【インタビュー】Rainy。『名探偵コナン』オープニングテーマに16歳の等身大と急速な成長「今すぐにチャンスを掴むという気持ちで」

2025.04.05 12:00

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■思いをそのまま伝えられるように
■大切に言葉選びをしたい

──その間も現役高校生として日々の勉強がありますし、語学の勉強などもしているそうですね。ちなみに、オフィシャルYouTubeチャンネル『Rainy。’s Room』第3回の企画で、“20歳までにしたい20のこと”として、高校生のうちにやりたいこと10個、20歳までにやりたいこと10個を挙げていました。そこでギターの弾き語りができるようになりたいっていう話がありましたよね。ギターの練習もしている感じですか。

Rainy。:今はまだ自分のギターは持ってないんですけど、スタジオにあるギターを使わせていただいて、時間があるときにコード弾きとかを練習しています。まだなかなか指が届かないところもありますが、高校卒業するまでには弾けるようになりたいなって。継続してやらないといけないことも、お仕事や学校の課題もあるんですけど、私、優先順位を決めるのがすごく下手なので(笑)。今の私の課題は、“まずはこれをやって”というタイムスケジュールを作ることです(笑)。

──YouTube企画のなかには作詞作曲にもチャレンジしたいっていう目標もありましたから、これから楽しみです。そしてもう1曲のカップリング曲「Why? Why?」もキャッチーなダンスチューンですね。

Rainy。:「But ノーラヴ」とテイストの近い楽曲なんですけど、歌詞は対になっているんです。「But ノーラブ」は自分への愛を歌っているような元気や勇気をくれる曲で、「Why? Why?」は“ザ・恋愛ソング”。すごくかわいい歌詞で、ワーキャーしながらレコーディングしました(笑)。“切なくて 息もできないくらいよ”っていうフレーズがすごく好きです。

──Rainy。さんの恋愛観にも近い?

Rainy。:小学生くらいのときに恋みたいなものはあったんですけど、この歌詞のようなもどかしい恋はしたことがないんです。だから、少女漫画を思い出しながらだったり。ちょうどこの曲をレコーディングしていた頃に友だちの恋愛相談にのっていて、その友だちが“こういうことがあったんだ”ってエピソードとかを話してくれるときの嬉しそうな顔を思い出しながら歌ったり。誰かを好きになって無性に嬉しくなる気持ちを歌でダイレクトに届けられたらなって。心を込めて、勝手にキュンキュンしながら歌ってます(笑)。

──歌の感じからも、Rainy。さんの新しい表情が見えますね。

Rainy。:今、開催中のリリースイベントでも披露しているんですけど、「Why? Why?」はダンスもすごくかわいいし、キャッチーなんです。踊りやすい手の振付けが多いので。リリースイベントのときも、第一部で来てくれた方が、第二部にも来てくれて。第一部で覚えて、第二部で一緒に踊ってくれたりしていて、すごく嬉しかったです(笑)。

──今回のCDシングルは「But ノーラヴ」「Why? Why?」という、アップテンポでダンサブルな曲で、Rainy。さんの音楽としてジャンルが広がりました。こうした開拓はここからもどんどん増えていくのでしょうか?

Rainy。:そうですね。Rainy。というアーティスト名の由来には、“雨のように形を変えながら、世界中のいろいろな人に歌を届ける”という思いが込められているんです。それと同じように、これからも「Butノーラブ」や「Why? Why?」ともまた違うテイストやジャンルの曲も歌っていきたいと思います。そのたびに進化したテクニックを混ぜ込んで、成長していく私を届けられたらいいなってすごく思っています。

──いろいろなタイプの曲を聴いて吸収したり、インプットする時間も対象も増やしている感じですか?

Rainy。:小学生、中学生、高校生と、私の好きな曲のジャンルって違うんです。小学生の頃はボカロとかアニソンをよく聴いていて、中学生のときは洋楽にどハマりしたんです。小さい頃から洋楽は好きだったんですけど、今また再ブームがてます。

──今聴いているのは?

Rainy。:レディー・ガガさんが大好きで、「ホールド・マイ・ハンド」(2022年)を聴いて“ガガ愛”が再燃しました。それと同時に、高校生になってからはJ-POPを聴くようになって。日本語特有のいろいろなニュアンスの違い…似ている言葉でもニュアンスや感じ方の違いがあるじゃないですか。表現として、それも面白いなって思ってます。

──ちなみに洋楽はパワフルでエネルギーのある曲が好きなんですね。

Rainy。:レディー・ガガさんの「ボーン・ディス・ウェイ」とか「ブラッディ・マリー」も好きですね。アリアナ・グランデさんとレディー・ガガさんがコラボした「レイン・オン・ミー」も好き。ガガさんは、“自分は自分でいい”みたいな曲を昔から発表されていて。今でこそ多様性を意味するダイバーシティみたいな考え方がありますけど、ガガさんは10年以上前からそういう歌詞を書いていたので、すごいなって尊敬してます。

──自分がなりたいアーティスト像のどこかにレディー・ガガという存在もありますか?

Rainy。:そうですね。直接自分の言葉で表現して、しかも楽曲としてノレるってすごいですよね。そういう、憧れられる存在にもなりたい。みんなに聴いてもらえるような曲で、自分の思いをちゃんと詰め込むことができたら最高だなって思います。

──きっと10代中盤の今だからこそ感じられること、歌えることもたくさんありそうです。

Rainy。:はい。私のことをすごく見てくれるスタッフさんが近くにいてくれて。「今のうちに感じたことをたくさんメモしておきなさい」っていつも言われてます(笑)。

──最近メモをしたなかで、特に印象深かったものってありますか?

Rainy。:私は本が好きでよく読むんですね。乾ルカさんの『水底のスピカ』という作品のなかで、登場人物の女の子が、“私がおばあちゃんを亡くしたとして、その悲しみはあなたがワンちゃんを亡くしたときの悲しさとどちらがつらい?って言われたら、優劣はつけられないよね。それと同じで、おばあちゃんの死と消しゴムをなくしたことでも、つらいことには変わりないんだ”っていうことが書いてあって。そこに情動伝染っていう言葉が出てくるんです。

──他者の感情を感知することで、自分自身も同じ感情を経験する現象ですね。

Rainy。:はい。犬は情動伝染が強いらしいんですけど、人間も誰かが悲しんでいたりするとある程度はそれを察知できる。本当は他者の気持ちを察知して慰め合える存在だからこそ、勇気が出ないことや恥ずかしさを理由に、そういう感情を見過ごしてしまったら、いつかその人をなくしてしまうかもしれないっていうことを言っていて。すごく心に刺さったんですよね。私も、自分の書いた歌詞で、書いた時の思いをそのまま伝えられるように、大切に言葉選びをしたいなって。素敵だと思う言葉はたくさんありますが、いざ口に出そうとすると簡単な言葉で収めてしまいがちなので。今は、いろいろな言葉で表現することにチャレンジしてます。

──それはぜひ、Rainy。さんの言葉で思いを曲にしてほしいです。

Rainy。:頑張ります(笑)。

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