「WORLD SONIC NEWS VOL.6」既成概念に捕われないFree Wired、それがファーイースト・ムーヴメント

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今回は、超話題のエイジアン・ヒップホップ・ユニット、ファーイースト・ムーヴメントをフィーチャーします。

◆ファーイースト・ムーヴメント画像

LAのクラブ/ストリート・カルチャーが生んだファーイースト・ムーヴメントは日本、中国、韓国、そしてフィリピンの血を継ぐアジア系アメリカ人4人からなるユニットで、2009年にはヒップホップ・シーン最大規模の全米ツアーにジェイ-Zやフロー・ライダー、ブラック・アイド・ピーズ等と参加するなど、早くから注目されていたニュー・カマーです。

2010年にはレーベル・メイト、レディー・ガガのジャパン・ツアーに同行、オープニング・アクトとはいえ、日本のヒップホップ・ファンに強烈な印象を残します。アルバムに先駆けてリリースされたシングル「ライク・ア・G6」が全米チャートNO.1を獲得するなど、世界のチャートでヒートアップ!その大ヒットを受けて、急遽、メジャー・デビュー・アルバムのリリース日を早めたという逸話があるほどです。

日本では4月にリリースされたメジャー・デビュー作のタイトルが『フリー・ワイアード』、そのコンセプトについて、ラップ担当のケヴはこう話しています。

「アルバムのタイトル『Free Wired』は、僕たちのライフ・スタイルを表現するのに自分達で作ったスラングに由来しているんだ。僕たちが生まれ育ったLAのダウンタウンでは、1ブロックに30もの違う文化、人種が共存していて、すべてが仲間。ダウンタウンには本当に多種多様な音楽シーンがあって、全部から影響を受けているからこそ、既成概念に捕われることなく、自由な発想で新しいことを試そうと思った。そこで思いついたことがFree Wiredだったんだ。だから誰かが何か奇想天外なことをしたら、例えば、エレクトロなビートに、オールドスクール風のラップを重ねたら、“今のFree wiredだね!新しいよ!”って言うんだ。あるいは、照り焼きチキンをタコスに包んで、テリヤキ・ソースとサルサ・ソースも混ぜてしまうのも“free wired”。つまり、本来であれば、混ぜるべきものでないものを組み合わせて、新しい美しいものを生み出すってこと。それが僕たちのアルバムの本質さ」

セカンド・シングル「ロケッティア」になぜライアン・テダーをヴォーカルに起用するようになったのか、ケヴに聞いてみました。

「「ロケッティア」はいろんな人たちと力を合わせて作った曲だった。ステレオタイプスとブルーノ・マーズと一緒にスタジオに入って、僕たちのFree wiredというコンセプトの別の面を見せる、LAで切磋琢磨している夢追い人たちを象徴する曲を作ろうということになった。まず、ヒップホップ調のビートに、エレクトロ風のシンセ、それからオルタナ・ロックのメロディーを全部Free wiredの精神に乗っ取ってマッシュアップしてみたらRocketeerが生まれたってわけさ。で、曲を作る際、スタジオに向かう途中、ワン・リパブリックを聞いて「ライアン・テダーがサビを歌ってくれたらいいね!」って話をしていたんだよ。で、曲が完成してマーティン・キールセンバウムに聴かせたら、「ライアン・テダーなら友達だよ」と言って、その場で電話してくれたんだ。ライアンに出来た曲を送ったら、彼が気に入ってくれて、スタジオで素晴らしいヴォーカルが録れて、ビデオにまで出演してくれたんだよ」

特に影響を受けたアーティストは誰かという質問をメンバー全員にしてみたら、こんな答が返ってきました。

「すぐに思いつくのはビースティ・ボーイズ。3人のMCと1人のDJというスタイルもそうだし、はちゃめちゃな感じとか、パンクとヒップホップを融合させたり、自分達でも楽器を弾いたり、ビデオでもライヴでも常に楽しんでいることが伝わってくる。みんなで彼らのDVDを見ては、動き方とか研究しているんだ。ステージの間の取り方とかね。彼らのことをあまりに尊敬しているので、アルバムに収録した「So What?」という曲で敬意を表している。彼らの「so what 'cha want」をサンプリングしていて、それを承諾してくれたのも凄く光栄だった。いつか、一緒にレコーディングか、ライヴ共演が叶わなくても、会えたら嬉しいね」──スプリフ

「あとはリンキン・パーク。彼らはヒップホップとロックをマッシュアップして、ヴィジュアルにおいても常に斬新なものに挑戦している。ビデオも全て自分達で手がけているし、独自のサウンドも確立して、アルバム毎に進化し続けている。凄く刺激を貰っているよ」──ケヴ

「チェリー・トゥリー・レコード所属の他のアーティスト全員。僕らが目指すオルタナ・ポップというものを彼らは正に体現していて、常に斬新なサウンドに挑戦している。みんな素晴らしいサウンドを持っていて、パフォーマンスも素晴らしい。彼らと仕事をするとたくさん刺激を受ける、同じグループに所属できて嬉しいよ」──プログレス

「僕はやっぱりアウトキャストかな。彼らは決して枠にとらわれない。彼らが曲を出す時っていうのは、どんな曲が出てくるのかまったく想像がつかない。だからアルバムにはどんな曲が入っているのか思わず聴きたくなる。正にfree wiredそのものだよね。何が出てくるかわからないけど、何が出てきても素晴らしいよね」──DJヴァーマン

では、最後にケヴから日本のファンにメッセージです。

「みんなアリガトウ!このアルバムを聴く時はみんなもfree wiredの世界とつながっているんだから、いつでもネットで僕たちに声をかけて。ホームページをチェックしてくれてもいいし、ブログもTwitterもfacebookもやっているから。またライヴでみんなに会えるのを楽しみにしているよ!」

今、超話題のエイジアン・ヒップホップ・ユニット、ファーイースト・ムーヴメントのメジャー・デビュー・アルバム『フリー・ワイアード』には、スヌープ・ドッグやリル・ジョン、ケリー・ヒルソンなど豪華アーティストが参加しています。ぜひチェックしてください。

text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS

『フリー・ワイアード』
UICV 1012 2,200円(税込)

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