LM.C、Twitter上で行なわれた擬似ライヴをリアルに
5月3日(火)に行なわれたLM.Cの札幌公演ライブのオフィシャルレポートが到着した。Twitter上で行なわれた擬似ライヴがリアルになるという、過去に例を見ないそのライヴとは…。
◆ ◆ ◆
2月11日(金・祝)の名古屋ボトムラインを皮切りに全国15箇所をまわるツアー<~Go To The 5th Anniversary~LM.C LIVE TOUR 2011>に出ていたLM.C。彼らは、自分たちを待ちわびてくれていたオーディエンスと共に各地で熱いライヴを重ね、ツアーもラストスパートに差し掛かろうとしていた。が、そのとき、東北地方太平洋沖地震が起こったのだ。想定外の規模の大震災に日本中、そして世界中が戸惑った。“何をすべきなのか――”“どうすべきなのか――”おそらく、誰もが自問自答したに違いない。“娯楽”である音楽を届ける立場である彼らもまた、節電や自粛と言われている最中、ライヴやツアーを続行させるべきなのか延期・中止すべきなのか、正解のない答えに対し相当な葛藤があったことだろう。
彼らは悩んだ結果、3月15日(火)以降に実施予定であった富山・金沢・新潟・札幌4公演を延期することを選んだのだ。しかし。彼らが他と違ったのはここからだ。
“何処にいても何があってもいつだって繋がれる”というメンバーの発案により、Twitter上での擬似ライヴを行なうことを決めたのだ。<★BKK-GGL★(物理的な距離を越えての擬似ガチライヴ)>と命名されたこの疑似ライヴは、延期された各公演日に、当日演奏予定であったセットリストをブログで発表した上で、予定されていた開演時間からセットリストに沿って楽曲を各自で聴きながらメンバーとファンがTwitter上でコミュニケーションを取ると言ういままでに類を見ないスタイルで行なわれたのだ。なんとも彼ららしい発想。常に自分たちを支えてくれるファンと近い距離に居たいと考えて向き合っている彼らだからこそ思いつくことが出来た素敵な試みだと思った。
大勢のファンがこの擬似ライヴに参加したこともあり、3月18日(金)のハッシュタグランキングで総合1位を記録したという。疑似ライヴは、3月15日(火)富山、3月17日(木)金沢、3月19日(土)新潟、3月21日(月)札幌という当初のスケジュールどおり延期となった全箇所で行なわれ無事に全国ツアーを成し遂げたのだが、彼らは更に、5月に行なう振り替え公演で、この擬似ライヴと同じセットリストで、疑似ライヴをリアルに体験してもらおうという企画でツアーを再開させたのだ。これもなんとも粋な計らいである。
<~Go To The 5th Anniversary~LM.C LIVE TOUR 2011>であり、<★BKK-GGL★(物理的な距離を越えての擬似ガチライヴ)>のリアル公演の初日となった5月3日(火・祝)の札幌ペニーレーン24でのライヴは、とにかく熱い、純粋にお互いがお互いを求め合う本来のライヴの意味を直に感じることので来た最高の1本となった。
mayaはこの日、2曲届けた後、すぐにMCを挟んだ。
「待たせちゃってごめんね。会いたかったです。会えて良かった」──maya
彼らが約束通り逢いに来て音を届けてくれたことと、自分たちと同じ気持ちを直接言葉で発してくれたことに多くのファンたちは涙した。不安もあったのだろう。待ち遠しかったのだろう。さまざまな想いが一気に溢れ出したのだろうと思うと胸が熱くなった。
札幌のライヴでは、疑似ライヴと同じセットリストに5月18日(水)に延期になったニューシングル「SUPER DUPER GALAXY」が加えられた全23曲が届けられたのだが、自分たちの音に両手を上げ、全身で受け止め楽しんでいたオーディエンスを、彼らは終始愛おしそうな表情で見つめながら、いつも以上の激しいライヴを届けてくれた。全力で音を届ける彼らと全力で受けとめるオーディエンスの見慣れたやりとりが、何故かこの日はとても愛おしかった。
ライヴ中に「初めてLM.Cのライヴを見る人どれくらい居る?」とmayaが問いかけると驚く程の人数が手を上げた。疑似ライヴで彼らのことを知り、足を運んだオーディエンスも多かったのだろう。「今回の震災を教訓に、一瞬一瞬を、1回1回のライヴを楽しんでいこうな! 1回しかないんだから、人生なんて。君たちが生きていてくれた ら、会いに来てくれたら、俺たちは絶対に楽しませるから! これからも一緒に楽しんで、一緒に頑張ろうな!」(Aiji)そんな声にフロアからは「ありがとう」「愛してる」の声が届けられた。「こちらこそありがとう。俺たちも愛してるよ。やっぱり俺たちにはここしかないと思いました。みんな最高! ピース!」(maya)
mayaが最後に叫んだ言葉が、いつもよりも深く心に染込んだ気がした。
彼らは終演後、この日から設置した義援金を募る募金箱を自ら大切に整理し始めた。そこに詰め込まれていた多くのファンたちからの“気持ち”をしっかりと受け止めていた2人。2人はそんな中にあった1通の封筒を見つけた。彼らがそれを開けると、そこには、【★BKK-GGL★富山・金沢・新潟のエアー当日券分です】と書かれた手紙と1万5000円が同封されていたのだ。
2人が感動していたことは言うまでもない。この日集まってくれたことだけで嬉しいのに、こうして気持ちを寄せてくれるファンたちの想いに改めて感謝したいと彼らは言った。
彼らの想いに対して返ってきた想い――。互いを思いやる気持ちのあたたかさに深い愛情と深い絆を感じた夜だった。
大きな爪痕を残し、今もなお余震が続く日本。被災地では多くの人たちがいまだ普段の生活を取り戻してはいない――。そんな中、“今出来ること”は、音を届け歌う事であるということ、それこそが、“今出来ること”“すべきこと”なのだと、この日、彼らと彼らのファンに教えられた気がした。
ライブレポートWriter:武市尚子
◆LM.Cオフィシャルサイト
◆ ◆ ◆
2月11日(金・祝)の名古屋ボトムラインを皮切りに全国15箇所をまわるツアー<~Go To The 5th Anniversary~LM.C LIVE TOUR 2011>に出ていたLM.C。彼らは、自分たちを待ちわびてくれていたオーディエンスと共に各地で熱いライヴを重ね、ツアーもラストスパートに差し掛かろうとしていた。が、そのとき、東北地方太平洋沖地震が起こったのだ。想定外の規模の大震災に日本中、そして世界中が戸惑った。“何をすべきなのか――”“どうすべきなのか――”おそらく、誰もが自問自答したに違いない。“娯楽”である音楽を届ける立場である彼らもまた、節電や自粛と言われている最中、ライヴやツアーを続行させるべきなのか延期・中止すべきなのか、正解のない答えに対し相当な葛藤があったことだろう。
彼らは悩んだ結果、3月15日(火)以降に実施予定であった富山・金沢・新潟・札幌4公演を延期することを選んだのだ。しかし。彼らが他と違ったのはここからだ。
“何処にいても何があってもいつだって繋がれる”というメンバーの発案により、Twitter上での擬似ライヴを行なうことを決めたのだ。<★BKK-GGL★(物理的な距離を越えての擬似ガチライヴ)>と命名されたこの疑似ライヴは、延期された各公演日に、当日演奏予定であったセットリストをブログで発表した上で、予定されていた開演時間からセットリストに沿って楽曲を各自で聴きながらメンバーとファンがTwitter上でコミュニケーションを取ると言ういままでに類を見ないスタイルで行なわれたのだ。なんとも彼ららしい発想。常に自分たちを支えてくれるファンと近い距離に居たいと考えて向き合っている彼らだからこそ思いつくことが出来た素敵な試みだと思った。
大勢のファンがこの擬似ライヴに参加したこともあり、3月18日(金)のハッシュタグランキングで総合1位を記録したという。疑似ライヴは、3月15日(火)富山、3月17日(木)金沢、3月19日(土)新潟、3月21日(月)札幌という当初のスケジュールどおり延期となった全箇所で行なわれ無事に全国ツアーを成し遂げたのだが、彼らは更に、5月に行なう振り替え公演で、この擬似ライヴと同じセットリストで、疑似ライヴをリアルに体験してもらおうという企画でツアーを再開させたのだ。これもなんとも粋な計らいである。
<~Go To The 5th Anniversary~LM.C LIVE TOUR 2011>であり、<★BKK-GGL★(物理的な距離を越えての擬似ガチライヴ)>のリアル公演の初日となった5月3日(火・祝)の札幌ペニーレーン24でのライヴは、とにかく熱い、純粋にお互いがお互いを求め合う本来のライヴの意味を直に感じることので来た最高の1本となった。
mayaはこの日、2曲届けた後、すぐにMCを挟んだ。
「待たせちゃってごめんね。会いたかったです。会えて良かった」──maya
彼らが約束通り逢いに来て音を届けてくれたことと、自分たちと同じ気持ちを直接言葉で発してくれたことに多くのファンたちは涙した。不安もあったのだろう。待ち遠しかったのだろう。さまざまな想いが一気に溢れ出したのだろうと思うと胸が熱くなった。
札幌のライヴでは、疑似ライヴと同じセットリストに5月18日(水)に延期になったニューシングル「SUPER DUPER GALAXY」が加えられた全23曲が届けられたのだが、自分たちの音に両手を上げ、全身で受け止め楽しんでいたオーディエンスを、彼らは終始愛おしそうな表情で見つめながら、いつも以上の激しいライヴを届けてくれた。全力で音を届ける彼らと全力で受けとめるオーディエンスの見慣れたやりとりが、何故かこの日はとても愛おしかった。
ライヴ中に「初めてLM.Cのライヴを見る人どれくらい居る?」とmayaが問いかけると驚く程の人数が手を上げた。疑似ライヴで彼らのことを知り、足を運んだオーディエンスも多かったのだろう。「今回の震災を教訓に、一瞬一瞬を、1回1回のライヴを楽しんでいこうな! 1回しかないんだから、人生なんて。君たちが生きていてくれた ら、会いに来てくれたら、俺たちは絶対に楽しませるから! これからも一緒に楽しんで、一緒に頑張ろうな!」(Aiji)そんな声にフロアからは「ありがとう」「愛してる」の声が届けられた。「こちらこそありがとう。俺たちも愛してるよ。やっぱり俺たちにはここしかないと思いました。みんな最高! ピース!」(maya)
mayaが最後に叫んだ言葉が、いつもよりも深く心に染込んだ気がした。
彼らは終演後、この日から設置した義援金を募る募金箱を自ら大切に整理し始めた。そこに詰め込まれていた多くのファンたちからの“気持ち”をしっかりと受け止めていた2人。2人はそんな中にあった1通の封筒を見つけた。彼らがそれを開けると、そこには、【★BKK-GGL★富山・金沢・新潟のエアー当日券分です】と書かれた手紙と1万5000円が同封されていたのだ。
2人が感動していたことは言うまでもない。この日集まってくれたことだけで嬉しいのに、こうして気持ちを寄せてくれるファンたちの想いに改めて感謝したいと彼らは言った。
彼らの想いに対して返ってきた想い――。互いを思いやる気持ちのあたたかさに深い愛情と深い絆を感じた夜だった。
大きな爪痕を残し、今もなお余震が続く日本。被災地では多くの人たちがいまだ普段の生活を取り戻してはいない――。そんな中、“今出来ること”は、音を届け歌う事であるということ、それこそが、“今出来ること”“すべきこと”なのだと、この日、彼らと彼らのファンに教えられた気がした。
ライブレポートWriter:武市尚子
◆LM.Cオフィシャルサイト
この記事の関連情報
【ライヴレポート】DEZERT主催<DEZERT PARTY >2日目、盟友たちと交わした愛の宴「攻撃するだけの音楽じゃ死ぬとき俺は後悔する」
【ライブレポート】PIERROT×DIR EN GREYの“月戦争”「ピエラーも虜も関係ねえんだよ!」PIERROTワンマン公演開催も発表
PIERROT、約10年ぶりワンマンとなる有明アリーナ2DAYSを2025年2月開催決定
PIERROT、全26作品サブスク解禁
DIR EN GREY × PIERROT、7年ぶり<ANDROGYNOS>ライブ映像をYouTubeプレミア公開
【ライヴレポート】LM.C、誕生日公演<mayaの王様ナイト>で「生まれ変わってもmayaになりたい」
DEZERT主催イベント<DEZERT PARTY>2daysに、ΛrlequiΩ、deadman、メリー、RAZOR、LM.C、Royz、Verde/、vistlip
【ライヴレポート】Waive × LM.C、<浅草コンプレックスルート Day1>で22年ぶり共演「悔いを残すなよ! 納得のいく人生を!」
DIR EN GREY × PIERROT、7年ぶり<ANDROGYNOS>を10月開催