スプリングスティーン、マンション名称は「誤り」

ブルース・スプリングスティーンとゆかりが深いニュージャージー州アズベリー・パークに“The Rising”という名の高層マンションが建設されようとしている。ロック界の“ザ・ボス”はこの計画を歓迎してないようだ。

開発業者がウォーターフロントに建てようとしているマンションは、奇しくもスプリングスティーンのグラミー獲得アルバム『The Rising』（'02）と同じ名前。スプリングスティーンは地元紙のtriCity Newsに掲載した書簡で、マンションにこのネーミングは「誤り」とし、「オリジナリティ」のある名称への変更を求めた。開発業者はこれに応じ、新名称を公募するという。

AP通信が伝えたところによれば、スプリングスティーンは書簡で「『The Rising』は９月11日のテロ事件を受けて書いた作品。常にあの日の心の傷と勇気に通じるものであるべき……新しい建築物や通り、また、ホットドッグスタンドなどに僕のソングタイトルを付けないでほしい」と訴えた。

開発業者の代表ディーン・ガイベルは、アズベリー・パークの再出発のために決めた名称だが、友人がテロの犠牲になっていることもあって、スプリングスティーンの意見は「もっとも」としている。

『The Rising』（日本盤）はタイトルトラック「The Rising」ほか15曲を収録。'02年７月にリリースされた。

T.Kimura