ロンドンナイト、アルバム全曲解説


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11.涙のレター/REOスピードワゴン
大ヒットソングを持たないわりに、全米ツアーはすべてソールドアウト。アメリカで地味ながら絶大な人気を持っていた
REOは、80年代にはジャーニー、スティクスとともに3大P(ピープルズ)バンドと呼ばれていた。名曲ぞろいの「禁じられた
夜」から大ブレイクしたこの曲は切ないメロディが印象的。間奏のピアノとギターソロでは、膨大なツアーをこなしてきた
REOならではの演奏力の高さも見せつける。


12.ホールド・オン・タイト/エレクトリック・ライト・オーケストラ
70年に結成されたELOは、ビートルズにも通じるポップなメロディが持ち味。基本的にはシンプルな曲ばかりだけれど、
アレンジにはクラシックの要素を取り入れ、さらに最新の「エレクトリック」な味付けを施しているのが斬新だった。
この曲にはそのエッセンスが凝縮されている。数多くのメンバーチェンジを経て88年に解散したが、2001年にはバンドの
中心人物であるジェフ・リンがELO名義で新譜を発表している。


13.アイ・フォート・ザ・ロウ/ザ・クラッシュ
シンプルながらアグレッシブなサウンド、そして政治色の強いメッセージで70年代、80年代を通じてUKパンクブームを牽引
したクラッシュのヒット曲は多い。CMにも使われたこの曲もストレートでシンプル、まさにクラッシュらしいサウンド。
イントロからサビのリフレインまでどれもキャッチーでノリがいい。現在国内では入手不可能だったが、バンドと親交のある
大貫憲章氏の直接交渉によって本アルバムへの収録が実現した。


14.アナザー・ガール、アナザー・プラネット/ジ・オンリー・ワンズ
日本では今一つ知名度の低いピーター・ペレットだが、UKロックンロール界ではカリスマ的存在だといわれている。彼の率
いるジ・オンリー・ワンズはパンクやフォークを下敷きにした退廃的ロックが特徴だが、それを象徴しているのがこの曲。
ストレートでパンキッシュ、スピーディなロックンロールに、ひと癖もふた癖もありそうなヨレヨレのヴォーカルが乗る。
このけだるさが彼らならではの持ち味なのだ。


15.夢見るシャンソン人形/ディー・アエロナウテン
ゲンズブール作、フランスギャルのヴォーカルで大ヒットし、その後も国内も含めて数多くのカヴァーを生んでいるフレンチ
ポップスの名曲を、スイス出身の5人組バンドがカヴァーした。この曲は98年にドイツのレーベルからリリースの7インチEPに
収録されたもので、インディ音源を直契約して収録した。日本のGSを思わせるテケテケのアレンジが施されていて、オールド
ポップファンにはたまらない仕上がりとなっている。


16.マイ・ボーイ・ロリポップ/ミリー・スモール
日本でも様々カヴァーを生んだオールドポップスの名曲。本アルバムに収録のミリー・スモールのバージョンが世界的に最も
有名だが、これも実はカヴァー。オリジナルは56年にアメリカでリリースされたバービー・ゲイのもの。本バージョンはスカ
アレンジを残しつつ、ミリーの少女らしい可愛らしさを前面に出し、60年代の世界的スタンダードになった。アイランド・
レコードとのライセンス契約で収録した。


17.ウェイク・アップ・ブー!/ブー・ラドリーズ
ノイジーな轟音ギター、サイケな曲調で知られるブー・ラドリーズだが、この曲のようにポップなメロディと聴きやすい
アレンジも彼らの魅力のひとつ。ノリは抜群にいいし、風のようにさわやかなコーラスもカッコいい。ときおりエッジの
効いたギターで硬派な面も顔を出す、明るいポップソングに仕上がっている。国内でもバラエティ番組のテーマソングとして
使用されていたので、聴き覚えがあるはずだ。


18.レッド・ホット/ロバート・ゴードン・ウィズ・リンク・レイ
ネオ・ロカビリーブームを盛り上げたのは、ストレイ・キャッツとこのロバート・ゴードン率いるワイルド・キャッツ。
ロカビリーはもとよりソウルの要素も取り入れたサウンドで一躍スターダムにのし上がった。この曲は、そのロバート・
ゴードンが77年に発表した「Fresh Fish Special」で、元祖ガレージギタリストといわれるリンク・レイと共演したナンバ
ー。ソウルフルな熱さが伝わってくる名演だ。


19.ザ・ハックルバック/コースト・トゥ・コースト
60年に「Mr.Twist」として一世を風靡した黒人シンガー、チャビー・チェッカーのヒット曲のカヴァー。オールドスタイル
満載のサウンドだが、パンクムーブメントが去り、ニューウェーヴ全盛だった81年のイギリスで、5位まで上昇するスマッ
シュヒットを記録。ちなみにこれがこのバンド唯一のヒットとなった。なおこの曲はUNIVERSAL音源をライセンス契約すること
で収録が実現されている。


20.ギヴ・ミー・ユア・ハート・トゥナイト/シェイキン・スティーヴンス
ネオ・ロカビリーのビッグネーム、シェイキン・スティーヴンスは、70年に自身のバンド「サンセッツ」でそのキャリアを
スタート。それから40年近く経過した現在もなお、精力的に活動しているのには驚きだ。この曲は82年に全英11位を獲得した
ヒットナンバー。持ち味である甘い歌声を生かした、ゆったりした古典的ロッカ・バラッドだ。ちなみに国内でCD化されたの
は、本アルバムが初めてである。
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