[クロスビート編集部員リレー・コラム] 副編集長播磨編「モーズ・アリソン」

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モーズ・アリソンが新作を出すと聞いた時には驚いた。だって50年代からやってるオッサン、いや、もうすっかりおじいちゃんじゃないか! 教えてくれた編集部荒野が言う。「1927年生まれらしいっす」。御年83歳か。

先日久々の来日公演で、その不変・普遍振りを見せつけてくれたAC/DCが、最年長(62歳)のブライアン・ジョンソンの年齢的には最後のツアーか?と言われたり、その後来たディラン(68歳)もやっぱり最後?と言われたりと、ミュージシャンの高齢振りが何かと話題になる中、二回りも上のモーズ・アリソンがまだ現役だったとは。もちろん彼はアリーナを走り回ったり、何日も続くツアーをやったりはしないだろう。しかしクロスビート6月号のコラムで紹介している高齢者がロックを歌う合唱団、ヤング@ハートと同じく勇気をもらえる話だ。

ザ・フーが『ライヴ・アット・リーズ』でカヴァーした「ヤング・マン・ブルース」の作者でもあるアリソンは、ピアノを弾きながらトボケたような柔らかいヴォーカルで歌うジャズ・ミュージシャン。そこから滲み出るソウルやブルースのスピリットがオリジナル・モッズ勢に支持されたのは60年代のことだ。

1998年の前作以降は2001年と2002年にライヴ作を出しただけと、ほぼ隠居状態だったモーズを再びシーンに引っ張り出したのが、これまた最近遂に初来日を果たしたジョー・ヘンリー。レーベルは彼も所属するアンタイ(エピタフ傘下)というのもいい。歌声は気持ち“枯れ”を感じさせるが味わいは健在、ピアノの腕前もまだまだ達者。これは是非来日してもらいたいものだ。ヤング@ハートと共演とか(笑)?

◆クロスビート最新号(オフィシャルサイト)
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