『波の数だけ抱きしめて』、ついにDVD&Blu-rayで登場

ポスト
1982年の神奈川県湘南にあるミニFMを舞台にした映画『波の数だけ抱きしめて』。1991年に公開された日本の映画だが、6月25日に販売/レンタル開始となり、そのサウンドトラック『波の数だけ抱きしめて Kiwi FM オリジナル・サウンドトラック(コンプリート版)』も6月23日に再発となり、じわじわと話題となっている。

この映画を観ると1982年頃学生だった多くの人が、キュンとしてしまうような感覚が甦ってくることだろう。車や音楽…当時を彩る時代の匂いや当時の生活すらもフラッシュバックする。タワーレコードで『TOTO IV』の輸入盤を買う場面があるのだが、シールドを切ってから、なにげに中の匂いを嗅いでしまうという描写などは、確かにそうだったなあ…と遠い目をしたりして。

もともとDVD化の要望が高かった映画だが、なかなか実現できずにいたところ、ようやくのDVD&Blu-rayで登場となったものだ。そしてそのサントラも今にして素晴らしい内容となっている。

1991年当時には10万枚以上というビッグヒットとなったサントラ作品だが、当時のサントラ盤には映画で使用されながらも未収録だった曲が3曲存在していた。今回はその「僕のラヴ・ソング/ジョン・オバニオン」「虹を追う男/カラパナ」「ワイキキの熱い砂/カラパナ」の3曲が追加収録となり、劇中で使用された洋楽曲を完全網羅した形となった。あわせて当時のサントラとは曲順も変更し、今作は「映画で流れた順番」で曲が収録されている。

また、映画の中に登場するミニFM局“Kiwi FM”のジングル用として作成された「FM76.3MHz Kiwiジングル」も初収録された。アルバムの頭と最後に収録されているのもポイントで、これにより、映画のサントラとしての魅力が俄然アップしたようだ。

ブックレットには監督の馬場康夫(ホイチョイプロダクション)の特別寄稿も掲載されており、充実度は十分。

1980年代初頭、リック・マロッタのドラム最高、ワディ・ワクテルかっけー、とカリフォルニア・ライブに憧れ、AORにときめいたシニア世代には、何にも変えがたい甘酸っぱい思いを堪能させてくれる映画とサウンドトラックなのである。
この記事をポスト

この記事の関連情報