ブラフマン、半年以上にも渡る怒涛のツアー最終日をリポート
国内のパンクバンドの中でも、その激しいライブパフォーマンスから海外での評価も高いブラフマン。昨年9月にリリースされた『THE MIDDLE WAY』のリリースと同時に始まった<MIDDLE THOUGHT TOUR>は6月にファイナルを迎えた。その最終日、Zepp Tokyoでのライブレポートをお届けする。
<MIDDLE THOUGHT TOUR>が昨年10月に始まってから半年以上。その間ブラフマンは全国56ヶ所を廻り、さらには3月のヨーロッパ公演も終え、この6月から“CAUSATION”と銘打った最終章に突入した。この日はそのファイナルツアーの最終日。ホール最後尾でも入り込む隙間を見つけるのに苦労するほど人であふれかえっていて、開演前から異様な熱気に包まれていた。
ガムランのSEが鳴り響くと、会場のテンションは急上昇。ステージ上のスクリーンにはブラフマンのロゴが映し出され、そこにメンバーのシルエットが浮かぶ演出がさらにそれをあおる。そしてスクリーンが切って落とされ、「TONGFARR」からいつもの轟音の演奏が始まった。早くも興奮は頂点。2曲目は7月27日リリースの「CAUSATION」、その後は『THE MIDDLE WAY』からの曲が続き、後半は以前の曲が中心といった構成だ。
どの曲でも、TOSHI-LOWは感情むき出しといった感じで表情をくるくる変えながらシャウトし、MAKOTOは頭を振るというよりは、上半身を投げ出すように全身を激しく振りながらベースを弾く。ギターのKOHKIとドラムスのRONZIもクールでパワフル、ステージ上は限りなく熱い。それに応えるように、客席のテンションも上がりっぱなしだ。モッシュやダイブは1曲目からそこかしこで始まっているし、「LOSE ALL」ではTOSHI-LOWと一緒にこぶしを突き上げ絶叫する。ほとんどノンストップで怒涛のように演奏された19曲、その間ずっと、この熱狂は続いていた。
ただ熱いだけではなく、演奏も相当のハイレベルだ。轟音と静寂、超高速でたたみかけるビートとゆったりしたグルーヴが激しく切り替わるのが彼らの音楽のキモの1つなのだが、このコントラストが実に絶妙。そして切り替えもキメも実にビシビシと決まり、まったくスキがない。さらに、スピーディで攻撃的なだけでなく、音にグルーヴィな幅も感じられるようになっている。結成10年目、そして海外でもツアーをこなしてきた余裕が、そんなところに見えたような気がした。
アンコールの5曲をやはり怒涛のように演奏すると、このツアー中に撮影された映像が流され、いったんはエンディングを迎えたが、彼らは再び登場。そしてなんと、ステージでは無口で通しているTOSHI-LOWが口を開いた。
「なんかしゃべろうかと思ったけど、俺たちは歌って演って、ただそれだけなんで…」
TOSHI-LOWが話したのはこれだけだったが、ファンの声援に応えようとする姿勢がよく伝わってきたシーンだった。「時の鐘」と「ROOTS OF TREE」を演奏し、再び映像が映し出された。今度は過去のツアーやプライベートな彼らの様子も見られ、この10年を振り返るような象徴的なものだった。今度こそ終わりかと思ったが、鳴り止まないアンコールに応えて最後には「ARTMAN」を演奏、これで<MIDDLE THOUGHT TOUR>すべてが終了した。
三度のアンコールを含めてもトータルで約1時間30分のステージだったが、観ているとそれ以上に感じる。恐ろしく密度が濃いからだろう。これがまさに、ライブバンドである彼らの真骨頂なのだ。ヘッドライナーでの出演が決まっている<FUJI ROCK FES.>では、どんな大暴れを見せてくれるのかが楽しみになってきた。
photo by 三吉ツカサ
●セットリスト
@Zepp TOKYO 2005/06/24
-------Opening-------
01.TONGFARR
02.CAUSATION
03.(a piece of)BLUE MOON
04.DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
05.CIRCLE BACK
06.A WHITE DEEP MORNING
07.LOSE ALL(ENGLISH VER)
08.THE VOID
09.SEE OFF
10.DEEP
11.BOX
12.BEYOND THE MOUNTAIN
13.NEW SENTIMENT
14.SHOW
15.FOR ONE'S LIFE
16.BASIS
17.BYWAY
18.ANSWER FOR・・・
19.PLACEBO
-------ENCORE-------
E-01.FIBS IN THE HANDS
E-02.Z
E-03.SHADOW PLAY
E-04.ARRIVAL TIME
E-05.FAR FROM・・・
~ENDING(映像)~
-------ENCORE2------
E-06.時の鐘
E-07.ROOTS OF TREE
-------ENCORE3------
E-08.ARTMAN
<MIDDLE THOUGHT TOUR>が昨年10月に始まってから半年以上。その間ブラフマンは全国56ヶ所を廻り、さらには3月のヨーロッパ公演も終え、この6月から“CAUSATION”と銘打った最終章に突入した。この日はそのファイナルツアーの最終日。ホール最後尾でも入り込む隙間を見つけるのに苦労するほど人であふれかえっていて、開演前から異様な熱気に包まれていた。
ガムランのSEが鳴り響くと、会場のテンションは急上昇。ステージ上のスクリーンにはブラフマンのロゴが映し出され、そこにメンバーのシルエットが浮かぶ演出がさらにそれをあおる。そしてスクリーンが切って落とされ、「TONGFARR」からいつもの轟音の演奏が始まった。早くも興奮は頂点。2曲目は7月27日リリースの「CAUSATION」、その後は『THE MIDDLE WAY』からの曲が続き、後半は以前の曲が中心といった構成だ。
どの曲でも、TOSHI-LOWは感情むき出しといった感じで表情をくるくる変えながらシャウトし、MAKOTOは頭を振るというよりは、上半身を投げ出すように全身を激しく振りながらベースを弾く。ギターのKOHKIとドラムスのRONZIもクールでパワフル、ステージ上は限りなく熱い。それに応えるように、客席のテンションも上がりっぱなしだ。モッシュやダイブは1曲目からそこかしこで始まっているし、「LOSE ALL」ではTOSHI-LOWと一緒にこぶしを突き上げ絶叫する。ほとんどノンストップで怒涛のように演奏された19曲、その間ずっと、この熱狂は続いていた。
ただ熱いだけではなく、演奏も相当のハイレベルだ。轟音と静寂、超高速でたたみかけるビートとゆったりしたグルーヴが激しく切り替わるのが彼らの音楽のキモの1つなのだが、このコントラストが実に絶妙。そして切り替えもキメも実にビシビシと決まり、まったくスキがない。さらに、スピーディで攻撃的なだけでなく、音にグルーヴィな幅も感じられるようになっている。結成10年目、そして海外でもツアーをこなしてきた余裕が、そんなところに見えたような気がした。
アンコールの5曲をやはり怒涛のように演奏すると、このツアー中に撮影された映像が流され、いったんはエンディングを迎えたが、彼らは再び登場。そしてなんと、ステージでは無口で通しているTOSHI-LOWが口を開いた。
「なんかしゃべろうかと思ったけど、俺たちは歌って演って、ただそれだけなんで…」
TOSHI-LOWが話したのはこれだけだったが、ファンの声援に応えようとする姿勢がよく伝わってきたシーンだった。「時の鐘」と「ROOTS OF TREE」を演奏し、再び映像が映し出された。今度は過去のツアーやプライベートな彼らの様子も見られ、この10年を振り返るような象徴的なものだった。今度こそ終わりかと思ったが、鳴り止まないアンコールに応えて最後には「ARTMAN」を演奏、これで<MIDDLE THOUGHT TOUR>すべてが終了した。
三度のアンコールを含めてもトータルで約1時間30分のステージだったが、観ているとそれ以上に感じる。恐ろしく密度が濃いからだろう。これがまさに、ライブバンドである彼らの真骨頂なのだ。ヘッドライナーでの出演が決まっている<FUJI ROCK FES.>では、どんな大暴れを見せてくれるのかが楽しみになってきた。
取材・文●田澤仁
photo by 三吉ツカサ
●セットリスト
@Zepp TOKYO 2005/06/24
-------Opening-------
01.TONGFARR
02.CAUSATION
03.(a piece of)BLUE MOON
04.DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
05.CIRCLE BACK
06.A WHITE DEEP MORNING
07.LOSE ALL(ENGLISH VER)
08.THE VOID
09.SEE OFF
10.DEEP
11.BOX
12.BEYOND THE MOUNTAIN
13.NEW SENTIMENT
14.SHOW
15.FOR ONE'S LIFE
16.BASIS
17.BYWAY
18.ANSWER FOR・・・
19.PLACEBO
-------ENCORE-------
E-01.FIBS IN THE HANDS
E-02.Z
E-03.SHADOW PLAY
E-04.ARRIVAL TIME
E-05.FAR FROM・・・
~ENDING(映像)~
-------ENCORE2------
E-06.時の鐘
E-07.ROOTS OF TREE
-------ENCORE3------
E-08.ARTMAN
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