【ライブレポート】SCANDAL、結成20年目のアニバーサリーライブ「感謝しかないし、愛しかないです」

結成20周年を迎えた4人組ガールズロックバンドSCANDALが、8月21日(金)、大阪・大阪城ホールで<SCANDAL 20th Anniversary Live “Chapter 20”>を開催した。
同じボーカル&ダンススクールに通っていたHARUNA、MAMI、TOMOMI、RINAの4人がバンドを結成したのが2006年の8月21日。大阪城公園(城天ストリート)でストリートライブをスタートさせ、日本国内はもちろん、海外でも圧倒的な知名度と人気を誇るバンドへと成長してきた。2023年には「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定。現在もそれぞれの個性や魅力、クリエイティビティを発揮しながら前進を続けている。
そんなSCANDALにとって5年ぶり4度目となる今夜の大阪城ホールは、記念すべき結成20年目のアニバーサリーライブ。国内外から駆けつけたファンの熱気が渦巻く中、ライブは疾走感に満ちた「瞬間センチメンタル」からスタートした。巨大なLEDスクリーンには4人が大切にしてきた言葉たち(=歌詞)が躍動感たっぷりに映し出され、強靭なバンドサウンドと共に客席へと押し寄せるような演出だ。サビの大合唱などオーディエンスのリアクションも手加減は一切なし。「テイクミーアウト」、「最終兵器、君」と華やかなライブのオープニングにふさわしいナンバーが続き、狂騒のダンスタイムと化した「STANDARD」では無数の炎が吹き上がる。オーディエンスとのコール&レスポンスを楽しむメンバーの表情はとても晴れやかだ。




最初のMCでは「1年前から楽しみにしてました。みんなもそう!?その気合い,
バッシバシ伝わってきてます」とHARUNA。20年前、大阪の京橋で結成して最初に掲げた4人の夢が大阪城ホールでのワンマンライブだったと当時を振り返りながら、「ここ大阪城ホールでやるのは4度目。ガールズバンドとしても異例の結成20周年を、夢の場所である大阪城ホールでみんなと一緒に過ごすことができて本当に嬉しいです!」とメンバーを代表して感謝を伝えた。
「ここからは結成20周年のアーカイブ的なライブにしていく予定。20年前を思い出して、私たちの始まりの歌から」(HARUNA)ということで、SCANDALのインディーズデビュー曲である「スペースレンジャー」を披露。その後も「少女S」、「HARUKAZE」、「夜明けの流星群」といったキャリアの初期を代表する楽曲が続き、リリース当時と変わらない瑞々しさを放つパフォーマンスで魅了していった。こんなにも幅広いジャンルの楽曲ばかりなのに、RINAのカウントからイントロが始まると一瞬で<SCANDAL>という音の世界が動き出す。彼女たちが丁寧に積み上げてきたものの輝きを目の当たりにするようなセットリストだ。
次のMCでは、大阪城ホールの目の前の城天ストリートでライブを始めた頃の話を始めた4人。「みんなでチラシを書いて、毎週末誰かに渡してて。今週は1人増えたな、また0人になったけど次の週は10人に増えたとかいうのをずっと繰り返してた。上手く行かないことも含めて、全部が青春だった」とRINA。また「城天ストリートには城天ストリートライブのオタクがいて、ノれる音楽をやらないと踊ってくれなかった。厳しかった(笑)」など、それぞれが当時の思い出を振り返っていく。TOMOMIは「最近母から聞いた話なんですけど」と切り出し、10代だった4人が集められてバンドを始めるにあたり、通っていたダンススクールの方から「持って3年(笑)。3年やったって20歳そこそこなので、やり直しもきく。一旦3年やってもらって、3年後自由になりますんでみたいな話があったらしい(笑)」というエピソードを披露。もちろん、メンバーもオーディエンスも大爆笑ではあったが、「(今日会場に来ているという)校長先生も、4人を選んだスタッフの方もこんなに続くと思ってなかったと思うし、何より自分たちが訳わかってなかったから、20年経った今、夢だった大阪城ホールにまた立てているのは本当にすごいこと。みんなのおかげです!」と感謝を伝えていた。
次のセクションは、ボーカルを取るHARUNA、MAMI、TOMOMI、3人それぞれの個性にスポットを当てた選曲。七変化の魅力を持つHARUNAのボーカルがラップでさらに新たな表情を見せる「Hurt beat」や、MAMIがアコギで胸の内をじっくりと語りかけるように歌う「アイボリー」、愛の解釈を独自の視点で描いたTOMOMIの「Plum」そして「愛の正体」。「愛してる」と真っ直ぐに伝える「Stay Holy」では、4人の中にあるピュアな愛の温度を伝えるエモーショナルな声と音が広がっていった。
「初めてこのステージに立った日から、ずっと大切に歌ってきた曲です」というHARUNAのひと言に続いて披露されたのは、夢だった大阪城ホールのワンマンライブで歌うことをイメージして書かれたという「one piece」。2013年にその夢を叶えた4人が歌う「今でもまだ夢の途中」というフレーズには、とてつもない勇気やパワーが宿っているように思えた。
本編最後のMCでHARUNAは、「楽器を始めて約2年でバンドマンとしてデビューすることは難しかったというか、バンドマンとしてみんなの前に立つことに悩んだこともあった。でもこの3人のメンバーがいたから乗り越えられたし、私たちの音楽をいつも楽しみにしてくれるみんながいたから、このバンドを続けて来れたんだと思う。みんながいなかったら、心が折れてた瞬間がいっぱいある。自分たちがやりたいと思うことをやって、それを正解にしてくれたのもみんな。気持ちや音楽性の変化を否定せず、肯定して、信じてついてきてくれたみんなに支えられてきました。感謝しかないし、愛しかないです」、「SCANDAL MANIAが、世界で一番好きです!」と最高の笑顔で気持ちを伝えた。
客席からも感謝を伝える大歓声が湧き起こる中、ライブはいよいよ後半戦へ。「LOVE SURVIVE」、「A.M.D.K.J.」というパワフルかつハードなサウンドで盛り上げ、「会わないつもりの、元気でね」そして「太陽と君が描くSTORY」といったお馴染みのナンバーへ。「Image」では過去の懐かしい映像がスクリーンに映し出され、20年の思い出とともに楽曲を楽しんだ。最後に「MANIA、ありがとう!」と叫んだHARUNAの声に呼応する声援はしばらく続いていたが、ステージ上の空気がフッと変わり、4人の想いを伝えるかのような静寂に続いて本編ラストの「ハイライトの中で僕らずっと」がスタートした。永遠に続くとは限らないからこそ、全ての瞬間をハイライトにしたい。最高の時間と景色を共に作り上げてきたファンへの感謝だけでなく、4人の覚悟のようなものが感じられる1曲だった。

アンコールでは、記念すべきメジャーデビュー曲である「DOLL」と「SCANDAL BABY」を披露。20年の歴史を振り返るだけでなく、今なお現在進行形で最高のライブを作り上げているSCANDALとMANIAたちの愛と絆をより強固にするようなアニバーサリーライブだった。終演後、ライブの興奮や余韻をいろんな国の言葉で伝え合っていたマニアたちの光景もまた、SCANDALのライブならでは。彼女たちを取り巻く音楽の輪はこれからもっと広がっていきそうだ。

取材・文◎山田邦子

■セットリスト<SCANDAL 20th Anniversary Live “Chapter 20”>
2026年8月21日(金)大阪・大阪城ホール
M1.瞬間センチメンタル
M2.テイクミーアウト
M3.最終兵器、君
M4.STANDARD
M5.スペースレンジャー
M6.少女S
M7.HARUKAZE
M8.夜明けの流星群
M9.Hurt beat
M10.Plum
M11.アイボリー
M12.愛の正体
M13.Stay Holy
M14.one piece
M15.太陽と君が描くSTORY
M16.Image
M17.ハイライトの中で僕らずっと
EN1.DOLL
EN2.SCANDAL BABY






