LM.C、1st、2ndアルバム同時リリースの裏側

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11月5日、LM.Cがアルバムを2枚同時発売した。1枚が2007年に出したミニ・アルバム『GLITTER LOUD BOX』をリ・レコーディング。さらに、これまでシングル盤の中へ収録してきた6作品や未発表曲を加え、装いも新たに生まれ変わった『SUPER GLITTER LOUD BOX』。そしてもう1枚が、ヒット・シングル4歌も加えた、新曲のみで構築した『GIMMICAL☆IMPACT!!』。

◆LM.Cからメッセージ映像
◆「CHEMICAL KING-TWOON」PV映像

この2枚とも世界同時発売が決定、しかも年内から2009年にかけ、国内ツアーを実施。その勢いを駆って、2007年冬は南米・欧州・亜細亜をまたいだワールド・ツアーも展開。世界を舞台に活躍し始めたLM.C。彼らに、『SUPER GLITTER LOUD BOX』『GIMMICAL☆IMPACT!!』2枚のアルバムの魅力を訊いた。

──デビューから2年強、ついにアルバムが完成しました。

Aiji:しかも、いきなり2枚もね(笑)。LM.Cは、デビュー以来、ひたすら音原制作とライヴ・ツアーを繰り返し続けてきたし、今も止まることなく続けている。そうやって2年間の経験の糧を重ね続けてきた成果なのか、海外からのリリース・オファーが数多く寄せられるようになり。ついに今回、世界23ヵ国で一斉発売できる環境も整った。そんな今だからこそ「アルバムを出すべきだろう」ということから、今年の夏より制作をスタート。いきなり1st、2ndアルバムを同時に出しちゃう面白さが、なんかLM.Cらしいでしょ。

──1stアルバム『SUPER GLITTER LOUD BOX』はミニ・アルバム『GLITTER LOUD BOX』を再構築した形になっていますが、そうした理由も教えてください。

Aiji:この『GLITTER LOUD BOX』、海外の幾つものレーベルから「ぜひ発売させてくれ」というオファーをいただいてたこともあって、すでにアメリカ圏/ヨーロッパ圏/アジア圏ではリリースになっているんですね。ただ、その発売形態に自分らとしては気持ち飲み込まざるを得ない面があったというか。海外アーティストの作品を日本盤として発売するときに、日本だけの特別仕様として何曲かボーナストラックを入れるじゃないですか。それと同じ感覚で、国によっては、本編の後にボーナストラックとして、シングル曲を幾つか入れる形で出していたんです。その形式に僕ら自身がピンと来ていなかったからこそ、「せっかく世界同時発売も決まったし、『GLITTER LOUD BOX』をLM.Cらしい姿に変えた公式1stアルバムとして新たに発信しよう」。その想いを胸に、制作をし始めたわけなんです。

maya:本当なら『GLITTER LOUD BOX』へ、幾つかのシングル曲や新曲をチョコッと加える形でのリリースも出来たんだけど。せっかく新たに発売するのなら、何かしらLM.Cらしいひと手間を加えたいじゃないですか。ちょうど収録する楽曲たちは、ライヴを通し何度も演奏しているよう、絶対当時以上に成長しているはずと思っていたので。「どうせ出すなら、今のスタイルで録音し直そうよ」と提案。『GLITTER LOUD BOX』の楽曲を中心に、リ・レコーディングを実施。新録してない音源に関しても、ミックスし直したり、リ・マスタリングしたりと、どの楽曲にも、今のLM.Cとしての新たな息吹を吹き込んでいきました。

──既発の曲たちも、しっかり成長した姿で納まってますし。未発表歌「La Dee Da」も、ライヴに足を運んでるファンたちにとっては、嬉しい新メニューになりました。

maya:この「La Dee Da」、2007年春のツアーなど、すでに何度かライヴで演奏していた楽曲なんです。あの頃は、まだ音源へするには熟しきれてないことから寝かせ続けていたんだけど。「出すなら今のタイミング」と判断。ただし歌詞は、「現在の心境を詰め込もう」という想いから、いろいろ書き換えてはいるけどね。

──2ndアルバム『GIMMICAL☆IMPACT!!』は、新曲を中心に構成。このインパクトを持ったタイトルの由来、ぜひ教えてください。

maya:1stアルバムの母体となったミニ・アルバム『GLITTER LOUD BOX』を制作したとき、「LM.Cを象徴する言葉を冠したい」と思い、そう名付けたわけですが。今回それをパワーアップさせたことから、『SUPER GLITTER LOUD BOX』と命名。そんなLM.Cの核となるべき作品集を踏まえた上で、より広がりを持った内容として2ndアルバムを作り上げたからこそ、LM.Cらしさを抱きつつも枠に縛られない言葉は何か?と考えた。そのときに浮かんだのが、「GIMMICK」という単語だったんですよ。ただ、そのまま使っちゃうと意味が限定される恐れがあったので、「もっと広がりを想像させたい」と思い、そこからGIMMICK/MAGICAL/CHEMICAL/CYNICALなど、いろんな意味を含んだ造語として「GIMMICAL」と命名。「その単語だけじゃ物足りないな」と思っていたところ、Aijiさんが別の言葉を持ってきたんだよね。

Aiji:2枚目のアルバムということでSECOND IMPACTくらいのシンプルさでも良いんじゃないかと思ってて、その言葉を提案したところ。mayaが「2つの単語を☆を真ん中に挟み繋げてしまおう」と言い出し、『GIMMICAL☆IMPACT!!』と命名。最後のビックリマークは…

maya:まぁ、見栄え的にもいいかなと思ってね(笑)

──『GIMMICAL☆IMPACT!!』は、ラウドな表情/ポップに弾けた歌/テクノな要素など、多種多彩な楽曲を詰め込んだ、枠にとらわれない作品に仕上がりました。

Aiji:デビュー時期からLM.Cが一環して言い続けているのが、「1曲ごと完結した世界観を作り上げる」ということ。そういう完成度の高い楽曲たちの集合体が、こうやってアルバムという形に繋がっていく。つまりLM.Cにとってのアルバムというのは、たとえば焼き肉弁当のよう一つの味で統一したコンセプト作ではなく、それこそ肉もあれば、魚やしゅうまいだって同じ器の中へ納まっているよう、けっして一つの味には偏ることのない幕の内弁当なんですよ。だからアルバムの中には、ポップス寄りな曲もあれば、ロック然とした耳障り激しい歌もあるし、テクノ/ニューウェイブな楽曲だって当たり前のよう混在している。それでもLM.Cらしい色として響いてくるのも、そこにLM.Cらしい黄金律があるからなんですよ。

maya:その黄金律は、言葉には出来ないもの。でも、こうやって聴けば伝わってくるでしょ。そこは、聴いた人たちなりに感じてもらえれば良いと思ってる。

──mayaさんの書く詞は、物語然としたものから、強いメッセージ性を抱いた歌、想像心掻き立てる内容まで、いろんな間口を持って描かれています。

maya:楽曲スタイルと同じよう、歌詞も枠に縛られる気がないと言うか。聴いた人たちがいろいろ自由に想像していけるよう、いろんな入り口を持って表現したいんですよ。人によっては、すべて自分の体験談だと捉える人もいるようだけど、けっしてそんなことはなく。僕自身が、いつも空想の世界を舞台に、言葉で遊んでる感覚でいますからね。

──中には「Love me?」のよう、女性との火遊びを歌った内容もありますけどね。

maya:この歌、主人公は自分じゃなく、架空の男ですから。でも、みんな自分へ結びつけたがるし。女性陣からは、「あんた、一体どういうつもりで恋愛しているの?」と怖い突っ込みを入れられてますからね。「これは空想です」と何度も言ってるのに(笑)。

──男性側の視点から見れば、ああいう落ちもさすが!という心境だけどね。

maya:でしょ。女性陣はみんなひどい男と「Love me?」を聴いて言うんですけど。男性的には、いい話ですよね。

Aiji:まぁ「Love me?」は、mayaのパーソナル部分が思いきり出すぎちゃってる歌だけど(笑)。初回限定盤に付けたDVDの中へMUSIC CLIPとしても収録した「CHEMICAL KING-TWOON」は、逆にパーソナルな視点が見えないながらも、一番今のLM.Cらしさを形にできた楽曲になったので、映像まで作ってしまったけどね。

maya:いや、実際は「CHEMICAL KING-TWOON」こそもっともパーソナルな曲なんだけど(笑)。この曲は世界発売するに相応しい、アジア感の出た映像として完成。この作品をきっかけに、過去のLM.Cの凝った映像世界にも足を踏み込んでもらえたら嬉しいなと思ってる。

──アルバム発売後、国内→海外ツアーと続いていきます。

Aiji:今回のツアーも、これまで同様に新旧さまざまな楽曲を組み込んだ、その会場ごとにベストなその日のLM.Cの姿を見せていこうと思ってる。

maya:たとえその場所が、国内だろうが、海外だろうと、足を運んだ以上どの会場でも本気でステージにぶつかっていくだけですよ。ぜひハンパない熱気を、一緒に作ろうよ!
文:長澤智典

◆iTunes Store LM.C(※iTunesが開きます)
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