DIR EN GREY、1年ぶりの全米ツアーが熱狂のうちに終了
12月2日にニュー・シングル「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」のリリースを控えているDIR EN GREY。この11月はそのプロモーションのために費やされるのが普通だろうが、やはり彼らの活動スタンスは日本の常識とは一線を画するもの。彼らは11月の訪れとともにアメリカに渡り、以来ずっと全米ツアーを展開してきた。
11月2日、ヒューストン公演を皮切りにスタートした今回の<TOUR09 ALL VISIBLE THINGS>は、途中にチリやブラジルといった南米での公演を挟みながら行なわれ、ニューヨークでの3公演、ロサンゼルスでの2公演などを経て、去る11月23日、サンフランシスコにある由緒正しいクラブ、フィルモアで幕を閉じた。
ツアー最終公演ということもあり、この日の会場には地元のファンのみならず遠方からの来場者も。ロサンゼルスから6時間ほどのドライブを経てやって来たというファンは「もちろん地元での2本のライヴにも行ったけれど、それを観たら何時間かかろうとサンフランシスコ公演も観たくなった」と語っていた。フロアを埋めたオーディエンスは、今回のツアーをもってアメリカで初披露となった『UROBOROS』(2008年11月リリース)の収録曲についても熟知しており、どの曲でも日本語での合唱が聴こえてきた。
メンバーたちの発言によると、かならずしもこの公演が今回のツアーにおけるベスト・ライヴではなかったようだが、逆にそうした言葉が、各地での公演が大盛況のうちに消化されてきたことを裏付けている。例によって京(vo)は、英語のMCで客席を煽るようなことも一切せず、歌っているとき以外に彼が口にしたことといえば、アンコール最後の瞬間を迎えたときの「ラスト!」くらいのもの。それでも観衆は、曲が始まるごとに歓声をあげ、手を突き上げる。このバンドが純粋に、音楽的に支持されていることの証しだと言っていいだろう。
確かに4年前、彼らが欧米でのライヴ活動を開始した頃には、ロック・ファンというよりは“日本文化マニア”といった風情のコスプレ系ファンの姿も目立っていたが、そうした状況は確実に変わっている。日本国内でも、根強い支持層を手放さないままにファンの幅を広げ続けてきた彼らだが、それと同じことが世界各地で起こっているという事実にはとても興味深いものがある。
熱狂のうちにこの最終公演のステージが終了すると、今回のツアー限定のアイテムが並ぶマーチャンダイズ売り場は満員電車のような人混みとなり、会場関係者も目を丸くしていた。あるセキュリティ担当者は「こんなにいいバンドが日本にいるとは知らなかった。彼らのオフィシャル・サイトがあるなら教えてくれないか?」と筆者に声をかけてきた。また、METALLICAの古くからの友人だという地元関係者は「METALLICAの連中もきっとこのバンドを気に入るはずだ」と断言。余談ながら先頃のニューヨーク公演には、ちょうど同時期にマディソンスクエアガーデン公演のあったMETALLICAのフロントマン、ジェイムズ・ヘットフィールドがお忍びで来場している。終演間際に退場していたためメンバーたちとの対面は叶わなかった(とはいえジェイムズは2006年、ドイツの巨大フェス<ROCK AM RING>のバックステージで、短時間ではあるがDieと歓談している)が、彼が交友関係にあるわけでもないバンドを観に来るという話は、ほとんど聞いたことがない。彼の目にDIR EN GREYがどのように映ったかを、機会があれば訊いてみたいところだ。
このサンフランシスコ公演終了後、メンバーたちは同地に数時間だけ滞在し、翌24日の早朝には帰国の途に就くことになった。参考までに、この最終公演の行なわれたフィルモアでは、その2日後にはAEROSMITHのギタリスト、ジョー・ペリーの公演が行なわれ、12月初頭にはTHE BLACK CROWESの公演が控えている。そしてDIR EN GREYは、ようやくこの12月2日、「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」の発売を迎えた。最後に、この最新曲については今回の全米ツアーでは一切披露されずにいた事実を付け加えておく。この曲がステージ上で披露されるのは、年末に控えているFC&オフィシャルモバイル会員限定ライヴなのか、それとも1月に行なわれる日本武道館での二夜公演になるのか。それについては定かではないが、このシングルに対する世の反響についても、実に楽しみなところである。
増田勇一
<UROBOROS -with the proof in the name of living...->
2010年1月09日(土)日本武道館
2010年1月10日(日)日本武道館
[問]フリップサイド 03-3466-1100
<DORJE>
12月28日(月) 大阪府 なんばHatch -「a knot」&ONLINE only-
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月30日(水) 愛知県 Zepp Nagoya -「a knot」&ONLINE only-
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
[総合問合せ]フリップサイド 03-3466-1100
【チケット申込方法】
本公演は、オフィシャルファンクラブ「a knot」&オフィシャルモバイルサイトDIREN GREY ONLINEの会員を対象とした初の限定LIVE。チケット申込方法については、それぞれ異なるので、オフィシャルサイトを確認のこと。
NEW SINGLE「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」
2009.12.02 RELEASE
[初回生産限定盤]CD+DVD
SFCD-0066~67 \1,890 (tax in)
[通常盤]CDのみ
SFCD-0068 \1,260 (tax in)
【収録曲】
[CD]
激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
残
蝕紅 (Shot In One Take)
[DVD] *初回生産限定盤のみ
蝕紅 (Shot In One Take)
レコーディング風景 他
MUSIC CLIP COLLECTION DVD
『AVERAGE BLASPHEMY』
SFBD-0021 ¥5,775(tax in)
2009.10.28 RELEASE
◆iTunes Store DIR EN GREY(※iTunesが開きます)
◆DIR EN GREYオフィシャルサイト
11月2日、ヒューストン公演を皮切りにスタートした今回の<TOUR09 ALL VISIBLE THINGS>は、途中にチリやブラジルといった南米での公演を挟みながら行なわれ、ニューヨークでの3公演、ロサンゼルスでの2公演などを経て、去る11月23日、サンフランシスコにある由緒正しいクラブ、フィルモアで幕を閉じた。
ツアー最終公演ということもあり、この日の会場には地元のファンのみならず遠方からの来場者も。ロサンゼルスから6時間ほどのドライブを経てやって来たというファンは「もちろん地元での2本のライヴにも行ったけれど、それを観たら何時間かかろうとサンフランシスコ公演も観たくなった」と語っていた。フロアを埋めたオーディエンスは、今回のツアーをもってアメリカで初披露となった『UROBOROS』(2008年11月リリース)の収録曲についても熟知しており、どの曲でも日本語での合唱が聴こえてきた。
メンバーたちの発言によると、かならずしもこの公演が今回のツアーにおけるベスト・ライヴではなかったようだが、逆にそうした言葉が、各地での公演が大盛況のうちに消化されてきたことを裏付けている。例によって京(vo)は、英語のMCで客席を煽るようなことも一切せず、歌っているとき以外に彼が口にしたことといえば、アンコール最後の瞬間を迎えたときの「ラスト!」くらいのもの。それでも観衆は、曲が始まるごとに歓声をあげ、手を突き上げる。このバンドが純粋に、音楽的に支持されていることの証しだと言っていいだろう。
確かに4年前、彼らが欧米でのライヴ活動を開始した頃には、ロック・ファンというよりは“日本文化マニア”といった風情のコスプレ系ファンの姿も目立っていたが、そうした状況は確実に変わっている。日本国内でも、根強い支持層を手放さないままにファンの幅を広げ続けてきた彼らだが、それと同じことが世界各地で起こっているという事実にはとても興味深いものがある。
熱狂のうちにこの最終公演のステージが終了すると、今回のツアー限定のアイテムが並ぶマーチャンダイズ売り場は満員電車のような人混みとなり、会場関係者も目を丸くしていた。あるセキュリティ担当者は「こんなにいいバンドが日本にいるとは知らなかった。彼らのオフィシャル・サイトがあるなら教えてくれないか?」と筆者に声をかけてきた。また、METALLICAの古くからの友人だという地元関係者は「METALLICAの連中もきっとこのバンドを気に入るはずだ」と断言。余談ながら先頃のニューヨーク公演には、ちょうど同時期にマディソンスクエアガーデン公演のあったMETALLICAのフロントマン、ジェイムズ・ヘットフィールドがお忍びで来場している。終演間際に退場していたためメンバーたちとの対面は叶わなかった(とはいえジェイムズは2006年、ドイツの巨大フェス<ROCK AM RING>のバックステージで、短時間ではあるがDieと歓談している)が、彼が交友関係にあるわけでもないバンドを観に来るという話は、ほとんど聞いたことがない。彼の目にDIR EN GREYがどのように映ったかを、機会があれば訊いてみたいところだ。
このサンフランシスコ公演終了後、メンバーたちは同地に数時間だけ滞在し、翌24日の早朝には帰国の途に就くことになった。参考までに、この最終公演の行なわれたフィルモアでは、その2日後にはAEROSMITHのギタリスト、ジョー・ペリーの公演が行なわれ、12月初頭にはTHE BLACK CROWESの公演が控えている。そしてDIR EN GREYは、ようやくこの12月2日、「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」の発売を迎えた。最後に、この最新曲については今回の全米ツアーでは一切披露されずにいた事実を付け加えておく。この曲がステージ上で披露されるのは、年末に控えているFC&オフィシャルモバイル会員限定ライヴなのか、それとも1月に行なわれる日本武道館での二夜公演になるのか。それについては定かではないが、このシングルに対する世の反響についても、実に楽しみなところである。
増田勇一
<UROBOROS -with the proof in the name of living...->
2010年1月09日(土)日本武道館
2010年1月10日(日)日本武道館
[問]フリップサイド 03-3466-1100
<DORJE>
12月28日(月) 大阪府 なんばHatch -「a knot」&ONLINE only-
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
12月30日(水) 愛知県 Zepp Nagoya -「a knot」&ONLINE only-
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
[総合問合せ]フリップサイド 03-3466-1100
【チケット申込方法】
本公演は、オフィシャルファンクラブ「a knot」&オフィシャルモバイルサイトDIREN GREY ONLINEの会員を対象とした初の限定LIVE。チケット申込方法については、それぞれ異なるので、オフィシャルサイトを確認のこと。
NEW SINGLE「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」
2009.12.02 RELEASE
[初回生産限定盤]CD+DVD
SFCD-0066~67 \1,890 (tax in)
[通常盤]CDのみ
SFCD-0068 \1,260 (tax in)
【収録曲】
[CD]
激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
残
蝕紅 (Shot In One Take)
[DVD] *初回生産限定盤のみ
蝕紅 (Shot In One Take)
レコーディング風景 他
MUSIC CLIP COLLECTION DVD
『AVERAGE BLASPHEMY』
SFBD-0021 ¥5,775(tax in)
2009.10.28 RELEASE
◆iTunes Store DIR EN GREY(※iTunesが開きます)
◆DIR EN GREYオフィシャルサイト
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