【連載】Vinyl Forest vol.1 ── Rocha「Feel The Love」
筆者の私が激押しするのは南米ウルグアイのレーベルInternational Feelから彗星の如く現れた新進気鋭のアーティスト・Rochaの2nd Singleとなるコチラ。
この作品は万人に理解できる文章で説明しにくいのだが、タイトル曲である「Feel The Love」は、90年代初頭の雰囲気を匂わせるHouse musicに快楽主義的なBalearic感をブレンドした現在進行形Disco music。…という、やはり普通のリスナーにはまったく活字化しても意味不明なのだが、針を落としてしばらくすると、実に様々な音色が凝縮されており、ココ30年位のダンスミュージックで表現されてきた手法が随所にちりばめられている事がわかることだろう。そして、この絶妙な音色選びと計算され尽くされたシーケンスにDeepかつ爽快な男性ヴォーカルの歌声が見事にマッチし、現在の主流となっているダンスミュージックではなかなか感じる事ができない壮大なスケール感にただ圧倒されてしまう。
そして裏面に収録されている「Night Music」も非常にDeepでDubbyなシンセ音色のセレクトと曲構成は、まさに噛めば噛むほど恍惚の世界に引き込まれてしまい、身体の芯から溶けていく感覚に陥ることができる素晴らしいBalearic Tuneに仕上がっている。決してあからさまな高揚感ではなく、心の奥底にグサリと突き刺す様に訴えかけるLove Songとは、まさにコレ。
ここからは余談+豆知識だが、実はこのRochaはインターネット上で調べても正体不明のアーティスト。インターネットであらゆる情報が手に入る昨今では非常に珍しい真逆の販売戦略で勝負しているところに筆者の私も好奇心を擽られてしまうが、どうやら彼らの正体は二人組の学生で建築学部に所属、夏休みなどの休暇を利用してスタジオに篭って楽曲製作に勤しんでいる、という情報が入っている。
そして彼らの作品をリリースしているInternational Feelレーベルは、2009年の創立当初から現在まで詳細が明らかになっておらず、レーベルの公式サイトにアクセスしてもUsernameとPasswordを求められるという意味不明な作りで、サイトの中に入れない(笑)。それにこのInternational Feelレーベルのアートワークを担当しているのはUK在住の近藤有稿 氏なのだが、彼のサイトを拝見しても点と点を結ぶ線がまったく見えてこない。
この徹底した秘密主義の解明もまた音楽とは別の楽しみにもなっていて、筆者の私はレーベル創立当初から定期観測せざるを得ない状況に陥っている。
text by Dee-S
◆drumatrixx mag
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為を逆に考えたら、その選択肢だけでレーベルは充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
この作品は万人に理解できる文章で説明しにくいのだが、タイトル曲である「Feel The Love」は、90年代初頭の雰囲気を匂わせるHouse musicに快楽主義的なBalearic感をブレンドした現在進行形Disco music。…という、やはり普通のリスナーにはまったく活字化しても意味不明なのだが、針を落としてしばらくすると、実に様々な音色が凝縮されており、ココ30年位のダンスミュージックで表現されてきた手法が随所にちりばめられている事がわかることだろう。そして、この絶妙な音色選びと計算され尽くされたシーケンスにDeepかつ爽快な男性ヴォーカルの歌声が見事にマッチし、現在の主流となっているダンスミュージックではなかなか感じる事ができない壮大なスケール感にただ圧倒されてしまう。
そして裏面に収録されている「Night Music」も非常にDeepでDubbyなシンセ音色のセレクトと曲構成は、まさに噛めば噛むほど恍惚の世界に引き込まれてしまい、身体の芯から溶けていく感覚に陥ることができる素晴らしいBalearic Tuneに仕上がっている。決してあからさまな高揚感ではなく、心の奥底にグサリと突き刺す様に訴えかけるLove Songとは、まさにコレ。
ここからは余談+豆知識だが、実はこのRochaはインターネット上で調べても正体不明のアーティスト。インターネットであらゆる情報が手に入る昨今では非常に珍しい真逆の販売戦略で勝負しているところに筆者の私も好奇心を擽られてしまうが、どうやら彼らの正体は二人組の学生で建築学部に所属、夏休みなどの休暇を利用してスタジオに篭って楽曲製作に勤しんでいる、という情報が入っている。
そして彼らの作品をリリースしているInternational Feelレーベルは、2009年の創立当初から現在まで詳細が明らかになっておらず、レーベルの公式サイトにアクセスしてもUsernameとPasswordを求められるという意味不明な作りで、サイトの中に入れない(笑)。それにこのInternational Feelレーベルのアートワークを担当しているのはUK在住の近藤有稿 氏なのだが、彼のサイトを拝見しても点と点を結ぶ線がまったく見えてこない。
この徹底した秘密主義の解明もまた音楽とは別の楽しみにもなっていて、筆者の私はレーベル創立当初から定期観測せざるを得ない状況に陥っている。
text by Dee-S
◆drumatrixx mag
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為を逆に考えたら、その選択肢だけでレーベルは充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
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