これまでの6枚のアルバムのうち、4枚はビルボード・チャートNo.1アルバム。例えばiTunes Music Storeのチャートでも新作に混じってランクインされていたりと、『ライセント・トゥ・イル』をはじめとする彼らのカタログがいまだ好セールスを記録しているという事実は何かを物語っている。『ソリッド・ゴールド・ヒッツ』に並んだビースティーズ・クラシックは、それなりの懐かしさはあるものの、いまでもスピーカーからフレッシュに響いてくる。
『ソリッド・ゴールド・ヒッツ』の限定盤に付いてくるボーナスDVDは、音楽史に残る名作ばかりで一見以上の価値があるビデオ・クリップ集。唯一、当時ビデオがなかった「ブラス・モンキー」は2004年10月9日に世界で最も有名なアリーナで行なわれた最新ツアーでのライヴ映像を収録。このビデオは“予告編”という務めを果たしている。映画『Awesome: I F***in’ Shot That』のサウンドトラック、つまりキャリア初のライヴ・アルバムも期待できるのだろうか。
「一応、いまその話はしているんだ。もしかしたら映画の発表と同時になにかしら発表できるかもしれない」
オールド・スクール時代からの偉業をコンパクトに振り返ることができる『ソリッド・ゴールド・ヒッツ』に、ヒップホップ・エンターテインメントの楽しさ/おもしろさが満喫できるであろう『Awesome: I F***in’ Shot That』。彼ら自身も、ファンも、一度リセットされることになるはず。しかし、その先の話をするにはまだ早かったようだ。