【連載】Vinyl Forest vol.7 ── Cantoma「Under The Stars (Ray Mang's remix)」
過去にDee-S 氏がこの連載「Vinyl Forest Vol.5」でも紹介したレーベル、Lengからの新譜「Under The Stars (Ray Mang's remix)」を今回紹介したい。アーティストはLengの2弾シングル「NORTH SHORE」が話題となったCantomaである。
「NORTH SHORE」は、2010年の夏に登場した盤で「North Shore (Idjut Boys version)」が収録されていた。この「North Shore(Idjut Boys version)は、私が参加する、USTREAMで配信している「c-les.com」のBack In My Rootsでも話題となり、私も自身のサイトでレヴューを書いたほどだ。こちらの盤については私のサイトを参照していただきたい。一言だけ言えるのは、この盤は2010年上半期で1、2位を争うぐらい話題になった盤、ということ。もちろん、Dee-S氏、私も自身のミックスに収録している。
さて、CantomaはDJ Phil MisonがChristophe Gozとともに結成したユニットだ。「NORTH SHORE」をIdjut Boysがリミックスしたせいもあって、再注目されている。そんな彼らの新譜が「Under The Stars」だ。
A面「Under The Stars」では、Ray Mangがお得意の催眠系ループを披露している。原曲はもう少しBPMが遅く、晴れた午後にベンチで聴けるようなチルアウトな曲なのだが、Ray Mangによってダンスフロア向きの楽曲へリミックスされている印象だ。Ray Mangのリミックスは、彼の特徴が出やすい気がする。はっきりとは断言できないが、彼がリミックスを行なうと、微妙にディスコグルーブになって、宇宙系のSEが多用される(笑)と感じるのだ。甘いローリングベースと気だるいホーンラインが、このヒプノティックな雰囲気を出しているのだろう。
続いてB面の「Gambarra」はAlex Storrer aka Lexxがリミックス。Lexxと言えばSmith & Mudd / Shulmeでリミックスを担当していた。こちらのGambarraの原曲は、リミックスと同じようにヴォーカル楽曲で、微妙にアシッド感と、どこかメランコリックな雰囲気の楽曲だ。
リミックスされた楽曲は、アコースティックギターとフルートが強調され、これからの季節にマッチしそう。本家のClaremont 56のレーベル色が強く出ている印象も受ける。
今回の盤はどちらも夏を想起させてくれるようなリミックス盤。こういった盤がリリースされたら、原曲をチェックしてみることをおすすめする。きっと新たな発見があるはずだ。
こぼれ話をひとつ。先日来日したレーベルLengの主宰・Paul Murphyは、日本をとても楽しんだようだ。
text by Blue Eclair
◆Blue Eclairs Room
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、それでも年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「私たちは、レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為そのものが、レーベルが充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
「NORTH SHORE」は、2010年の夏に登場した盤で「North Shore (Idjut Boys version)」が収録されていた。この「North Shore(Idjut Boys version)は、私が参加する、USTREAMで配信している「c-les.com」のBack In My Rootsでも話題となり、私も自身のサイトでレヴューを書いたほどだ。こちらの盤については私のサイトを参照していただきたい。一言だけ言えるのは、この盤は2010年上半期で1、2位を争うぐらい話題になった盤、ということ。もちろん、Dee-S氏、私も自身のミックスに収録している。
さて、CantomaはDJ Phil MisonがChristophe Gozとともに結成したユニットだ。「NORTH SHORE」をIdjut Boysがリミックスしたせいもあって、再注目されている。そんな彼らの新譜が「Under The Stars」だ。
A面「Under The Stars」では、Ray Mangがお得意の催眠系ループを披露している。原曲はもう少しBPMが遅く、晴れた午後にベンチで聴けるようなチルアウトな曲なのだが、Ray Mangによってダンスフロア向きの楽曲へリミックスされている印象だ。Ray Mangのリミックスは、彼の特徴が出やすい気がする。はっきりとは断言できないが、彼がリミックスを行なうと、微妙にディスコグルーブになって、宇宙系のSEが多用される(笑)と感じるのだ。甘いローリングベースと気だるいホーンラインが、このヒプノティックな雰囲気を出しているのだろう。
続いてB面の「Gambarra」はAlex Storrer aka Lexxがリミックス。Lexxと言えばSmith & Mudd / Shulmeでリミックスを担当していた。こちらのGambarraの原曲は、リミックスと同じようにヴォーカル楽曲で、微妙にアシッド感と、どこかメランコリックな雰囲気の楽曲だ。
リミックスされた楽曲は、アコースティックギターとフルートが強調され、これからの季節にマッチしそう。本家のClaremont 56のレーベル色が強く出ている印象も受ける。
今回の盤はどちらも夏を想起させてくれるようなリミックス盤。こういった盤がリリースされたら、原曲をチェックしてみることをおすすめする。きっと新たな発見があるはずだ。
こぼれ話をひとつ。先日来日したレーベルLengの主宰・Paul Murphyは、日本をとても楽しんだようだ。
text by Blue Eclair
◆Blue Eclairs Room
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、それでも年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「私たちは、レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為そのものが、レーベルが充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
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