| ビリー・ジョエル 「ロンゲスト・タイム」
アルバム『イノセント・マン』より
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「ロンゲスト・タイム」、「アップタウン・ガール」など数多くのシングルヒットを生んだアルバム『イノセント・マン』は、ビリーが自らのルーツである'60年代のオールディーズやモータウン・サウンドに敬意を表して作ったもの。どの曲も偉大なる先達へのオマージュとなっていて、このタイトル曲はベン・E・キングに捧げたものと言われている。せつないが力強いメロディが印象的だ。 |
| | ケニー・ロギンス 「デンジャー・ゾーン」
アルバム『エッセンシャル・ケニー・ロギンス』より
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ケニー・ロギンスはもともとアコースティックな香り漂うウェストコーストのシンガー・ソングライター。しかし'80年代のビッグヒットはいずれも派手な映画サントラだった。ダンサブルな『フットルース』のテーマ、そして『トップガン』のテーマであるこの曲だ。ハードにドライヴしたギターと力強いビートはまるでハードロックのようだが、マイルドなハイトーンヴォイスのおかげで都会的AORに仕上がっている。 |
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| ボズ・スキャッグス 「ハート・オブ・マイン」
アルバム『アザー・ロード』より
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『ミドルマン』をリリース後、活動を8年間停止していたボズが、'88年にアルバム『アザー・ロード』で復活、その中からこの曲が大ヒット。低迷していたAORもボズと一緒にメインストリームに帰ってきた。彼と同じくミスターAORと称されるボビー・コールドウェルとの共作で「We Are All Alone」などの往年の名曲を思い起こさせるような、ボズならではの甘い歌声がキマっているメロウなバラードだ。 |
| | クリストファー・クロス 「Sailing」
アルバム『Christopher Cross』より
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AOR界で最も甘く美しいハイトーンヴォイスを持つクリストファー・クロス。当初はジャケットなどには顔を出さず、「ミスターフラミンゴ」として流麗なサウンドのイメージを保ったというのは有名な話。デビューアルバムに収録されたこの曲も、メロディ、ハーモニーはゆったりとして美しく、さわやかなアレンジも完璧。グラミーを総なめにしたのもうなずける。なお現在も活動中で、まもなく来日も予定されている。 |
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| ドナルド・フェイゲン 「I.G.Y.」
アルバム『ザ・ナイトフライ』より
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'82年に発表されたドナルド・フェイゲンのソロ1作目は、今もって洗練されたAORの頂点に君臨している名盤。フェイゲンの'50~'60年代のジャズやブルース、R&Bへの憧憬が随所に現れた収録曲は、大人の色気を感じさせるものばかり。そのトップを飾るこの曲は、ややレイドバックしているものの、お得意のジャジーなコードワークを駆使した緻密なアレンジには一分の隙もない。まさにクールで都会的の一言である。 |
| | ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース 「The Heart Of Rock & Roll」
アルバム『Sports』より
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ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、'80年代に多くのヒットアルバムを送り出した。中でも世界中で売れたのが3枚目の『Sports』。そしてそこに収録されたこの曲も、タイトルどおり図太いビートの熱いロックンロールだ。シンプルなロックが目立つ彼らだが、実は演奏技術は非常に高いし、アカペラだけで1ステージこなせるほどのハーモニーも彼らの売り。ぜひアルバムで聴いてほしいものだ。 |
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| スティーリー・ダン 「Green Book」
アルバム『Everything Must Go』より
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長いブランクを経て21世紀に活動を再開したスティーリー・ダン。最新作『Everything Must Go』は、以前に比べてライトでさらっと聴きやすくなっていたためか、肩透かしを食らったというコアなファンもいた。しかしこの曲を聴けば“ダン”節が健在なのがわかる。グルーヴィでジャジー、都会的で緻密でシニカルといった要素は色濃く残っているし、独特の研ぎ澄まされた雰囲気は以前とまったく変わっていない。 |
| | リッキー・リー・ジョーンズ 「Chuck E's In Love」
アルバム『Rickie Lee Jones』より
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リッキー・リー・ジョーンズにはシニカルな歌がとても似合う。女性版ドナルド・フェイゲンとでも言えそうなほど。そしてフォークにジャズやR&Bが絶妙にブレンドされたアコースティックなサウンドは、アバズレたその歌声によりライトにもヘヴィにも変貌する。デビューと同時にヒットしたこの曲は、初期リッキー・リーの代表曲。ややライトなタッチながら、見え隠れするカゲが歌の深みを増している。 |
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| ジェイムス・テイラー 「ハード・タイムス」
アルバム『ダディーズ・スマイル』より
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素朴なスタイルの歌を基調とする、'70年代のシンガー・ングライター・ブームの立役者、ジェイムス・テイラー。'81年に発表したアルバム『ダディーズ・スマイル』は、この1曲目の「ハード・タイムス」に代表されるような、落ち着いた雰囲気の洗練されたAORに統一されていた。朴訥としたヴォーカルが温かみを感じるメロディラインと美しいハーモニー、それにゆったりしたリズムが心地よい1曲だ。 |
| | ボビー・キンボール 「ラブ・ストーリーは突然に」
「ラブ・ストーリーは突然に LOVE STORY」より
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歴代のTOTOのヴォーカリストの中で、ボビー・キンボールの甘いハイトーンは最もAORテイストにあふれている。その歌声は、小田和正の楽曲を海外アーティストがカヴァーしたアルバムでも聴ける。TVドラマのテーマとしてもおなじみのこの曲、原曲も素晴らしいがこちらも負けてはいない。ウェストコーストらしい上質のAORに仕上がっている。特に洋楽AORファンにはオススメの1曲だ。 |
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