【コラム】闇堕ち系おゆうぎユニット・東京メルヘン倶楽部が進める“世界厨⼆病化計画!”

2026.03.24 18:00

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“闇堕ち系おゆうぎユニット”というコンセプトを掲げ、曲にしろヴィジュアルにしろライブパフォーマンスにしろ、一度触れたら必ず記憶に残るインパクトを放つ音楽ユニット・東京メルヘン倶楽部。

事務所無所属、完全セルフプロデュースという徹底したDIY体制で活動中の2人は、今年1月に2ndアルバム『NIMAIME』をリリースし、同作を掲げたツアーを愛知・大阪・福岡・横浜にて開催。2人を支持する“OYUUGI担当”(=ファンの呼称)も日々増殖中のなか、4月8日(水)には東京メルヘン倶楽部史上最⼤規模の“おゆうぎ会”(=ワンマンライブのこと)をZepp DiverCity(TOKYO)にて開催することになっている。かねてより目標に掲げていたというZepp公演を目前に控えている東京メルヘン倶楽部とは一体どんなユニットなのか。その魅力に迫ってみたい。

東京メルヘン倶楽部は、ミラ(ボーカル)としずりん(キーボード、コーラス)の2人によって2021年に結成。「世界中を厨⼆病に染める“世界厨⼆病化計画”を企む組織」と称し、“全年齢対象”を心掛けた活動を展開している。公式YouTubeチャンネルにアップされている動画によると、2人の出会いはしずりんがInstagramのDMでミラに連絡をしたことがきっかけだったそう。

ちなみに座右の銘は、ミラは「この世界は間違っている」、しずりんは「他人に優しく、自分に甘く」とのことだ。ここまでやや奇抜な情報が続いているが、実は2人とも音大卒という経歴の持ち主で、実力は折り紙つき。ピアノ専攻卒のしずりんは、過去に『⼟曜プレミアム・TEPPEN2023冬【ピアノ&ドラム⾳楽の祭典】』にも出演している。他にもミラは絵が達者だったり、しずりんは鉄棒が得意だったりと、掘れば掘るほど魅力が溢れ出す2人の個性も、OYUUGI担当がさらに沼にハマっていく理由のひとつだ。

2021年7⽉22⽇、2人は東京メルヘン倶楽部の1作⽬としてYouTubeチャンネルに動画「V系っぽいハム太郎」を投稿。元気いっぱいで可愛らしい原曲を、流麗かつアグレッシヴな鍵盤の音色と、憂いに満ちたメロディを紡いでいく美声が映えるドラマティックなアレンジに転生させた動画が話題を集め、投稿した翌月にはTwitter(現・X)アカウントのフォロワー数が10,000⼈を突破。そこから2人は定期的に童謡やアニメ主題歌のカバーアレンジ動画をアップしていく。

2022年には初の“おゆうぎ会”を開催。東京メルヘン倶楽部は、“1曲も知らなくても楽しめるライブ”をモットーにしていることもあり、コール&レスポンスやヘッドバンギング、さらには童謡の“手遊び”も飛び出し、オーディエンス参加型のパフォーマンスを繰り広げている。またライブでは、バックバンドとして、ギターのウサギさん、ベースのネコさん、ドラムのプードルちゃんを迎え、迫力のあるバンドサウンドを展開。各地フェスやサーキットイベントでも注目を集めていて、SNSでも現場でも熱い視線が注がれている。

東京メルヘン倶楽部は、現在シングル3枚、アルバム2枚を発表。オリジナル楽曲に関して、ほとんどの楽曲の作詞作曲はしずりんが行い、一部の楽曲の作詞作曲はミラが行っている。編曲はバックバンドのプードルちゃんが担当。音楽性としては、アレンジカバーの軸になっているV系要素の強い楽曲もあれば、メタルやハードコアの成分が濃い楽曲、アッパーなシンセサウンドで捲し立てる電波ソングに、それらを1曲に詰め込んで激しい曲展開で魅せていくものなど、ジャンルを自在に横断していて、自由度がかなり高い。

それでいて、どっしりとした芯はありながらも情緒豊かにメロディを届けていくミラと、あどけなさのあるハイトーンボイスとパワフルで強烈なデスボイスを使い分けるしずりんの歌声が、どの楽曲でも耳を惹く重要なポイントになっている。歌詞はどれもユニークで、三角形の面積の公式を組み込み、ライブではOYUUGI担当が“÷2!”と叫ぶ「トライアングル」や、曲中で“今日の血液型ランキング”が発表される「†血ガ欲シイ†」、中学英語の教科書に出てきそうな英文を並べつつもサビの破壊力が異常なまでに高い「human & animals」など、一度聴いたら忘れられないものばかりだ。

今年1月にリリースされた2ndアルバム『NIMAIME』も同様にバラエティ豊かだが、前作『ALBUM』からさらに進化を遂げ、パワーアップした楽曲達が並んでいる。デスボイスを擁したヘヴィなパートと、ポップでブライトなパートを行き来しながら、母へ感謝を送る(途中に出てくる“卵焼き”のくだりに涙腺を刺激される人も多そうな)「マザー・服」や、気持ちを落ち着かせようとしているところを、「あの日の怒りを思い出せ!」と焚き付けてくる「逆アンガーマネージメント」、ゴシックで重厚なバンドサウンドを押し出しつつも、途中でUKガラージ風のパートも飛び出す「辛味Holic」など、洗練という言葉が自然と頭に浮かぶものばかり。

ポップパンク調のパワフルで陽性なサウンドとサビメロが高揚感をあげていく「We are band members」や、ミラとしずりんの声やキャラクターを生かした「人形失格」といった抜群のキャッチーさを誇る楽曲も、もちろん収録されている。

また、切れ味の鋭いギターリフと趣向を凝らした曲展開で、もはやほとんどの人類に嫌われているであろう生物について哀愁を交えながら描いた「G」や、和楽器をフィーチャーしつつも、世知辛い現実に対して切実な叫び声をあげる「畳」など、しずりんのデスボイスが強く残る楽曲が増えている印象も。そのあたりは“おゆうぎ会”の熱と激しさをさらに高めるものとして機能するものになってくるだろう。ミラの歌声も、細かな歌い回しから力強さや美麗さが増していて、その存在感を強いものにしている。

そんな充実の1枚をツアーで練り上げ、東京メルヘン倶楽部が今まさに向かおうとしているのが、4月8日にZepp DiverCity(TOKYO)にて開催されるおゆうぎ会<漆黒のZepp>だ。前述の通り、Zepp公演は結成時からの夢の舞台なこともあり、2人と3匹の動物達も相当気合を入れてくるであろうことが窺える。

また先日、東京メルヘン倶楽部は初のバンド編成での配信ライブ「体験会おゆうぎ会」を3月19日に実施し、公式YouTubeチャンネルにはアーカイブ映像がアップされている。そちらで“おゆうぎ会”の雰囲気を楽しみつつ、来るべきZepp公演に向けての予習教材として役立ててもらいたい。

とはいえ、オーディエンス参加型の要素が盛りだくさんなこともあり、東京メルヘン倶楽部のステージは、間違いなくライブ会場で体感するのが一番だ。しかも今回の<漆黒のZepp>は、ライブタイトルにあわせて、1Fスタンディングのチケット代が1,459円(いい漆黒)と超破格! 一度ハマったら抜け出せない中毒性抜群のステージを、ぜひ体験していただきたい。

文◎山口哲生

■ライブ情報
<東京メルヘン倶楽部「漆黒のZepp」>
・開催日時
4月8日(水) 18:00開場 19:00開演

・会場
東京・Zepp DiverCity (TOKYO)

・チケット価格
1Fスタンディング前売 1,459円
2F指定席前売 4,800円
当日券1F、2Fともに4,800円
※全種ワンドリンク代別

以下にてチケット発売中
https://eplus.jp/tokyomaerchenclub/