンド出身でソロ活動をしてるんであれ、ずっとバンドを続けてるんであれ。そこで誰がいいのかを考えようとしたとき、迷うまでもなかったというか。
清春:うん。ただ、結婚式で一度お会いしたり。
INORAN:うん。共通の知り合いのね。あのときもホントは共演が実現するはずだったんだけども……。
清春:あいにく僕の声が、あまりにもガラガラだった(笑)。
INORAN:確か前の日がライヴだったんだよね?
清春:そうそう。やりたいのはやまやまだったんだけど、その場には新郎新婦の親戚の人たちとかもいるわけで。そこでみっともない感じになるのは避けたいなって。結婚するお2人にも、INORAN君に対しても印象悪くなるだろうと思って。
INORAN:いやいや、そんなことは。
INORAN:まあ、隠しちゃいないけどね(笑)。
清春:で、その後も一度会ってるよね? INORAN君は酔っぱらってた可能性もあるけど。僕がVAMPSのイベントに出たとき、その打ち上げに彼が現れたんですよ。そこでちょっと喋って。べつに何をしたってわけでもないんだけど(笑)。
INORAN:ただ、実際に顔を合わせることがなくてもカメラマンとかアパレル関係とかに共通の知り合いが多かったり、写真を目にする機会が結構あったり。俺は清春君のアメブロとかもちゃんとチェックしてますから(笑)。
清春:それはどうかな(笑)。あ、でも、今になって思い出したけど、すごい昔に一回会ってるんだよね?
INORAN:一緒に呑んだことがあるよね。あれは10年前ぐらい? もっと前だったかも。
清春:とにかくすごく前の話。バンド界隈の共通の知人に引き合わされた感じで。僕は普通に「あ、LUNA SEAの人だ」って思ったし。
INORAN:俺も俺で「あ、黒夢の人だ」と(笑)。
清春:名古屋に僕らがよく出てたライヴハウスがあって、たまにそこで照明のバイトとかもやってたんですね。だからそこでの大概のライヴについては常連顔でスーッと入れてたんだけど、LUNA SEAのライヴのときだけはイベンターの人に「今日は無理だ」って言われちゃって。それが記憶としてすごく鮮烈に残ってて。もちろん観たくて観に行ったんですよ。だから素直に“すごいな”と思ってた。で、僕らがインディーズで頑張ってた頃、渋谷公会堂でのイベントに出たことがあって、そのときはSUGIZO君が観に来てたのね。彼は表に顔を出していくタイプだけど、INORAN君は逆というか。勝手にそういうイメージを持ってましたね。実際、会ったことがないのは真矢君とINORAN君だけだったし。
INORAN:昔はね、確かにあんまり外に出て行かなかった。もちろんマイペースで動いてただけのことではあるんだけど。俺の場合、黒夢が出てきたときはやっぱりすごくインパクトも感じたし。なんていうのかな。ジャンル感とかメイクの種類とかそういう部分じゃないところで、最初から何かを極めようとしてたというか。すごく自分たちの世界を追求してる印象が当時から強かったかな。最初からオンリー・ワンの存在だったと思うし。
清春:いやいやいや、それは言いすぎ(笑)。でも当時からLUNA SEAはホントにすごくて。僕らの場合、名古屋に住んでたんで、“東京にいない”というのが特徴のひとつでもあったわけですよ。だからいわば目線としては読者とかの側に近かった。そこでLUNA SEAが雑誌の表紙になってたり特集になってたりするのを目にしてたから、とにかくすごいバンドなんだろうなと思ってた。当時は名古屋のバンドもみんなLUNA SEAみたいになっちゃってたからね。かつてみんなDEAD END化しちゃってたみたいに。
INORAN:なるほど。実際、そういう印象とかについて話をしたことすらも、これまでにはなくて。最初に会ったときだって“人を介して、たまたま”な感じだったから、それこそ30秒も喋ってないくらいだと思う(笑)。だから今回、PV撮影の待ち時間の楽屋とかで喋ったのが、本当の意味での初対面みたいなもんで。そこでようやく「ああ、こういう人だったんだ」みたいな(笑)。
清春:うん。ちゃんと喋ったことがなかったからね。変な言い方だけど、“知ってるけど知らない”みたいな。
INORAN:そうそうそう。
清春:その“並び”という意味では、ルックス的な部分とか、着てるものだとか、そういうところも意識にはあったと思う。でも、少なくとも僕のなかでは、一個人としてのINORAN君に声をかけたことというのも大事で。LUNA SEAの、ではなくてね。実際、もう何年も彼のことはそう見てるし、僕自身の意識としても“黒夢の清春”じゃないところで頑張りたいなと思ってるところがあるから。そういうところでも重なってる部分があるんじゃないかな。だからこそ並んでみたいと思えたというか。
INORAN:だから光栄だったな、声をかけてもらったときは。
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