【インタビュー】Rayflower短期連載第二弾、IKUOが語る「同じベース演奏は2度とない」

■結成時は「スターの人たちってどんな感じだろう」と
■僕にはそういう冠がないという引け目もあって
──全員が主張しまくっているのに、バランスよくまとまるのは何かコツがあるんですかね。
IKUO:やっぱり歌と楽曲が良いからじゃないですかね。僕から見たらRayflowerの曲はシンプルなんです。メロディラインも奇をてらってないし、ある意味、古き良きじゃないですけど、変に流行りのものに寄せていない潔さを感じるんですよね。歌詞が立っていて田澤の歌がすごく抜けて響くアプローチの曲が多いし、例えば都さんの曲はシンプルな分、プレイヤーの個性が出せるし、主張もできるし、パフォーマンスもしやすい。だから「Rayflowerってステージングも派手だよね」って言われるんだと思います。
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──なるほど。余白があるっていうことですね。
IKUO:あと僕に関して言えば今回のライヴ盤は品川ステラボールのベースプレイなんですよ。
──あくまでも2015年11月6日のプレイであるという。
IKUO:そう。ステラボールでの録音みたいな意識ですね。実はこの日、機材がトラぶって音が出なくなったりしたので、ちょっとイライラしててヤケくそ入ってるんですよ(笑)。それをメンバーがフォローしてくれた場面もあったのでバンドっていいなと思ったんですけど。
──そのトラブルによって予想外の演奏をしていたりとか?
IKUO:そうなんです。いつもより攻撃的かもしれない。トラブルをパワーに変えて結果的に弾きまくっていたので。
──そのアドリブ精神はどう培われていったんですか?
IKUO:僕、ライフワークでジャズセッションをやっているんですよ。サックスプレーヤーの山口真文さんやベーシストの鳴瀬喜博さんとプレイしたり。
──ジャズのセッションはアドリブの応酬ですもんね。
IKUO:そうですね。ソロイストに対してどうアプローチしていくかリアルタイムでプレイしていく。そういう感覚が僕の中に培われているから、決まったことをやるのがつまらないんですよね。ライヴってホントに1回きりのもので、だからこそ貴重なんだと思うんですよ。プロなのでアベレージは切らないですけど、その中でも演奏もお客さんのレスポンスも良くて……田澤は“魂の交流”って言うんですけど、それが出来た日はとても良いライヴ。中には出来ない日もある。でも、それでいいんじゃないかなとも思ってますね。
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──キャリアを積んだメンバーだからこそのバランス感かもしれないですね。これだけスキルがあって主張があったら、若いとぶつかりあってしまう。
IKUO:ホントそうですね。僕もそういう時代があったけど、若いコたちは一触即発なところがありますからね。最初にRayflowerを組んだ時は、僕以外はex.L’Arc〜en〜Cielだったり、SOPHIAだったり、ex.Λuciferだったりex.Waiveだったりと錚々たるメンバーなので「スターの人たちってどんな感じなんだろう」と思ってたんです。そうしたら、みんなスターなのに良い人たちなんだなって(笑)。僕はそういう冠がないという引け目もあって。
──冠なしで、BASS専門誌の表紙を飾ることこそ、逆に凄いですけどね。
IKUO:ははは。代わりにいろいろなジャンルの人と仕事をしてきたので、ビッグネームの人たちとも対等に会話できるぐらいの経験はしてきたから、そういう自分を選んでくれたメンバーにプレイでお返ししたいと毎回思っているし、感謝しかないです。
──ライヴを重ねて、Rayflowerはどう変わったと思いますか?
IKUO:ずいぶん変わってきたなと思います。最初の頃は各メンバーのファンが集まっていたのが徐々にRayflowerのファンになってきて。
──そう思えたのがライヴ盤の時期ですね。
IKUO:そうですそうです。個人ではなくカタマリとして見てくれるようになった。だから、ライヴをやっていても楽なんですよ。「MCは田澤に任せておけばいいや」とか。
──IKUOさんもだんだんしゃべるようになってます。
IKUO:ははは。しゃべらされているだけですよ。でも、とにかく反応は嬉しかったですね。Twitterのリプライも「カッコよかったです」というより「楽しかった」っていう感想が増えてきたりとか。バンドというカタマリの中でベースで主張できる楽しさを感じているし。








