【ライブレポート】WEST.、アリーナツアー<A.H.O. -Audio Hang Out->開催。見どころ満載、カラフルなびっくり箱!

去年4月にCDデビュー10周年を迎え、今年11周年目を迎えたWEST.が3月にリリースしたフルアルバム『A.H.O. -Audio Hang Out-』を引っ提げてアリーナツアーを開催。香川・大阪・福岡・宮城・北海道・神奈川・新潟・静岡・愛知と3月から6月にかけて9都市28公演を回る。
今回のツアーは“アホかっこいい”をテーマに藤井流星が演出を担当。アルバム『A.H.O. -Audio Hang Out-』に収録されている、メンバーひとりひとりが制作に携わったジャンルもバラバラのバラエティー豊かな7つの楽曲や、“AHOな家族”としてWEST.ライブの風物詩となったコント「中間ん家物語」、アコースティックコーナーからセクシーチューン、ロックコーナーとWEST.の魅力がこれでもかと伝わるツアーとなっている。
今回は折り返し地点ともいえる横浜アリーナ初日の5月2日公演をレポートする。
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開演直前になると、会場内には「ええじゃないか」のインストが流れ始める。するとファンがペンライトを続々とつけはじめ、はじめは控えめだった合いの手が徐々に大きくなり、歌声まで聴こえるように。曲終盤の “もう一回”の掛け声パートでは見事に揃った大きなファンの声が響いており、本編が始まる前からファンの気合も十分なことが伝わってきた。
会場が温まったところでアルバム名の “Audio Hang Out=音で遊ぶ”の通り、「音にのって遊ぶのって楽しいんやでー!」の掛け声とともに爆音のバンドサウンドにのせてポップでお茶目なメンバー紹介ムービーが流れる。炎と花火が舞う中7人が揃ってステージに登場し、リード曲「A.H.O.」からライブがスタートする。
早口でテンポよく歌ったり、こぶしを響かせたり、ラップや高音を披露したりと転調に次ぐ転調も見事に歌いこなすメンバー。WEST.らしいエネルギッシュで元気をもらえる曲でスタートダッシュをかける。
この日はあいにくの雨だったのだが、ファンへ向けて「雨のこと忘れるくらい楽しもうぜ」と明るく呼びかけ盛り上げるメンバーの姿も印象的だった。

開演前ファンだけでも盛り上がっていた「ええじゃないか」では、メンバーのパフォーマンスも相まってファンからも「待ってました!」と言わんばかりの大盛り上がりを見せ、一緒に振り付けを踊ったりと、とにかくファンとメンバーの一体感がすごかった。お互いの楽しさが連動し合って相乗効果を生んでいるように見えた。
そのままの勢いでトロッコに乗ってよりファンの近くへ行ったかと思えば、ステージに戻ってキャラクターのようなかわいらしいダンスを披露したり、客席に突如メンバーが登場したりと予測不能な展開で楽しさ満点。
神山が制作に関わり梅田サイファーが楽曲提供した「WESTraight」では、全員がバチバチにラップをきめながら、様々なスポットからメンバーが客席に登場。中間が客席横を通ると中間の友人であるシュウペイ(ぺこぱ)が客席からひょっこり。ふたりでシュウペイポーズを披露するまさかのサプライズも。
“シズマイ”で親しまれる「SHE IS MY」のイントロが流れると会場は悲鳴に包まれ、セクシーなダンスパフォーマンスで会場を魅了。久々に披露されたとあって盛り上がりもひとしおだった。
セクシーパフォーマンスが終わると一転。熱い曲からさわやかな曲、キレキレダンス曲にWEST.7人主演の映画『裏社員。-スパイやらせてもろてます-』の主題歌であるファンキーなソウルナンバー「ウエッサイソウル!」、ファンもマネしやすい振り付けのアイドルソングにと、様々なジャンルの楽曲を繰り出していく。次から次へと雰囲気の違う曲を最高のパフォーマンスで魅せる様子は、びっくり箱のようで目が離せなかった。
MCでは、WOWOWとWEST.の音楽番組『WESSION』がスタートすること、さらにWEST.主催の野外フェスが開催されることが告知され、会場からは割れんばかりの大悲鳴が。屋台フードも自分たちで考えるとのことなので、現地でも注目したい。
藤井が携わった「TICKTOK」はテンポよいダンスがかっこいい低音の楽曲で、照明やペンライトまでがクールだった。重岡が作詞作曲を手掛けた「それいけベストフレンド!」ではスタンドマイクを使ったキュートなパフォーマンス、濱田が「切ない思い出は宝物だ」という想いを込めた「Rainy Rhapsody」を7人がそれぞれ違う楽器を手にしてアコースティックで演奏。
さらに桐山プロデュースの「ティダ」では濱田曲とはまた違った楽器を手に、7人で沖縄感のある音楽を奏でていた。
「アップルパイ」ではWEST.が椅子に腰かけリンゴを手にしたままパフォーマンスを見せ、楽曲をプロデュースした中間が最後に不敵な笑みを浮かべリンゴをひとかじりするシーンにも注目だ。小瀧の美しい高音ボイスが響く「Sweety」は7人がベッドやソファに腰かけてムーディーに歌い上げる。
「shhhhhhh!」では黒の王子様のような衣装姿で色っぽさ満点のパフォーマンスを披露。カメラに抜かれたメンバーが、ウインクしてみせたりするたびに会場が揺れる。最後は画面7分割で7人のパフォーマンスを同時に目に焼き付けることができる眼福タイムだった。

畳みかけるように次々と飛び出すパフォーマンスに圧倒されていると、一息つく間もなくバンドサウンドが鳴りだし、レーザーライトが照らされ、さらに終盤に向けてエンジンがかかる。
赤いユニフォーム姿で登場したメンバーがファンの元へ向かい一緒に踊ったり、神山がエレキギターを披露したり。ステージを走ったり跳ねたりしながらも歌声がブレないところもすごかった。全力で走り切った7人は、最後まで懸命に「この旋律よ 誰かの歌になれ」をファンと歌っていた。
WEST.がステージから捌けるとすかさずWEST.コールが始まり、WEST.も早めにステージに登場。トロッコで上の階をぐるっと回り、盛り上がる曲を歌いながらファンとハイタッチをしたりとファンサービスを振りまいていく。
アンコールラストでは「BIG LOVE SONG」を披露。7人で大きなハートポーズを作ったり、指ハートダンスをファンとノリノリで踊ったりと、ここでもファンとメンバーの一体感を感じられた。歌い切ると「俺たちがWEST.!!」とWEST.とファンとが締めの合言葉を叫びコンサートは終了した。
見どころがありすぎて、カラフルな虹色の夢を見ているような体験ができるWEST.のライブ。6月1日の愛知公演ツアーファイナルまでこの勢いは止まることがなさそうだ。
取材・文◎吉田 藍