『ツァイトガイスト』を斬る7つのワード 01/07

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ビリー・コーガン、ジミー・チェンバレンに直撃したオフィシャル・インタビューがバークスに到着した。

『ツァイトガイスト』の誕生、奇跡の復活、メンバー構成…今のスマッシング・パンプキンズを100%理解するための、ビリー・コーガン、ジミー・チェンバレン両氏が語ったスペシャル・ワードを、リリースに向けて7日連続でお届けしよう。

「僕は僕のバンドを取り戻したい」 by ビリー・コーガン

僕らの育った時代というのはちょっと変わった考え方が交差していたように思う。

ひとつには両親の60年代的な影響で、年を取る前に死にたい、っていう考え方。だから、30代を過ぎてからロック・バンドとして存在できるなんて誰も思ってなかった。僕らにもそういう考え方があって、と同時にインディ・シーン的な思想もあって、「セルアウトしたくなかったら、人の命令に従うな」というね。

だけど、ある地点まで来ると、経済的な理由だったり、ビジネス的なやり取りの中で、企業仕切りの仕事なんかをしなくてはいけないこともあって、もちろん僕らは大嫌いだったんだけど、それに今では、そんなことももっと当たり前になって、僕らの時は、その線を超えるかどうかというのはすごく重要な問題だったんだ。

でも、今はその境界線も消えて、みんなお金のためなら何でもやるという体勢になってる。業界が大変だからね。でも、僕の場合は、自分がやっていることに、アーティストとして確固としたものを感じながら、そういう難しい状況にも適合し、妥協せずにやっていけるのかという、その解決策を見付けようとしていたところがあった。

それで、僕は、「僕のバンドを取り戻したい」って言ったことで、自分が人生で最も誇りに思うことを窓から放り投げて、自分の住む新しい城を作ろうとしていたんだってことに気付いたんだ。自分がこれまでに築き上げた強みまで放棄して、自分自身に新たなペルソナを創り上げるように課していたってことにね。パンプキンズにこそ、すべてのペルソナがあったのに。

つまり、僕がやったことすべては、自分がパンプキンズでやってきたことに、対抗するものになってしまった。例えば、ソロ・アルバムは、エレクトロック重視のアルバムだったから、みんなにこれまでまるで僕がエレクトロニック・ミュージックをやったことがなかったかのように言われたけど、僕が、でも、パンプキンズがこれまでに作った最大の曲は、エレクトロニックだった、って言うと、みんな頭をかきながら、「意味がわかりません」って言うんだ。

つまり、僕は、そのバンドが何を意味するのかということを、常にその巨大な象徴(パンプキンズ)と対比して自分自身に説明しなくちゃいけなかった。それがまったく現実的ではなくてもね。だから僕は、スーパーマンの衣装なのか、Zeroの衣装なのかわからないけど、もう1度着ようと思ったんだ。

自分が平和でいられるその男に戻ろうと思ったんだ。

ビリー・コーガン
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