「WORLD SONIC NEWS VOL.21」ベラキス「リンゴと共演?それはやめとくわ」
今回は、ロンドンのロック・バンド、ベラキスをフィーチャーします。彼らは7月にアルバム『BELAKISS』で日本先行デビューを果たしました。
◆「ONLY YOU」PV映像
ベラキスは2011年のフジロックに初参戦。また、横浜で開催されたオーガスタ・キャンプにスペシャル・ゲストとして出演したので、彼らのパフォーマンスを見た方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
メンバーはヴォーカルとギター担当のルアリーとベン、ドラム担当のアルフィー、そして紅一点ベースとバッキング・ヴォーカルを担当するターシャの4人。ターシャはあのリンゴ・スターの孫娘であり、元オアシス、そしてザ・フーのサポート・メンバー、ザック・スターキーの娘なんです。ターシャとルアリーがロンドン・イースト・エンドで行なわれたイベントで出会い意気投合、2009年にベラキスとしての活動が始まりました。
そんなベラキスのインタビュー、お届けしましょう。まず、なぜ日本先行でデビューすることになったのか、その理由をベンとルアリーが話してくれました。
「だって日本はセンスがいいからだよ」──ベン
![](https://img.barks.jp/image/review/1000072827/301.jpg)
ベラキスというバンド名はターシャが提案したそうですが、この名前の裏には意外な事実が隠されていました。
「みんなでバンド名を探してたんだけど、インターネットで出て来たのよ。連続殺人犯のことを調べていた時にね。ベラキスっていうのはハンガリーの殺人鬼の名前なの。まあ、いい名前ではないけど、ベラキスって響きがいいでしょ。それにすごくダークだけど、美しさもあるしね。私たちの音楽みたいに2つの異なるイメージがあったからいいと思ったのよ」──ターシャ
そうだったんですか…ちょっとドキッとしました。そして、やはり気になるのは、ターシャがリンゴ・スターの孫娘であり、元オアシスのサポート・メンバー、ザック・スターキーの娘だということですよね。そこでターシャに、ミュージシャンになったのはお父さんの影響だったのか、聞いてみました。
「父がプレイするのを見ていたから、自分も楽器をやりたいとは思っていた。音楽の道に進むとは思ってなかったけど、まあ、そうなったわけで。楽器はなんでも試していたの。ギター、ドラム、フルート、リコーダー、ピアノ。だから父は私がやりたいことを分かっていたと思う。音楽か、なにかクリエティヴな活動、ダンスとか。で、私が音楽をやるってわかったときに、父にベースを勧められたの。その通りに、今私はベースを弾いてるってワケ。父はすごく私のことを誇りに思ってくれてるわ」──ターシャ
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「びっくりしてた。おじいさんにデモを送ったの。そしたら音符をかいて、“こうしなさい”とかアドバイスしてくれたわ。信じられなかったみたいだけど、誇りに思ってくれている。私が子供の頃から、同じ遺伝子を感じてたみたい」──ターシャ
リンゴ・スターに音楽の指導をしてもらえるなんて、普通じゃあり得ませんよね!ターシャにいつかおじいさんとステージに立ちたいと思う?って聞いたら、こんな答が返ってきました。
「それはやめとくわ。だって、私は他の人と同じように自分のことがやりたいからよ。父のバンドでプレイする機会もあったけど、自分のことをやりたいからやめたの。もっと年をとってからだったら、ただ楽しむために一緒にやるかもしれないけど、先のことなんてわからないしね。私はこのメンバーと一緒にやれていることが嬉しい。自分たちがやりたいことをできるグループなんだもの」──ターシャ
ベラキスは今年のフジロックに初参戦しました。その感想をアルフィーとベンはこう話しています。
「どのバンドもフジロックにでるのが夢だって言ってるよ。フジに出ることはバンドのやりたいことリストのトップにあるんだよね。そのステージに立てるなんて最高だよ」──アルフィー
「それに友達や家族もビックリしてたよ。フジロックに出たなんてすごいってね」──ベン
ほかに来日時のこぼれネタとして…ルアリーは日本に滞在中、明治神宮に行って東京とは思えない場所に感動。たまたま結婚式をやっていて、それもよかったと話してくれました。また、ターシャの服選びは「着心地のいいもの」を最優先。普段は黒い服が多いけど、最近はピンクも着るようになったそうです。日本の女の子のファッションはサイコーだって言ってましたよ。
それでは最後にルアリーとターシャからみなさんにメッセージです。
「ルアリーです。僕らのアルバムを聞いて下さい。楽しんでもらえるとおもうよ」
「ターシャです。私たちを呼んでくれてありがとう。アルバム買ってね。そしたら戻ってこられるから」
今回、メンバー4人に会って感じたことは仲の良さ。メンバー間のリレーションの良さはベラキスのバンド・サウンドに表れています。ぜひデビュー作を聴いてください。1960年代から1970年代風なサウンドはどこか懐かしく、ご機嫌です。サイケデリックでポップなあの感じ、とでもいうのでしょうか。それでいてキャッチーなメロディーとコーラスに口ずさみたくなったりします。好感が持てる奴ら、ベラキス、今後もお見知りおきを。
text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS
『ベラキス』
AUCP-1 2800円
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