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LuckyFes
ただただ気持ちよさを求め、身体全身で受けとめ感じて…
2001.05.31 00:00
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ゆらゆら帝国2001.5.20@日比谷野外音楽堂
1.オンリーワン2.頭炭酸3.ミーのカー4.星ふたつ5.すべるバー6.ラメのパンタロン7.ゆらゆら帝国で考え中8.男は不安定9.午前3時のファズギター10.最後の一匹11.待ち人12.針13.ハチとミツ14.evil car15.わかってほしい16.昆虫ロック17.されたがっている18.発光体19.ズックにロック20.グレープフルーツちょうだい21.でっかいクエスチョンマーク
「ラメのパンタロンetc」ミディ MDCS-10502001年5月3日発売 ¥1,365(tax in)
1 ラメのパンタロン 2 男は不安定 3 頭炭酸レディ 4 3×3×3 5 少年は夢の中
<ゆらゆら帝国 III TOUR 2001>…なんて“もっともらしいツアータイトル”もない。
ステージ上にはPAスピーカー、アンプ、ドラムセット…、ここはリハーサルスタジオか!?ってくらい、必要最小限なものしか存在しない。
満を持して、メンバーがステージに現われても、SEもない。
立ち位置にスタンバイしたら演奏……、じゃなくてチューニング。そしてVo&Gの坂本慎太郎が「
続いて「頭炭酸」。これまたスローなナンバー。
こういうスタイル、考えてみれば、音楽好きで音を出す人のあり方を、そのまま変わらずに表現しているだけっちゃ、それだけだ。
1. でっかいクエスチョンマーク 2. ラメのパンタロン 3. 幽霊の結婚式 4. 待ち人 5. ゆらゆら帝国で考え中(ALBUM VERSION)6. 男は不安定 7. 砂のお城 8. 頭異常なし 9. 頭炭酸 10. 少年は夢の中
思えば、どうしてメジャーになると、ツアータイトルつけたり、仰々しいSEで登場したり、自分が奏でる微妙でデリケートなギターやベースの管理を他人がするのか。うむむ。そんな当たり前のことを改めて考えさせられてしまう。ごもっとも、と。
でも、ゆらゆら帝国の面々は、そんな反発心から今のスタイルを採っているわけではないだろう。この自然なスタイルは、「これが俺のスタイルだ!」なんて声高に発しなくても、彼らの行動が語っている。彼らの自由ななかでの、ルール。彼らの立ち位置。つまり、彼らの自信の表われ。
自信を持っている人間は何をやってもカッコいい。前半、スロー~ミディアムなナンバーが並ぶのは、言葉どおり、「軽く」、肩ならし的でもあるし、野外の開放感から緊張もいい具合に抜けちゃったか?ってな感じで、音も荒い。だけど、ゆらゆらサウンドのロックのツボは絶対ハズしていない。
夕暮れの空の色の変化とリンクして、サイケデリック・ナンバー「ミーのカー」、「星ふたつ」を演奏。このあたりでようやく乗ってきた感じの3人で、「ラメのパンタロン」や「ゆらゆら帝国で考え中」といったアップナンバーでありシングル曲へ続く。
が、私は思った。
彼らの最大の山場を、その後のドラッギーなサイケ・ナンバー「evil car」の間奏で披露したインプロヴィゼーションに焦点を合わせたのじゃないかと。それくらい3人の奏でる音の繰り返しの妙は、ただただ気持ちよさを求め、それを身体全身で受けとめ感じていたようだったからだ。ステージは緊張感と陶酔感で張り詰め、音で膨張していたし、観客も、これはゆらゆら帝国じゃないとできないワザ、と分かっているかのように、身を委ねていた。
そして、終盤は「発光体」「ズックにロック」「グレープフルーツちょうだい」「でっかいクエスチョンマーク」。
アップナンバーで締めくくる構成はメンバー3人の余力を吐き出すようでもあり、ファンへのサービス心が見え隠れしたナンバー連発で終了。今日ももちろんアンコールはない。
今更、語るのもおこがましいけど、ロックな人々の、ロックなステージ。素材が秀逸かつユニークなだけに、ごてごてした加工はヤボなだけ。
ゆらゆら帝国は、緑萌ゆる日比谷オフィス街での野外だろうと、ほとんど空調が効いてない小さなライヴハウスだろうと、3人がプレイし始めれば、そこがロック空間になる……そんなライヴだった。
文●星野まり子(01/05/24)
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