【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第20回 「『All Things Must Pass』とウォール・オブ・サウンド」

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D.W.ニコルズの鈴木健太です。
今回取り上げるのは、ジョージ・ハリスンの1970年の金字塔、『All Things Must Pass』。アナログ3枚組という大作にも関わらず、全英・全米ともにNo.1を獲得。ビートルズの解散後、ほかの誰よりも早くヒットを出したのはジョージでした。


とにかく、僕はジョージ・ハリスンが大好きです(ちなみに心の4大ギタリストは、ジョージ・ハリスン、ロビー・ロバートソン、エリック・クラプトン、デュアン・オールマン)。ビートルズではもちろんジョージ派であることは言うまでもありません。当然ながら僕は、ミュージシャンとしてたくさん影響を受けていて、実際にD.W.ニコルズでも、曲のアレンジには“ビートルズっぽさ”が、ギターアレンジには“ジョージっぽさ”がたくさん現れていると思います。

スライドギター(ボトルネック奏法)でもジョージの影響を大きく受けています。ブルースから生まれたボトルネック奏法はブルージィに使われることがほとんどですが、ジョージはとてもポップに使います。ギターというよりひとつのメロディー楽器として非常に効果的に使うのです。また、「My Sweet Lord」のようなツイン・スライドも今や常套句。彼はスライドギターの可能性を大きく広げた偉人だとも言えるでしょう。僕はスライドギターのそういったポップな使い方を彼から学んでいます。

さてキリがなくなってしまうので、ジョージの話もひとまずこの辺にしておくとしましょう。

この『All Things Must Pass』は、当時、旬のたくさんの素晴らしいミュージシャンたちとともに作られ、たくさんの名演を聴くことのできる作品です。プロデュースはあのフィル・スペクターとジョージの共同プロデュース。今回はその辺に焦点を合わせて話を進めていこうと思います。
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