 | ▲左から:ミヤ(G)、SATOち(Dr)、逹瑯(Vo)、YUKKE(B) |
──まずは“ムック”というバンド名の由来から教えてください。
ミヤ:覚えやすいしほかにないし、バンド名で音楽を連想できないだろうということで。これは後で知ったんですけど、英語で“MUCK”と書くと、“汚物”という意味らしいんです。それもいいかなと。
──9/1リリースのアルバム『朽木の灯』が4作目になりますが、いままでと最も大きく変わったところは?
ミヤ:完結したように感じるんですよ。今までの“けじめ”的な作品になったんじゃないかと思います。次では、良い意味で別の方向に開けていけたらいいと思って作ったアルバムです。先を見つめ直すという意味で、25歳なんで、ここで一つの区切りかなと。
──4分、5分、そして11分と1曲が長いですね。この辺のコダワリっていつごろから?
ミヤ:楽曲が長いっていうのは昔からなんです。いろいろな要素を取り入れたいと思って作ると、どんどん長くなってしまうんです。それだけです。でも、長くても長く感じさせなければいいと思うんです。長く感じさせちゃうと意味がないんで。
──ムックの音は、本当に独創的な音だと思います。具体的に影響されたアーティストは?
逹瑯:マンガしか読まないんですけど、よく読むマンガはヤンキーマンガ(笑)。本はまず読まないんです。新聞も読まないし。影響を受けているのは、昔のフォークの人とかかなぁ。小学校の頃から長渕剛が大好きなんで。あとブルーハーツも好きです。そこらへんが多分、身に染み付いている。影響を受けているのは、そういう人からかなぁ。思ったことをストレートに書いてる人。
──逹瑯さんの書く歌詞の言葉遣いや世界観は、長渕さんやブルーハーツとはかなり違いますね。主人公が10代の少年の引き裂かれた自我を深く捉えているし、現在では使わないような語彙がバンバン出てきます。
逹瑯:今書いている世界観が好きで、そこにオレに染み込んでいるテイストを入れているんです。でも、いっぱい書いていると、感覚が鈍ってきてよく分からないんですよ。客観的に見られない。
──こういう世界観っていうのは、どういうところから出てくるんでしょう。
逹瑯:やっぱり、経験してきたこととか思っていることでしか歌詞を書けないんですよ。作り話みたいなことを書くと、歌っていて嘘っぽく感じてきちゃって冷めちゃうんです。だから経験したこととかから書いていくと、こうなっちゃうんですよ。それで、どんな経験をしたとしても、文章にしていくと、こういう風になると思うんです。要は、その時に感情がどう動いたかということなんで。日常の些細なことは歌詞にならないんで書かないんです。今まで生きてきて印象的だったこととか、そういうことを書きますね
──ボトムもテクニカルでスゴイ迫力を感じますが、2人が音楽的に影響されたのはどんなアーティストですか?
SATOち:オレはドラムが上手い人に影響されました。小手先が器用で荒々しい人。だからオレは、荒々しく小手先が器用な人になるように努力していきたいです。具体的にはハロウィンのインゴ・シュヴィヒテンバーグが好きです。 YUKKE:初めて影響されたのは、高校時代にBUCK-TICKのコピーバンドでベースを弾いていた友達です。カッコよくて、それがキッカケでベースをやりたいと思いました。
──楽器を弾きたいという衝動になっているのは何なのでしょう。モテたいとか目立ちたいとか。
YUKKE:モテたいというのは別にないですね。 逹瑯:嘘つけ! YUKKE:ホント。 逹瑯:ゼロか? モテなくていいのか? YUKKE:ゼロです。モテなくていいもん。昔からやりたいことがなくて何をやっても続かないんですけど、ベースだけは続いてるんです。親がビックリしましたね。
──ミヤさんが影響されたアーティストは?
ミヤ:'70年代のフォークってのは絶対ですね。井上陽水さんが一番上にいます。高校時代はX-JAPAN。あと日本のインディーズにずっとハマってた時期があって、その辺でアンダーグランドな変なものに目覚めた気がしますね。洋楽を聴き始めたのは20歳を過ぎてからだから、かなり遅いんですよ。スリップノットが出てき始めた頃ですかね。あんまり作り込まれた世界観ていうのは好きじゃなくて、主張があったり自分のことを歌ってる曲に影響を受けるし共感できる。好きで聴くのはマイナーな曲ばかりですね。
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