【インタビュー】圧ねぇ、アーティスト活動本格始動「ライブ配信の世界から生まれたスターに」

現在、歌特化ライブ配信アプリ「ColorSing」を中心に、ライブ配信の最前線で活動するアーティスト/ライブミュージッククリエイター・圧ねぇ。
中でもライブ配信では「TikTok LIVE All Stars 音楽部門」1位(2022年、2023年)、「TikTok Creator Awards Japan 2023『LIVE Music Creator of the Year』」受賞、TikTok「LIVE Pro」公認クリエイターなど、数々の実績を持ち、多くの視聴者を楽しませてきた。
そんな圧ねぇがリブランディングを行い、11月6日に「パネェkiss」を配信リリースする。プロデューサーに徳永暁人、楽曲制作に綿貫正顕を迎えた同曲に、彼女はどう向き合ったのだろうか。これまでの活動や、リブランディングの狙い、この先の活動についてなどを含め、本人にたっぷり語ってもらった。
◆ ◆ ◆
──まずは、改めて圧ねぇさんがこれまでどんな活動をされてきたのか、自己紹介からお願いします。
圧ねぇ:もともとはシンガーソングライターとして活動を始めて、今年音楽活動15周年を迎えました。庄最愛夏という名前でシンガーソングライターをしていたのですが、コロナ禍にライブ配信をスタートして。でも、当時は「どうせすぐ辞めるだろう」と考えていたんです。それが、始めて3カ月で人気が出てしまって(笑)。「自分の楽曲をたくさんの人に届けたい」という思いがあったので、そこから本格的にライブミュージッククリエイターとして頑張ることにしました。
──それ以外にも、幅広い活動をされていらっしゃいますよね。
圧ねぇ:そうなんです。タレントの仕事もしていますし、和歌山県白浜町の観光大使も務めていて、いろんなことをやっています。ただ、昔から『NHK紅白歌合戦』に出場することを目指して音楽活動を続けていて。その過程でタレント活動もしてきた、という形ですね。
──音楽活動については、ライブ配信を始める前はステージでのライブが中心だったのですか?
圧ねぇ:ライブハウスとお祭りと営業ですね。とくに営業はこのキャラクターもあって、どこかに行けば「次はうちの会社の営業に来てほしい」と声がかかる状態でした。歌を始めて6〜7年目くらいの時にめっちゃ営業に呼んでいただけるようになって、バイトも辞めて音楽活動に専念するようになった感じですね。
──そもそもなのですが、一番最初に音楽を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
圧ねぇ:いやぁ、それが恥ずかしい話なんですけど、占いにそそのかされたんですよ!
──占い!?
圧ねぇ:友だちに無理やり占いに連れて行かれたのですが、そこで「あなたは芸能をやった方がいい。遅咲きだけど、絶対うまくいくから」と言われて。その直後に2回大手事務所にスカウトされたんです。2回もスカウトされたとなると、「あれ、これ芸能やった方がいいのかな?」って思っちゃうじゃないですか(笑)。で、始めちゃいました! でも最初は、タレント活動のみでしたね。そのうちになんだか自分を表現したいと思うようになって、音楽がやりたくなってきて。そこからオーディションを受け始めて音楽活動をスタートしましたね。
──それまで楽器をやっていらっしゃったとか?
圧ねぇ:ない、ない、ない、ない! 一切ないです! 別に音楽一家でもなかったですし。でも、歌うことだけは大好きでした。なので、いきなり音楽を始めた感じなんですよ。もう、直感ですよね。「これ、いいんじゃね?」と思ったらすぐ始める。イノシシか、マグロか、圧ねぇか、というレベルで止まれないんです。

──凄まじい行動力ですね! その「止まれない」が15年続いているわけですが、止まらなかった理由はあるのでしょうか。
圧ねぇ:これはもう、ファンの方々の存在ですね。成功も挫折もしてきましたし、辞めようと思ったことも何度もあります。でも、ファンの方はいつでも応援してくれるんですよね。その人たちにいい景色を見せたくて、「ああいうところでライブをしたら、みんな喜ぶだろうな。じゃあ、そこを目指そう」とずっと頑張ってきました。
──「圧ねぇ」という名前もファンの方が名付けたとか。
圧ねぇ:そうなんです! 「圧ねぇ」ってなんやねんって思いますよね(笑)。もともとイベントに出ていた時も「あの人、圧が強い」と言われていて、私の写真に「#圧が強い」と書かれていたんです。そんな中ライブ配信を始めて、庄最愛夏という芸名が覚えにくい、言いにくいとリスナーに言われて。そうしたら、リスナーの誰かが「圧が強いから“圧ねぇ”でよくない?」と。そこからライブ配信名が「圧ねぇ」になりました。
──「圧ねぇ」という名前にしたことで、広がりは変わりましたか?
圧ねぇ:めっちゃ変わりました! 覚えやすさとキャッチーさがあって、芸名よりも「圧ねぇ」という名前の方が売れてしまって。そこからライブ配信の世界で実績を出したこともあるので、より広がっていきました。芸名で行かずによかったなと思いましたね。
──そんな圧ねぇさんの活動の軸となっているものは何なのでしょうか。
圧ねぇ:これは明確にあって。コロナ禍の影響が本当にすごくて、私のアーティスト人生が終わっていたかもしれなかったんですね。でもライブ配信のおかげで終わるどころか盛り上げることができて、ファンも増えて、Billboard Live TOKYOでライブができるようになりました。だからこそ、「ライブ配信業界を丸ごと盛り上げたい」という気持ちが軸にあります。『JAPAN LIVER FESTIVAL 2025』で業界貢献部門でソーシャルインパクト賞をいただいたのですが、そこから「私が業界にいてよかったと思ってもらえる人間になってやる」という気持ちがより強くなりましたね。私、アーティストとして活躍することも業界貢献になると思っていて。要は「音楽を始めるならライブ配信をやろう」というのが当たり前の時代を作りたいんです。
──なるほど。最近は、ライブ配信と音楽の距離が近くなりつつある所感があります。
圧ねぇ:やっとです。(両手を目一杯広げながら)少し前まではこんなんでしたから。というのも、音楽って趣味嗜好が強いものなので、配信の世界で人気を出すのが難しいんですよ。声が好きじゃない、ジャンルが好きじゃないと思われたら、配信の枠に留まってもらえない。でも、いい配信者が生まれて、歌も歌って、人気が出たら、配信界のHIKAKINさんのような存在が作れるわけじゃないですか。私がこれからライブ配信と音楽の距離をもっと近くしていきますよ。
──圧ねぇさんは、自分の配信枠にリスナーを留まらせるためにどんなことをやっていたのですか?
圧ねぇ:最初はいろんなことをやりましたね。ラッキーなことに、私ってちょっと面白いんですよ(笑)。芸人さんほどじゃないですけどね。しかも営業で人の心を掴む力もつけてきたので、一瞬で人を引きつける能力が結構ある方。それをより磨いて武器にしました。まずは人として好きになってもらって、そこから歌を聴いてもらって歌も好きになってもらうという流れを作れたのは勝因の一つだったなと思います。
──そこから少し広げて考えると、音楽と配信を近づけるために今足りていないことも見えてきそうですね。
圧ねぇ:そうですね。業界全体の話になってしまうのですが、どうしてもまだライブ配信自体のイメージがよくないんですよね。例えば、ギフトという制度があまり綺麗に映っていないとか。音楽で生きてきた人からすると、ギフトが汚く見えてしまうんでしょうね。ただ私がギフトをいただく上で大切にしているのは「感動した」「素敵」「応援したい」という言葉とともにいただくことで、無理にギフトをお願いすることは一切していないんです。CDを買っていただくような感覚でギフトを投げてもらい、応援していただくイメージです。でも、外から見たらそこを理解していない人も多くて、「どうせ汚い世界でしょ」と思われてしまうという。だからまずはしっかりクリーンにして、音楽活動をする上での健全な選択肢にしたいんです。それに、音楽好きな人も「配信で音楽を聴く」という方法を取る人ってまだまだ少ないんですよね。この分母を増やしていかないといけないと、業界の発展がないなとも思っています。
──たしかに音楽をdigるとしても、YouTube止まりになっています。
圧ねぇ:まさに。でも今、私が配信をしているのが「ColorSing」という音楽、歌特化型のアプリなんです。このアプリの存在がもっと広がったら、変化が出てくるのかな、と。しかも、ColorSingは審査に受かった人じゃないと配信ができないようになっているので、ある程度クオリティが担保されているんですね。なので、音楽好きがもっと集まってくれるアプリになると信じて、私も配信を頑張っています。

──これは失礼な質問になってしまうかもしれないのですが、ネットの世界で音楽をやって活躍していた方々がデビューすると、ネットの世界から離れるパターンが多いですよね。圧ねぇさんがスターになったとしても、配信は大事にし続けるということですか?
圧ねぇ:当たり前じゃないですかー! 私が目指すのは「ライブ配信の世界から生まれたスター」ですから。そう、みんな辞めちゃうんですよね。でも、No! No! No! 絶対にどんなことがあっても辞めないです! この世界からデビューして、この世界の人たちを盛り上げて、この世界で頑張っている子たちに夢を与えたい。そこまで考えてやっていきます。
──圧ねぇさんが感じている、オフラインでのライブとの魅力の違いも知りたいです。
圧ねぇ:その場でお客さんの顔を見ながら反応がもらえる生ライブも、もちろん大好きです。でも、ライブ配信って生ライブと違って毎日気軽にできるんですよね。しかも毎日やっていると、リスナーの方も習慣化してくる。つまり、生活の中に音楽ができる場が生まれるというか。それをたくさんの方に見てもらえるチャンスもあって、コメントですぐに反応がもらえるというのは、魅力の一つだと思います。
──「毎日ライブができる」と考えると、めちゃくちゃいい場ですね。
圧ねぇ:そうなんです。場数を踏むと言っても、生ライブだとそんなにいっぱい開催されないじゃないですか。でも配信なら毎日がステージ。毎日練習できて、毎日見てもらえて、毎日リアクションがくるんです。そうするとトークも歌も自ずとうまくなるんですよね。
──若手アーティストにとっては、うってつけの場に感じます。
圧ねぇ:そう。みんなにやってほしいですね。実際ファンも増えますから。例えば路上ライブをやるにしても大変じゃないですか。自分がまずその場に行かなきゃいけないし、足を止めてくれる人も多くないし、機材も用意しなきゃいけないし。でもライブ配信ならボタン1個、スマホ1台でできますから。しかも、ColorSingはJOYSOUNDのカラオケ11万曲がアプリに入っているので、スマホの純正イヤホンを繋いで、すぐに歌えるんです。
──それはすごい!
圧ねぇ:そうなんです。私、最初は配信業界のことをバカにしていたんです。ちょっと強い言葉を使っちゃうんですけど、正直、歌よりギフトが中心の世界だと思い込んでて。だからギフトを投げられても、「何投げてんの?」「今ので3万円!? 本当にいいの!?」と言っていたんですよ(笑)。でも、徐々にこだわりを持っていくと、この世界でもプロになれると気づいて。今ではものすごく可能性を感じています。
──リスナーとの距離感も配信独特のものがあると思っていて。生ライブの観客とアーティストよりも、リスナーと配信者ってすごく近いですよね? その環境で活動していく上で、大切にされているポリシーはあるのでしょうか。
圧ねぇ:これは、「いい距離感を保つ」に尽きます。配信をしている人みんなに言いたいくらい。距離が近い分、リスナーと家族くらい仲良くなっちゃうんですよ。でも、一線を引いておかないと絶対にトラブルになります。だから私はどんなにギフトをもらっても、対応は全員一緒。その代わり、音楽でお返しをしています。
──プロフェッショナルです! そんな圧ねぇさんは、『TOKYO ISLAND 2026』でリブランディングを宣言されました。新しい体制で活動していくことを決めた背景を教えてください。
圧ねぇ:ある程度配信の世界での夢を叶えてきてしまったので、次のステージに行かなきゃとずっと思っていたんです。じゃあ、次は何をしようと思った時、やっぱり「紅白に出る」とか、もっと「売れた」という実績を作りたかったんですよね。そこで、まずは音楽に強くてSNS戦略がお上手なSBIスターミュージック・エンタテインメントに所属することにしました。今まで私はすべてセルフプロデュースしてきたので、好きなことだけをやっていたんです。でも事務所側から、「配信の世界から出てきた“圧ねぇ”という新しいアイコンを作って、本気で紅白を目指していこう」と提案していただいて。それを聞いて、「乗った!」と(笑)。これまでのセルフプロデュースのやり方を一度見直して、チームと一緒に、3年後の紅白出場を目指して活動していくことになりました。
──リブランディングをしたことで、活動内容に変化があったりも?
圧ねぇ:まだリブランディングしたばかりなのでわからないですが、少しずつ変わっていくんだと思います。今まではライブ配信を90%でやっていたのですが、これからは音楽活動とライブ配信を半分ずつくらいにしていこうとは考えていますね。

──となると、リブランディングを発表した時のファンの方々の反応も気になります。
圧ねぇ:これね、私も最初はめちゃくちゃビビりました。「配信をサボっている」と思われるのか、「もう応援しなくていいや」と思われるのか、どうなっちゃうんだろうと思って初めてファンのみんなに伝えた時は泣いちゃったんです。でも「コロナ禍も楽しませてもらったし、圧ねぇが次の夢に向かって頑張っている時に応援しないなんて、誰が言う!?」と逆に怒られてしまって。「私たちがどれだけあなたに救われていると思ってるの?」、「絶対応援するし、紅白まで押し上げるから」と。私のファンの方は大人の女性が多いのですが、リブランディング発表後にSNSアカウントを作って発信してくれたりもしているんですね。配信も始めた瞬間に全員来る勢い。今までは徐々に集まってくるという感じだったのですが、今は「配信時間が1時間しかないから、行くぞ!」と(笑)。めちゃくちゃいいファンばかりで、いつも救われています。
──素敵な方々ばかりですね。
圧ねぇ:本当に。しかも私、他のライバーさんからも愛していただいていて、「『パネェkiss』をバズらせて、ColorSing初のスターにしましょう」と言ってもらえているんです。周りのみんなからの愛を感じて、嬉しくてめっちゃ泣きました。
──みんなから応援されているリブランディング、どんな圧ねぇさんの姿を発信していくことになるのでしょうか。
圧ねぇ:平成ダンスPOPの華やかさや、パワフルな歌声を通して、同世代の方にも「今からでも挑戦していい」と感じてもらいたい。かっこいいステージも、人としての面白さも、両方届けていきたいです。これまでは、配信を見に来ないと私の魅力が伝わらないというのが課題でした。でも、リブランディングを通して、音楽とともに私の中身が広がったらいいなと考えています。
──楽曲面では、11月6日に「パネェkiss」がリリースされます。同曲の聞きどころを教えてください。
圧ねぇ:平成のキラキラ感ですね。今回のテーマが「令和のキラキラスター」というようなきらびやかな感じなんです。それに合う楽曲になっていると思います。それと、私はこの歳でスターになろうとしているわけですが、そういった意味での切なさも感じられると思います。「パネェkiss」って《パネェkissはご無沙汰》《最近ときめいてねぇ》などの面白いワードがあるのですが、リスナーさんは「聞いた後に私もこれから頑張ろうと思える」と言ってくださいました。といっても、「40代、心を燃やして頑張ります!」というストレートな歌詞じゃないんですよね。ユーモアや楽しさがある中で、ちょっとした切なさや、背中を押される感覚が感じられる曲だと思います。
──二面性がある楽曲。
圧ねぇ:そう! 私、今までだったらこんな曲を書けなかったんです。超陽キャで、「悔しい! 頑張る! イエーイ!」みたいな曲ばかり(笑)。それをちょっとオブラートに包んだようなアプローチをするのは初でした。
──セルフプロデュース時代とは違う発見や刺激もあったのでは?
圧ねぇ:違うことだらけでびっくりしました。セルフプロデュースだと自分がよければそれでOKなので、書きたいことを素直に書いていたんです。私の場合飾ってもかっこよくならないし、選ぶ言葉もストレート。それが一番しっくりきていました。だから自分の気持ちや伝えたいことを歌にしていたのが多くて。でも、「パネェkiss」は書き方自体がまったく違いました。最初にプロデューサーの徳永さんから、「昔の写真を2枚くらい見つけて、それを見ながら書いてみて」と言われたんです。
──え?
圧ねぇ:意味わかんないですよね(笑)。でも「それでも歌詞が書けるから。例えば、恋愛していた時の写真を2枚くらい見ながら書いて」と。恥ずかしいと思いつつも、10年前くらいの写真を引っ張り出して、書いてみました。最初は書けないと思っていたのですが、結果たくさんの言葉が生まれてきました。
──めちゃくちゃ制作の幅が広がっていそうですね。
圧ねぇ:そうですね。今までは固有名詞もあまり使わなかったのですが、「パネェkiss」には散りばめられていて、色がついた感覚がありました。なので、「この歳になってもまだ成長できるんだ」と思って。歌詞の書き方もそうですが、レコーディングのやり方もまったく違うんですよね。すべてが新鮮でしたし、自分に足りないものにもたくさん気づかされました。おかげで、ボイトレと筋トレにもバッチバチに通い始めて。自分を磨いて、刺激に応えられるようにしようと思うようになりましたね。
──むしろ、あの歌唱力で今までボイトレなしだったとは……!
圧ねぇ:配信をしなくちゃいけなかったので、時間がなかったんですよ。音楽を始めた頃は行っていましたが、徐々に行かなくなっちゃって。それに今までは自分がOKを出せばレコーディングは終わっていましたから。でも、紅白を目指すなら上手ければ上手い方がいいですからね。今はアホみたいにボイトレに行って、アホみたいに筋トレをしています。

──気合い十分なのですね。ちなみに、作詞のクレジットに綿貫正顕さんのお名前がありますが、コライトしたということなのでしょうか?
圧ねぇ:語りの部分を書いてもらったんです。もともとはそのパートはラップだったのですが、私、ラップが全然ダメで。吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」みたいになっちゃうんですよ(笑)。かっこつけることもできないので、中途半端になってしまうと思って語りにしてもらいました。ただ、語りの中身を書くのがめちゃくちゃ難しくて。そこで綿貫さんにお願いして書いていただきました。
──そういうことだったのですね。プロデューサーには徳永さんが入られていますが、ディレクションしていただいていかがでしたか?
圧ねぇ:徳永さんって、めちゃくちゃ優しくて、熱い方なんです。夜中でも長文でアドバイスのLINEを送ってくださって。それこそ『TOKYO ISLAND 2026』のMCやステージングのアドバイスもいただきました。特に印象に残っているのは、最初のミーティングの時。「圧ねぇの良さを活かしたい」と言ってくれたのが嬉しくて。「声も好きだから、ボイトレにいってもその良さは絶対になくさないでほしい。たくさん良さがあるから、それを自分で見つけて、ブラッシュアップして。将来モノマネされるくらいの歌い手だからね」という言葉がとても印象に残っています。実際、レコーディングの時も「もっと圧ねぇっぽく歌って」「圧ねぇっぽさが足りない」と言われたんですよね。そう思っていただけるのはありがたかったです。
──愛がありますね。レコーディング自体は順調だったのでしょうか。
圧ねぇ:難しくて泣きそうでした(笑)。私も周りの皆さんも、いいものを作りたいという気持ちが強いから、めちゃくちゃ時間をかけたんです。今までのように楽には終われない環境は大変でしたが、結果いいものができたのでよかったです。
──ちゃんとチャレンジをして乗り越えていらっしゃるのが素晴らしいな、と。
圧ねぇ:そうなんです! しっかりチャレンジして、ダメなところは認めて、自分の中に落とし込んで、「次はこうしよう」と決めて頑張れるのは私のいいところなんですよね(笑)。年齢を重ねてくると、なかなか外からの指摘を受け入れられなくなると思うんですよ。ジャケ写もそう。最初に絵コンテを見た時は「なんじゃこりゃ!? 本当に似合うの?」と正直不安でした。でも、プロが言うなら受け入れてみよう、と。で、実際でき上がったら絵コンテとほぼ一緒。プロってすごいですよね。しかも、ずっと前髪を上げるスタイルや濃いメイクが似合わないと思っていましたが、やってみたらびっくり! 新しい発見になりましたし、それ以降前髪を上げるスタイルが好きになりました。今日も前髪を上げていますが、この格好でスターバックスに行ったら店員のお姉さんに「めっちゃかっこいいですね」と言ってもらえて。「存じ上げております」と返したら、大爆笑していました(笑)。
──素敵です(笑)! では最後に、リブランディングの期間である3年が過ぎた後、どんなアーティストになっていたいですか?
圧ねぇ:まず、紅白には必ず出演します。そして「ライブ配信から、こんなアーティストが生まれるんだ」と、多くの方に知っていただける存在になりたいです。私がステージで結果を出すことで、ライブ配信で歌う人たちにも新しいチャンスが生まれる。そんな道を切り拓きたいと思っています。ライブ配信には、まだ広く知られていない素晴らしい歌い手がたくさんいるんです。私をきっかけにその人たちの歌も聴いてもらえたり、音楽を届ける場所としてライブ配信を選ぶ人が増えたりしたら嬉しいですね。配信の中で育った音楽が外のステージへ届いて、そこで出会った人が今度は配信へ歌を聴きに来てくれる。そういう循環を作って、ライブ配信と音楽、両方の可能性を広げていきたいです。だからこそ私自身が歌もパフォーマンスも磨いて、「圧ねぇがいい」と選んでいただけるアーティストになることが大事だと思っています。ライブ配信に育ててもらった一人として、自分の挑戦を、自分だけの成功で終わらせたくないですね。
取材・文◎高橋梓
写真◎尾藤能暢
「パネェkiss」
配信リンク:https://sndo.ffm.to/eoapwbk
