――新作『2ワールズ・コライド』は、前作『ザ・プログラム』から10年のスパンがあいてますが、それはなぜですか? DAVID: ここ10年に関して言えば、延々とDJツアーの毎日だったからね。それが一番の理由かな。仕事におけるプライオリティとしては、“一にDJ”、“二に制作”だと思っている。だから、制作の時間は後回しにせざるを得なかったんだ。この10年はあっという間だった。いろんな国に行ったし、多額のギャラも得た。ただ、失ったものもある。その一つが、音楽制作から離れすぎたっていうことだね。
――アルバムのコンセプトは? DAVID: タイトルの『2ワールズ・コライド』は、文字通り“矛盾”とか“衝突”を表わしている。愛と憎しみ、平和と戦争、善と悪といった具合にね。現代的なメタファーも含まれているし、個人的な体験談から派生した物語もあるよ。解釈は聴く人に任せたいけどね。
――このコンセプトは、何がきっかけで芽生えたのでしょうか? DAVID: 実は、作り始めた時に明確なコンセプトはなかった。それが出来あがってきたのは、作品が完成した後だ。聴いているうちに、自分の実体験が見えてきたような気がしてね。楽しいパーティを過ごしているかと思えば、そうでない瞬間もある。自分は誰かを愛したいと思っていても、その相手は自分を愛してないこともある。あるいは、僕のようなジェット・セッター(飛行機で飛び回っているタイプの人間)と普通に9時~5時で働いている人々との対比――といったように、相反する事や感情が衝突した時のイメージを投影しているのさ。
――あなたのポジションであれば、もっと名のあるヴォーカリストを起用できたはずですが、あえて若くて無名なアーティストを起用したのは? DAVID: もちろん、有名なシンガーを起用するのは可能だったさ。ただその一方で、これだけ前途有望なシンガーがいながらにして、彼女たちを使わないのはどうなんだろうかとも考えたんだ。タマラ・アキーナを除いて、他の3人には当初歌ってもらうはずじゃなかった。彼女たちはソングライターとして参加するはずだった。ただ、歌詞を書いてもらった時点で、デモを軽く歌ってもらったらそれが良くてね。その後、彼女たちとのセッションが始まった。白無垢のキャンバスに新しい絵を描きこんでいくような感覚。それは、名うてのシンガーたちとの作業では得られない新鮮さだったよ。
――どんなアウトプットが混じって、自らの音楽が形成されていると思いますか? DAVID: 僕が今まで聴いてきた音楽の全てであり、仕事をしてきたアーティスト全てとの関わりから生まれてきたものだろう。つまるところ、4歳から40歳までの音楽体験の総和だろうね。僕の音楽的信条としては・・・かけるべきところには予算をかける作りっていうか、プロフェッショナルな仕事を心掛けることさ。今時のダンス系プロデューサーっていうのは、結構自分でエンジニアをやってしまうし、なにかとケチる面は多いけど、それは間違っていると言いたい。エンジニアには、エンジニアにしかできない仕事があるはずだ。だから僕は、自分の手に負えない部分に関しては一流のプロを使うのさ。それこそが、僕の仕事を輝かせる近道だとも思っているしね。 |
| | | 『2 WORLDS COLLIDE』 Victor Entertainment VICP-62880 \ 2,520(tax in) 2枚組み
DISC 1: 1 HERE I AM with TAMRA KEENAN 2 FEELS GOOD with ANGELA HUNTE 3 HOLDIN' ON with LEA-LORIEN 4 CAN'T FORGET U with LEA-LORIEN 5 U CAME with TAMRA KEENAN 6 BETTER THAT U LEAVE with LEA-LORIEN 7 HOW WOULD U FEEL with LEA-LORIEN 8 2 WORLDS COLLIDE with TAMRA KEENAN 9 LIFTED with LEA-LORIEN 10 TAKE MY LUV with VIVIAN SESSO 11 GLORIA'S GROOVE
DISC 2: 12 HOW WOULD U FEEL with LEA-LORIEN 13 HOW WOULD U FEEL with LEA-LORIEN〔STEREO ANTHEM DUB〕 14 HOW WOULD U FEEL with LEA-LORIEN〔EXTENDED MIX〕
オフィシャル・サイト: http://www.jvcmusic.co.jp
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