moumoon、華やかでキラキラしたハッピー・ムード一色の最新シングル「Chu Chu」特集

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最新シングル「Chu Chu」 2011.8.3リリース

INTERVIEW

――今回の「Chu Chu」は資生堂「マキアージュ」のCMソングですが、そのCMのお話が最初にあって制作に入ったんですか?

YUKA:「マキアージュ」のCMソングとしてこちらが書き下ろした数曲の中で一番気に入ってくれたのがこの曲で、制作はそのデモから広げていったんです。一番最初は、資料としていただいていたCMの絵コンテを拝見したのと、この「マキアージュ エッセンスグラマスルージュ」っていうアイテムを塗るとくちびるが「ぷるるるん!」「うるるるん!」とするんだっていうことが書いてあって、「そうかぁ……。どんな感じだ!?」って(笑)。そこからまずMASAKI君がイメージしたのがすごく楽しげな雰囲気の曲だったので、じゃあ歌詞も歌声もそういう方向で振り切ってやろうと思って、最初は英語で歌詞にその「ぷるるるん」とか「うるるるん」っていうキーワードをどこに入れ込もうか、とか色々考えて何パターンもデモを録ってみて形になったのがこの作品なんです。

――サビの頭の「ぷるるるん」「うるるるん」って超ポップなフレーズがインパクトありますよね(笑)。そのイメージから広げて、この楽しげで振り切った雰囲気の曲ができた。

YUKA:そうですね。ウキウキして楽しい、「身体がなんか踊ってきたぞ!」っていうふうになれる曲にしよう、あまり考えなくても分かる曲にしたいって。最初のデモは打ち込みで作っていたので、最初は歌詞が感情的にちょっと無機質な感じになっていて。だけど、ベースとドラムを生音に差し替えたときに、曲がもっと「あっ、遊んでる!」っていう感じになったというか。打ち込みのときの「なんとなくカッコいいね」っていう感じの曲から、生音になってヒューマンな感覚が良い意味で出てきて、そのバランスがすごく良かったんですよね。すごい骨太な音だし、そのリズムの上でヴォーカルがコロコロ転がってて、ギターはなんか好き勝手にジャキジャキ鳴ってて(笑)。そういう、「もっと遊んでいいんだ!」って感じがすごくしたから、そのあとに書いた歌詞も広がりました。

――「もっと遊んでいいんだ!」っていう感覚は、これまでの作品制作のときにもmoumoonの中にはあったものなんですか? 良い意味の遊び心、みたいなものは。

YUKA:「遊んでしまえ!」っていうのは、特に今は感じるようになってきていますね。こんなに明るい曲でゾクゾクできるっていうのは、去年くらいからやっと得られた感情だったりしたので。去年の7月に出したミニアルバムのタイトルでもあるんですけど、その中の「SPARK」っていう曲ができたときに、「明るい曲ってこんなにゾクゾクするんだ!」って。私、小さいときから、CDの中に入っている6曲目くらいになるような曲が好きで(笑)。わりとマイナーコードの曲が好きだったしMASAKI君もそうだったんですけど、良い意味で軽くて、楽しくて、脳内で気持ちよい物質が出てきそうな音みたいな曲が少しずつできるようになってきてから、「振り切るって良いことだな!」って思って、それが自分にとってはちょっと新しいステップになったんですよ。その経験が、この「Chu Chu」っていう曲にも出てたらいいな、って。

――歌詞の全体のストーリーは、どんなふうに広げていったんですか?

YUKA:まず最初に、これはキスの歌にしようって決めていて。じゃあどんなキスの歌にしようかってずっと考えていて……。でも、恋愛ソングに寄り添いすぎるのもなんか違うなと。聴いてて何か気持ち良い物質が出てくるような曲にするにはって考えたら、例えば、自分のすごく好きなものに囲まれて楽しい気持ちの女の子、っていうのが主人公に浮かんできて。じゃあその子はどんな性格なんだろう、とか……。私はなかなかそうなれないけど、この歌詞を書いてるときとか歌ってるときには変身できるような感じにしてみようかなって(笑)。楽しいことにはかなりアグレッシブで、ミュージカルみたいにはできないけど、でも頭の中では色んなものにキスしながら歩いてるような子なんだろうな、なんて思ったり。

――なるほどね。自分の好きなものに対してはアグレッシブな。それは単に彼氏とかっていう話だけじゃなくて。

YUKA:そうそう。人だけじゃなくて、街角を歩いてる犬だったり、お花屋さんで咲いている切り花のチューリップだったり……。そういう意味では、幅はすごく広くて。単にキスって言っても、今ちょうど恋をしている子にとっては、すごく距離が近いキスに感じるだろうし、好きな人がいるけどまだ告白できない子にとっては投げキッスみたいな、ちょっと離れたところにいる人へのキスかもしれないし、とか。キスして初めて「私はこの人が本気で好きなんだ!」って本気で気付けるような、不思議な作用も持っていると思うし。そうやって、キスって色んなことが起こせるんだなって思いながら書いてたら、歌詞はすごく幅が広いものになりました。

――今、恋愛まっただ中にいる人は、その好きな人とキスしてるのを思い浮かべるのも良いし……。って、言っててなんかすごい恥ずかしくなっちゃったんですけど(笑)。

YUKA:(笑)恋バナしてるみたいですよね。

――でもそうやって、恋愛中の人はストレートに恋愛の歌にとらえてもらっても良いし、もっと広く自分の好きなものを想像して楽しんでもらっても良いし、みたいな。

YUKA:そうですね。あとは、例えば……。CMを見たときは、凛とした武井咲さんの姿を見て、「私も攻めたい!」って思えるような(笑)。陽気な恋みたいなシチュエーションで頭がいっぱいになる人もいるかもしれないですね。CMもすっごい素敵でした!

――カップリングの「moonlight」は、以前シングルとしてもリリースした日本語バージョンから英語バージョンになっていて。日本語も英語も自在に駆使できるのはmoumoonの特徴の一つだと思うんですけど、1曲の中でも日本語と英語が様々入れ替わったりもするスタイルは、自然なスタイルなんですか?

YUKA:それは、たぶん……。曲をまず最初に聴いたときに、ここは絶対日本語で伝わる言葉で書きたい、ここは遊ぶ場所とかっていうのを最初に決めちゃうからですね、こうなるのは。あとでやっぱり戻したほうがいいねってなることもあるけど、ここはメロディに遊びがあるから英語を混ぜたいとかって、先にMASAKI君に言われることもあるし。そういう遊びが最近は増えてる感じがするし、元々そういうことが好きで……。「Flowers」っていう曲の歌詞を生まれて初めて書いたときも、もうすでにそういう遊びを自然にやってたんですよね。moumoonを結成して、一番最初にレコーディングした曲でも。だから、色んな言葉がコロコロ入ってくる心地よさみたいなものは特徴というか、今もどこかに必ず入ってくるものだと思いますね。

――moumoonの音楽って、間違いなくJ-POPだとも思いますが、ある意味で洋楽的なすごく洗練された雰囲気を持っているとも思うし。僕は、こういう音楽が日本発の音楽として世界に出て行ったら面白いんじゃないかな、なんて勝手に想像してるんですけどね。

YUKA:嬉しいです、それは! たぶん、普通にネイティブの人とか、英語圏の人が聴いたら、たぶん不思議な響きだなって感じると思うんですよ。英語、日本語、他にも色々混ざりすぎてて(笑)。それが音として、楽器としても面白いんじゃないかなって思うので。この「moonlight」っていう曲もメロディに遊びがあって、「これは和メロだな!」ってすごくキュンとくる部分があったりとか。それに上手く寄り添って遊びたいと思ったので、歌詞を書いていてもすごく楽しかったです。

――ネイティブの人達の感想をぜひ聞いてみたいですね。で、いつかぜひ海外進出も!

YUKA:(笑)いつかヨーロッパツアーとかしてみたいよねとか、よく話すんですけど。「憧れるよねー!」とか。で、「じゃあEnglish Version増やしたほうがいいよ!」とか言いながら、色々作ってたりするんです。単純に、音の響きの楽しさとかも味わってほしいし、そういうふうに海外でもしライヴができたら、とか……。で、そういう場所では意外と日本語のほうがみんな喜んだりするのかも、とか想像したり。そういう意味で、表現のバリエーションがあるのは良いんじゃないかな。moumoonって色々あるんだな、こういうこともやるんだなっていう楽しさとか、日本人が英語で歌っている面白さとか、もし海外の人でもファンがいてくれたらそういうことも楽しんでもらえたら嬉しいですね。

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