S.タイラー、C.ミリアン、アンドレが好演！　映画「BE COOL」公開

公開中の映画『Be Cool／ビー・クール』で、エアロスミスやクリスティーナ・ミリアン、アウトキャストのアンドレ・ベンジャミンといったミュージシャンが、各々に個性的な「演技」を披露している。95年のヒット作『ゲット・ショーティ』の続編で、主人公はジョン・トラボルタ演じるチリ・パーマー。前作でハリウッドの映画プロデューサーを務めたチリが、今回はLAの音楽業界に乗り込んで大活躍するというお話だ。アブナい業界ネタや、ブラックな大人の笑いをちりばめて、妙なディテールのリアルさにこだわった仕上がりが楽しい。

クリスティーナは、チリが売出しをはかる新人歌手役で、ナイトクラブで歌ったり、ピアノの弾き語りをしたり、MTVアウォーズで派手なステージングを見せたり、様々なシチュエーションで素晴らしい歌声を聞かせてくれる。中でも圧巻は、巨大スタジアムでエアロスミスとライヴ共演するシーン。スティーヴン・タイラーとの熱いデュエットは、劇中とは思えないほど迫力満点だ。

そのスティーヴンは、本人役とはいえちゃんとセリフを喋るシーンもあって、自分で自分を演じているふうなのが妙におかしい。別の場面でほんの一言だけ喋るジョー・ペリーの方が､登場の仕方は自然だったかも。一番面白かったのは、やたらと銃をぶっ放したがるギャングスタ役のアンドレ・ベンジャミン。主演のトラボルタも脱帽したというほどの名演技で、おバカなキャラになりきっている。他にもブラック・アイド・ピーズの演奏シーンあり、ジーン・シモンズのカメオ出演あり…というわけで、ロック・ファンにもブラック・ファンにも見逃せないエンターテインメント作品。ついでにプロレス・ファンには、「ゲイで俳優志望のボディガード」を演じるザ・ロックのお茶目な勇姿（!?）をぜひ！

原　令美／イーフィールズ