Mr.Children、NHK 北京オリンピック放送テーマソング「GIFT」特集 INTERVIEW

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──最近の楽曲っていうのは、桜井さん、デモテープはどのくらいの程度作って、バンドに持っていくんですか?

桜井和寿(以下、桜井):デモテープほとんど持っていかないですね、最近。

──コード譜も?

桜井:コード譜を当日書いて渡すぐらいかな。で、“いっせいのせぇ”で音を出す。

鈴木英哉(以下、鈴木):やってると、セッションとか始まるじゃないですか、で、だいたい見えてきたかな~となったりすると、ギター持ってもう次の曲のコード書き始めてるっていう。大体仕上がったらそれを配る、みたいな感じですよね。

──では「GIFT」もそんな感じでレコーディングを?

桜井:最初「GIFT」は、ちゃんとした完成形がまだ見えてはいなくて、サビも今の形じゃないものがあって、それを1回みんなでやって。あれ、でも、2曲くらいなかった?

鈴木:あった。

桜井:この曲とこの曲どっちにするかみたいなね、で、「GIFT」の歌い出しのパートはあって、そこはいいんだけどほかのパートがあんまり良くないっていって、何度か手直しをしたのかな?

鈴木:そしたら、歌詞が全部できてきて、サビとかもつけ直した曲になって「GIFT」になった。珍しく歌詞から書いたっていう話をしてたね。

──へぇ。

鈴木:大体曲が最初だもんね? もしくはか、歌詞と曲が同時にあるか。


──書きたい何かがもう、心の内にあったんですか?

桜井:それはたまたま、ある晩トイレに起きた時に、“白か黒かってよく言われるけど、白と黒以外にもっときれいな色がたくさんあることをみんな知ってるはずなのになぁ…”みたいな歌詞をメモって寝たんですよ。その次の日に、スタッフから、オリンピックのテーマソングの話がある、って言われたんで。これは一つの縁だと。で、前の晩に思い付いた歌詞の断片をモチーフにして、作ろうと思った。

──でも、歌詞を完成させていくっていうことは、先に、それがどういう人に向かっているのか、渡したいのかっていうのが、かなり明確にないと書けないと思うんですが。

桜井:そうですね、オリンピックっていうこともあって。でも、アスリートの人が、この曲を聴くと元気が沸くとかっていうような曲にはしたくないな、と。それこそ、予選で負けた人とか、または、勝ち負けのない日常のなかで一生懸命暮らしている、要は、オリンピックを見る側の普通の人たちに、どうやって届くかっていうことを一番考えてました。

──じゃ、晴れの舞台を煽るみたいな目線はない、と。

桜井:ないですね(笑)。

──いけー!みたいなのはないんだ。

桜井:負けたシーンばっかり、浮かんできちゃう(笑)

──(笑)それ、どうなんだろう。でも、勝負の世界はね、負けを知った者だけが強くなるからね。そういう意味で敗者に向けて歌っているっていうか、イメージとしてそういうものがあるっていうことは、転じて勝ちにもつながるかも知れないけど。でも、その晴の舞台を煽らないっていうのが、桜井さんっぽいですね。書き方として。で、レコーディングは、ほとんど構成まで決めて“せーの”で録ったんですか?

桜井:そうですね、エンディングだけちょっと、エンディングっていうかあの…。

──1回サビ転調があって、もう1回出てくるよね?

桜井:そう。あの、ラララとか。みんなで歌う部分は、最後に付け足したのかな? それ以外はすんなりいきましたね。

──ストリングスはどういうイメージでつけていったんですか?

桜井:これは、ほぼ小林武史さんがもうピアノを弾きながらですね。最初に音出す時って小林さんとメンバー4人なんですけど、その時から、もうすでにサビのピアノのメロディは、ストリングスのメロディとユニゾンだったりするのでね。たぶんレミオロメンとかも同じだと思うけど、ストリングスのメロとか、あと主メロに対してのカウンターラインをいつも考えながらプレイはしてるんだと思うんですけどね。

──そのカウンターが、ストリングスラインになるっていうことが往々にしてあるからね。じゃ、もうレコーディングのやり方っていうのは、ある程度固まりつつあるね、ミスチルの場合。

桜井:…そうですねぇ。

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