雅-miyavi-、デビュー・アルバム記念インタビュー

2005.06.01 01:03

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──アルバムはまさに“This is 雅”というギター・ロックアルバムでした!

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雅 -miyavi-(以下、雅):タイトル通り、『【雅ーmiyavizm-主義】』と書いてミヤヴィズムと読む。その心は…。


──その心はっ!

雅:オチはございません(笑)。タイトルのまんまですよ。俺の主義、主張、哲学、思想、すべてを曲に託して詰め込
みましたっていうだけの話で。音も金太郎飴サウンドなんでホントに分かりやすく。まっ、そんな中にトラップ(=罠)もたく
さんあって。オヤジギャグや、しょーもないサウンドの作りとか、SEもそう。あれはプラスαの付加価値でしかないんですよね。
その根本にある核の部分、言いたいこと、言うべきことを装飾するものであって。そこに重きは置いてない。だから、重要なのは自分が言いたいこと。なんで俺が音楽やってんのか、ギター弾いてんのか、なんで生きてんのか
ってところに立ち返って。生きるための音楽をやってたいなと思ったから、それを忠実に表現しましたね。歴史
的“迷”盤になったんじゃないでしょうか(笑)。


──迷盤という意味では、今回、初回盤はシングルが入らないんですよね。

雅:まあ、インディーズんときから入れてなかったし。かといってシングルがアルバムにそぐわない訳ではなくて。シングルは
俺の言いたいことの一つでもある訳だから。でも今回、普通に自分の中で、シングルを入れないでも完結できたというだけ。
というのも、今回のアルバムは、起承転結とかストーリーとしての整合性はあまり必要なくて。だって今回のって、ずっとアガりっぱなしでしょ?(笑) 間で落としてバラードきてっていうんじゃなく。どこを切っても雅節、どこを切っても雅ってすぐ分
かるような。もちろん今までもそうだったんですけど、今回はさらにそこを“露骨”にしてみようと思って。それで出来上
がってみて、やっぱり別にシングルはいらねぇなと思いましたね。


──シングルなくてもこのアルバム、十分キャッチーですしね。

雅:キャッチーだね!! そして、よりコアに!


──伝えたい核心はズバッとありながらも、キャッチーであるというこのバランス感覚は?

雅:あのね、オヤジギャグとかの3の線は知らん間に出てくるんですよ。関西人の血としかいいようがない(笑)。でもまた、そう
いう部分が(自分と聴き手の)共通項になり得るとも思ってるから。例えばシングル「Freedom Fighter-アイ
スクリーム持った裸足の女神と、機関銃持った裸足の王様ー」で“ビルじゃなく”って言葉は歌わないけど( )で歌詞に入
れたのはそういうことなんです。この( )の言葉がフックになって心に引っかかったり、考えたりする。そう
いうエッセンスの一つとして笑いがあったり、シニカルな部分もあって。共通項が自分が発したメッセージへの掛け橋になれ
ばなと。


──先日行われたリハーサルツアー同様、夏のツアーもダンサーをフィーチャーし、踊る雅が見れるライブになりそうですか?
 (※新曲公開リハーサル“ぷち”TOUR ~Re:ハーサル~ /2005年4月)

雅:俺、禿げても腹出てきても“ビジュアル系ですよ”。ビジュアル系をルーツとしてやっていく上で、いろ
いろやる意義を見いだすべく“ネオビジュアリズム”、聴く音楽から魅る(=視覚としてとらえる)音楽っていうのをやろう
としていて。


──雅が提唱するネオビジュアリズム!

雅:音楽って、聴くとだいたい絵が浮かぶじゃないですか? それをビジュアル化する音楽があってもいいんじゃないかなと
いうことで、そのひとつとしてダンサーを入れてみたんです。いまどきダンサー入れるというのは別に珍しいことでもないか
ら、俺が俺である理由を指し示すために、“じゃあ俺も踊るぜ”と(笑)。


──それにも驚いたんですが、観客みんなが振り付きで踊りまくってたのにも驚きました。

雅:夏のツアーもそういうものにしつつ、ギターも弾こうかなと。ちょろっとね(笑)。“歌って踊れるギタリスト”と
はいってますが、ボーカリストである前にエンタティナー、ギタリストである前にアーティスト。表現者として、雅として自
分の表現ツールすべてを使って、パフォーマンスできるようになりたいなと思ってるんですけど。アルバムの曲を中心に。全体を
通してそういうライブになると思います。<俺様だぁれだ>とか(ツアー・タイトルで)言ってるわけですから、“雅で
しょ!”というのを”魅せるライブ”にしていこうかなと。この間のリハーサルツアーはこれからやる夏のツアーのためのも
のであり、夏のツアーもまた輝かしい未来のためのものであるわけで。俺は常にネクスト、ネクストとつながっていくものだ
と捉えてますね。

取材・文●東條祥恵

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