【インタビュー】CHIHIRO、恋で悩むリスナーへ「自分が人生の主人公になってほしい」

■ 恋の悩みという沼から引っぱり上げてあげたい
── また、前回インタビューさせていただいたときに「切ない気持ち、どうしようもない気持ちを代弁することが自分の役割なんだと思っている」とおっしゃっていましたが、『私の恋はナミダでできている』でもその点は意識されましたか?
CHIHIRO:『KISS MISS KISS』のときにはそんなに恋愛相談をしていなかったですけど、最近インスタグラムなんかで恋愛相談を始めてみたら、友だちにも誰にも言えないような恋愛の悩みを私に打ち明けてくれたりもして。中には、「好きすぎて、でもどうにもならなくて……もう、死んでしまいたいです」って思い詰めてしまっている人もいるんですね。そうやって恋に悩んでいる人、立ち止まってしまっている人がいるなら、自分の歌や歌詞でその沼から引っ張り上げてあげたい、という想いが『KISS MISS KISS』のときよりもより強くなっています。
── 「私の恋はナミダでできている」の葛藤しながらも一途に貫く想いにしても、「失恋のあと」の喪失感の中でのやるせない“もがき”にしても、ただきれいなだけではなく、恋愛が生々しく描かれていて。誰かを好きになった人なら、自分を重ねて心動かされてしまうはずです。
CHIHIRO:「失恋のあと」は、“キラキラした好き”を書くことも大事なんですけど、そういうところだけじゃなくて、裏にある“ドロドロした好き”までを私は書きたいんですよね。書きすぎかな、って最初は思ったものの……。
── CHIHIROさんの紡ぐ美しいメロディと相まって、悩める恋心が救われたりもすると思います。
CHIHIRO:進行形のつらい恋も、過去の哀しい恋も、もし私の歌や歌詞で救われるなら、本当に嬉しいことです。
── その一方で「No.2」は、曲調も歌詞もだいぶ攻めていて、驚きました。
CHIHIRO:まさに、「No.2」は私なりに攻めた曲ですね(笑)。
── 歌詞も“都合いい女”になっちゃダメ!と、はっきり突きつけていますもんね。
CHIHIRO:私って都合のいい女になっているのかな?って思いつつそこから抜け出せなかったり、「私って都合のいい女なんだよね」って自分で言ってしまう女の子っていたりするじゃないですか。
── 諦めてしまっているのか、強がってしまっているのか。
CHIHIRO:そうそう、きっと強がりで言ってしまっているところもあるんでしょうね。でも、2番目ってよっぽどのことがないと1番に勝てないし、なかなか幸せになれないはずで。「私って都合のいい女なんだよね」なんて自分で言っちゃダメでしょ!って、目を覚ましてもらえるようなメッセージをしたかったんです。しつこいくらい“ナイナイナイ”って歌っているこの曲(笑)、ずるい男の人に振り回されている女の子に本当に聴いてほしいです。
── 当てはまる人にとってはつらいところもあるかもしれないですけど、もっと自分を大切にしてほしいという想いがあるから、そこまでズバっと言ってあげられるんですよね。
CHIHIRO:彼の言いなりになってしまったり、合わせすぎてしまったら、言いたいことも言えなくなっちゃったりするじゃないですか。でも、自分を殺してまで相手に合わせなきゃいけないって対等な関係じゃないし、もっと自分を大事にして、自分自身のことを好きになって、せっかく女の子に生まれてきたんだから輝いて、ちゃんと自分の人生を自分が主人公になって歩んでほしい。そういう想いは、強く持っています。







