増田勇一のNY取材日記(1)

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▲街角で見つけたガンズの発売告知ポスター。剥がして持って帰りたいところだったが、それは無理。しかし、いよいよ本当に出るのだ!
11月11日、ニューヨークに飛んだ。もったいぶるのも面倒くさいので先に白状してしまうと、目的はAC/DCとDIR EN GREYを観るため。まずAC/DCのマジソン・スクエア・ガーデン公演を12日に観て、ちょうどフィラデルフィアやボストンを巡演しながらニューヨーク入りするDIR EN GREYの一行と13日に合流して、彼らのライヴを14日にターミナル5という会場で観るというスケジュールだ。

11日、日本時間の午後に成田空港を出発し、同日の夕方にはニューヨークに到着。ホテルにチェックインを済ませて、ちゃんとインターネットの環境が良好な状態にあることを確認した後、まず僕が向かったのはユニオンスクエアにあるヴァージン・メガストア。で、その途中、たまたま路上で発見したのがガンズ・アンド・ローゼズの『チャイニーズ・デモクラシー』の発売告知ポスター。いよいよ本当に出るのだ。というか、まずこういうポスターに出くわしてしまうのが自分ぽいよなあ、と思わず苦笑。

▲写真に撮るとどうしても光ってしまうDIR EN GREYの『UROBOROS』。隣りのセリーヌ・ディオン旧作の5ドルという価格にもビックリ。
▲店内の特設ステージでサウンド・チェック中のジ・アンサー。翌日には、この数百倍(?)の規模の会場でのステージが控えていた。
ちなみにこの『チャイニーズ・デモクラシー』については、誰かに会うたびに「もう聴いたの? 良かった?」と訊かれるのだが、正直、僕的には思いっきり感情移入できるアルバムだ。最高傑作だとか画期的作品だとかいう以前に、アクセル・ローズという人物像をものすごく雄弁に語っているアルバムという印象だ。ただし極力、多くのリスナーに先入観とは無縁の状態でこの作品に触れて欲しいと思うので、より具体的なことについてはアルバムの発売後に改めて書こうと思う。

そしてヴァージン・メガストアに到着すると、そこでもうひとつの“思いっきり感情移入できるアルバム”を発見した。言うまでもなくDIR EN GREYの『UROBOROS』のことだ。ちゃんと普通に、店頭に並んでいる。しかもアルファベットの順番の都合上、セリーヌ・ディオンの隣りに(笑)。正直、前回の『THE MARROW OF A BONE』のときよりも、“ちゃんと現地で普通にリリースされている”という実感がずっと強い。世界17ヵ国でほぼ同時にリリースされているアルバムがアメリカの大型店のなかに並んでいるというのは、ごくアタリマエのことでしかないのだが、なんだかとても嬉しい気分になった。

そんなとき、急に爆音が聴こえてきた。何かと思えば、ジ・アンサーがこれからインストア・ライヴを始めるらしく、そのサウンド・チェックが行なわれていたのだ。彼らは今回、AC/DCの全米ツアーのオープニング・アクトに起用されていて、当然ながら僕も明日、彼らのステージを観ることになる。ちなみに彼らの作品のアメリカでの発売元は、THE END RECORDS。そう、DIR EN GREYと同じレーベル所属だったりするのだ。

しばらくその様子を観ているうちに、店内で待ち合わせていた友人(敢えて名前は伏せておくけども、NY在住で頭文字がMのカリスマ、と言えば察しがつく読者も少なくないはず)と無事に会うことができ、そのまま食事に出かけた。そしてワインを2本ほど空にしているうちにニューヨークでの第一夜は終了。この続きはまた明日にでも。

増田勇一
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