シド、1年7ヶ月ぶりのアルバム『dead stock』完成。「時間が経っても色褪せない音楽になってほしい」

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シド

1年7ヶ月ぶりのオリジナル・アルバム『dead stock』2011.02.23 on sale

INTERVIEW

「曲はライヴを通して成長していくものだと思うから。特に今回はツアーが決まってたし、1曲目から通して聴いていると、ライヴが思い浮かぶようなものを意識した」明希

――メジャー1stアルバム『hikari』以来、約1年7ヶ月ぶりのアルバムですね。この間にシドは2度の全国ツアー、そして、さいたまスーパーアリーナ('10年7月31日)、東京ドーム('10年12月11日)でのライヴを成功させていて。

ゆうや(Dr):ライヴもたくさんやりましたし、レコーディングもいっぱいやってましたね(笑)。今回のアルバムにもシングルが5曲入ってるし、“けっこう録ったな”って。

マオ(Vo):シドはシングルの制作のときも、かなりの数の曲を集めるんですよ。“シングル用に2曲”っていう感じじゃなくて、毎回、けっこう大掛かりなんですよね。

明希(B):制作に入ると、ずっと作ってますからね。

――初の東京ドーム公演についてはどんな手ごたえを感じてますか? シドにとっても、大きな出来事だったと思うんですが。

明希:うん、そうですね。一度切りでは終わらせたくないなって、強く思いました。

Shinji(G):ツアーの流れではなくて、“一発OK”にしなくちゃいけないライヴだったんですよ。プレッシャーとまではいかないけど、人間的に成長できたとは思いますね。体調管理にもすごく気を使ったし。

――アルコールも控えつつ?

Shinji:いや、そこは控えてないですね。好きなので(笑)。

――(笑)。アルバムの制作期間はいつくらいだったんですか?

ゆうや:8月~10月くらいですね。

――さいたまスーパーアリーナと東京ドームの間ですね、ちょうど。制作に当たっては、何かテーマがあったんですか?

ゆうや:うん、ありましたね。さっきも言いましたけど、まず、シングルが5枚あって。そこからアルバムを組み立てていくときに、“こういうジャンルの曲がほしいね”っていうミーティングをやったんですよ。そこで上がってきたアイデアをもとにしながら、それぞれが曲を作ってきたりとか。

――なるほど。作曲者(ゆうや、明希、Shinji)にとっては、なかなかやりがいのある方法ですよね。“そんなジャンル、作ったことないよ”っていうテーマもあるだろうし。

明希:そうですね。でも、ずっとこういう感じでやってきたので、さすがに慣れてきましたね。あと、これも毎回そうなんですけど、曲っていうのはライヴを通して成長していくものだと思うんですよ。特に今回は(アルバム・リリース後の)ツアーが決まってたし、そこは意識してましたね。1曲目から通して聴いていると、ライヴが思い浮かぶというか。

Shinji:今回のアルバムはホントに飽きないんですよ。自分らはレコーディングしてる間に何回も聴いてるわけで、飽きることもなくはないんです。でも、このアルバムは出来上がったあとも何回も聴けて。きっとリスナーの人たちも、飽きないで聴いてもらえるんじゃないかな、と。

マオ:ジャンルの幅もまた広がってますからね。

――ヴォーカリストとしても楽しめたんじゃないですか?

マオ:そうですね。“同じヴォーカリストだけど、(曲によって)違う人”くらいの勢いで入り込んでたので。そのあたりはけっこうがんばったかな。

――新しいキャラも登場したり?

マオ:はい。「2月」「いいひと」もそれぞれ違う感じで歌ってるし、あとは「dog run」「シェルター」「NO LDK」「ワイフ」も…。

ゆうや:全部じゃん(笑)。

マオ:(笑)。でも、幅が広がるのはおもしろいっすね。新しいスタイルに一斉に手をつけた感じなので、それぞれを極めていきたいと思うし。どんなジャンルでも大丈夫っていう人になりたいので。

――アレンジ的な広がりもすごいですよね。たとえば「シェルター」のリズムにはドラムン・ベース的なアプローチが含まれてると思うんですが…。

ゆうや:あ、それはたまに言われますね。

――ドラムのフレーズもすごいことになってて。

ゆうや:大変ですよね(笑)。“常識じゃないような”っていうのが狙いだったんですよ、これ。プリプロの段階から、“変わったことをやりたいね”って(作曲者の)Shinjiとも話していて。“ここでこうなったら、おもしろくね?”っていう感じですよね。

Shinji:けっこうみんなで悪ノリしながらやってたので。途中でわけわかんなくなりかけたんですけど、そのタイミングで珍しくマオ君がアレンジに入ってきてくれて。

ゆうや:冷静な目で見てたよね。

マオ:ふだんは(アレンジについて)あんまり言わないんだけど、このときはすごい方向に行きかけてたというか、ちょっとギャグみたいになってたので(笑)。おもしろがっていろいろやるのは俺も好きなんだけど、“どこらへんに落とし込むか”っていうのも必要ですからね。

明希:おもしろい曲になったと思いますよ。偶然の産物っていう要素もあるし、大胆にいろんなことを試せたので。

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