ラウル・ミドン、人技を超えたパフォーマンスに感嘆の声

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スティーヴィー・ワンダーやジェフ・ベック、ハービー・ハンコックなどの大物と競演し、世界中から賞賛された全盲の天才シンガー/ギタリストのラウル・ミドンが10月8日、完全招待制のアルバム発売記念プレミアム・ライヴを東京・代官山で開催した。

ラウル・ミドンは、スティーヴィー・ワンダーやジェフ・ベック、ジェイソン・ムラーズといった数々の大物アーティストから、その神業ともいえる圧倒的な超絶ギター・テクニックと、魂を揺さぶる歌声、唇だけでトランペットの音色を奏でるマウス・トランペットを絶賛されている。2006年にリリースした日本メジャー・デビュー・アルバム『ステイト・オブ・マインド』は約10万枚のセールスを記録、2007年にリリースした2ndアルバム『世界の中の世界』は、約7万枚のセールスを記録した。

そして2009年にはEmArcyに移籍し、ジョニ・ミッチェルやハービー・ハンコックといった大スターの作品で有名な伝説的プロデューサー兼ベーシストのラリー・クラインをプロデューサーに迎えた3rdアルバム『シンセシス』を10月7日にリリース。このリリースを記念して、ラウル・ミドンの約2年ぶりの来日が決定し、ラジオやWEBを通じて招待された多くのファンとマスコミ関係者約300名がプレミア・ライヴに集まった。

ギター一本を抱えてステージに上がったラウル・ミドン。いきなり片手でベースのフレーズとギターのメロディを同時に奏で始めた幕開けに、オーディエンスは瞬時にライヴに惹きこまれた。そして時折り魅せる、声とギターをまるで打楽器かのように自由自在に操る、人技を超えたパフォーマンスに、会場の隅々から歓声が湧き上がった。また、ラウルが長年にわたって歌い続けてきたザ・ビートルズのカヴァー「Blackbird」では、優しさで包みこまれるような歌声が涙を誘う。そして最後の演奏曲、リード・シングル「Next Generation」では、暗い会場に温かい光が差し込んだかのように感じさせる程のパフォーマンスで、人を惹きつけてやまなかった。

時にポップに、時にソウルに、たった一人で演奏しているとはとても思えないグルーヴ感溢れる表現力に圧倒され、終始オーディエンスは完全に心を奪われていた。全7曲を演奏したラウル・ミドン、「日本に帰って来れて嬉しい」「ありがとう」と観客の声援に応えた。

12月には待望の来日公演が決定。今から待ち遠しく感じている人も多いことだろう。余談だが、日本が大好きなラウル・ミドンは、来日中、大好物のハッピーターンと抹茶クッキーを飲食していたとのことだ。

『シンセシス』
UCCM-1178 ¥2,500(tax in)
2009年10月7日発売

◆ラウル・ミドン ユニバーサルミュージック公式ページ
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