三寒志恩ムック初春の宴(3)デトロイト編その参

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▲サイン会開催中の風景。手前のほうにいるのはBFMVのメンバーたち。ムックの2人は奥のほうにいます。
▲昼食はハード・ロック・カフェ店内でのブッフェ。ミヤはこのあと、お店自慢のチョコレート・シェイクもゲット。
▲コボ・アリーナのバックステージで準備中のYUKKE。これから約2時間半後には本番スタートだ!
デトロイトのハード・ロック・カフェでのサイン会は、各出演バンドのメンバーたちがずらりと着席した店内の特設スペースのなかを、サインを入れて欲しいものを持参したファンの行列がのろのろ進む、という流れで行なわれた。驚かされたのがアヴェンジド・セヴンフォールド(以下A7X)のTシャツ着用率の高さと、そのファン層の若さ。明らかに12~13歳ぐらいのグループや、家族がテーブルで食事をとっている間に行列に加わる子たちもいる。ムックのメンバーたちにとっても、おそらく初体験だったに違いない。A7Xやブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインのアルバム・ジャケットにサインするのは(もちろんファンの側が望んだからこそのことなので、誤解なきよう)。

サイン会終了後は同店内の別室で、みんなで食事。その間に、先ほどサインをもらっていたファンの1人に話を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「正直、日本のバンドのことは知らない。サインはもらったけれど、誰が誰なのかは全然わからないわ(笑)。でも、こういう機会に日本のバンドが一緒にライヴをやるというのはクールなことだと思うし、きっと彼らのことをA7Xも認めているってことでしょ? だから今夜のライヴはちゃんと最初から観るつもり」

素晴らしい考え方。彼女は16歳で、やはりA7XのTシャツを着ている。「1月にA7Xが日本に来たとき、今、あそこにいるムックというバンドのメンバーと一緒にインタビュー(前回分原稿参照)をしたんだよ」と告げると、「すごい!」と目を輝かせていた。

アメリカン&メキシカンな昼食を終えた一行がコボ・アリーナに戻った頃、会場に残されていたメンバーたちは着々と楽器調整などを進行中。ベースの弦を張り替えているYUKKEに調子を訊いてみると「最初の2~3本で1日の典型的な流れというのを覚えられたし、他のバンドやスタッフの人たちにも顔を覚えてもらえたんで、もうわりとスムーズにできるようになってますね」という余裕すら感じさせる返答が。「反応は街によってさまざまですけど、ライヴは毎回、面白いし」と言って、彼は笑顔を見せた。

そしてSATOちは、こう語る。
「今夜のライヴを観たら、まず転換にビックリしますよ。早いとかスムーズとかそういう次元じゃなくて。とにかくすごい。あと、アトレイユの演奏がすごい。あそこのドラム、すごいですよ!」

何がどれだけすごいのかは、これから徐々に明らかになっていくことになる。ちなみに現在の時刻は3月8日の午後3時35分。今から1時間もしないうちにコボ・アリーナは開場となり、4時45分には審査を勝ちぬいてきた地元のローカル・バンドが今夜の一番手としてセカンド・ステージに登場。ムックは全体で四番目の出演者として、午後6時にはメイン・ステージに姿を現すことになる。さて、そこで僕はどんな光景を目撃することになるのだろう?

増田勇一
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