【インタビュー】DIR EN GREY、3年10ヶ月ぶりニューアルバムがついに完成。Shinya「貫禄と経験値」

◼︎ずっとシンプルを目指している
──いざ完成したアルバムを聴かせていただいた時、緻密に構築された様式美の『PHALARIS』に対して、『MORTAL DOWNER』は部分ごとに個性的なアレンジが際立ちつつ、全体的には削ぎ落とされた印象があったんですよね。Shinyaさんとしては、『PHALARIS』と比べての印象の違いはありますか。
Shinya:うーん……特にないですね。フレーズを作る時はあんまり何も考えずに作るので、違いとか、差をつけようという意識もないです。
──インストの「ISOLATION」を経て、実質1曲めの「灰燼に帰す」という曲から、すごくShinyaさんらしいリズムパターンの応酬で。タムの入れ方もそうですし、バスドラがリズムキープというよりリフと言ってもいいようなフレーズになっていて。
Shinya:そこはもう手癖じゃないですか? デモの段階で普通のリズムじゃなかったですし、何も考えずにパッと浮かんだことをやっているだけです。
──タムのフレーズは特にShinyaさん節だなと思います。ちょっと話が逸れますが、YouTubeのShinya Channelにアップされている「【DIR EN GREY】人間を被るを叩いてみました【ドラム】」という動画で、こういうふうに叩き分けてるんだなと改めて驚いたんですよね。「【2025年版】DIR EN GREY Shinya のドラムセットを大紹介【機材紹介】」という動画でも、フロント部分のタムのサイズが特注だったり、こだわりが伝わってきました。タムのフレーズはご自身のカラーになっている感覚がありますか。
Shinya:上手(かみて)の上に大きいタムを置くというセッティングにはちょっとこだわりがありますね。もう20年くらいずっとそうです。
──たしかに、あのセッティングは他で見ないですよね。
Shinya:あんまりいないと思います。あそこに置かないと叩けないフレーズもあるので。
──なるほど。4曲目の「Discard」では、バスドラが完全にギターリフとユニゾンしていて、これも面白いアプローチですよね。
Shinya:ああ、そうですね。デモがどうなっていたかはちょっと覚えてないですけど、最初に自分が打ち込んだ時からこんな感じでした。逆にこれ以外は思いつかなかったです。
──ライブで合わせる時に難しそうです。
Shinya:ライブは難しいですね。実際にライブで先にやっていた曲のひとつなんですけど、難しかったです。バチッと合ったら気持ちいいんですけど。
──個人的にアルバムの中で印象に残ったのが、7曲目「歪と雨」から「The Devil In Me」「MOBS」の流れなんです。最初にお伝えした、削ぎ落とされたアレンジが際立つパートだなと。「歪と雨」は淡々としたタイトなビートで、空間系のサウンドが最近では新鮮ですよね。
Shinya:「歪と雨」の原曲はDieさんなんですけど、Dieさんっぽいなっていう印象でしたね。Dieさんの曲はデモの段階でわりとドラムがしっかり入っているので、デモを参考にしています。
──複雑なフレージングというより、クールにリズムキープするタイプの楽曲で。
Shinya:そうですね。レコーディングの時は無我夢中でやっていたので何も考えていなかったですけど、今後ライブでやるにあたって、どうしようかちょっと悩んでいるところですね。何か足してもいいかなと思いつつ、ハイハットとかが結構ややこしくて難しいんですよ。
──そこからシングルの「The Devil In Me」に繋がります。シングルとしてリリースされた時は、それこそすごく隙間のあるアレンジで、淡々と進んでいく構成が新しいなと感じたんですけど、アルバムの流れで聴くとしっくり来ました。「The Devil In Me」のドラムに関してはどうですか?
Shinya:たしかに、ライブで実際に演奏するまでは、“ライブでやって楽しいのかな?”と思っていたんですけど。ツアーで回数を重ねるうちに、すごくいい感触になっていきました。曲自体、盛り上がらなそうな曲なのにちゃんと盛り上がっていて。
──不思議な曲ですよね。
Shinya:はい。最初は、“そもそもシングルとして出していいのかな?”と思っていたくらいで。
──(笑)。フレーズを考える時も、いろいろ詰め込もうと思えばできるけど、あえて空白を残すイメージだったんですか。
Shinya:そうですね。もともと、自分的にはここ十数年、ずっとシンプルを目指しているんですよ。なかなかできないんですけど。
──たしかにDIR EN GREYでシンプルは難しいかと……。
Shinya:一応目指してるところはシンプルなんです(笑)。こういうテンポ感も全然好きですね。むしろ速い曲は好きじゃないので。
──それはよく仰っていますが(笑)、「The Devil In Me」のようなタイプの曲がライブでやっていくうちに想像以上に育っていったというのはいいですね。こういうどっしりしたグルーヴ感やリズム感は、キャリアを重ねたバンドならではだと思いますし。
Shinya:まさにそうですね。みんなこの年齢になって、その貫禄と経験値でいい感じになったんじゃないかなと思います。

──そのあとの「MOBS」も、ドラムの音数はかなり削ぎ落とされていて。シンプルを目指すShinyaさんとしては理想通りに仕上がった感じですか?
Shinya:これこそ本当にオトナな感じに仕上がっていて、まさに今のDIR EN GREYにしか出せないものを感じました。中盤のハネた感じも新鮮でしたし、ストリングスの入り方も、最初に聴いた時に“おっ!”と思いました。“いいやん!”って。
──ただ派手に盛るんじゃなく、それぞれインパクトのあるアレンジになっていますよね。極端な話、以前なら後半に変拍子のソロや高速のブラストパートが入っていてもおかしくない曲じゃないですか。
Shinya:(笑)オトナになったということじゃないですか? たしかに、そういう部分では変化を感じますね。僕的には大歓迎です。
──オトナになったという言葉が、最年少のShinyaさんから出てくるとは(笑)。一方、Shinyaさん原曲の「Bloodline」を始め、いわゆる歌モノ曲の存在感も強いです。「Bloodline」は、途中でマーチングビートのターンが入るのも面白いですね。
Shinya:途中のマーチングっぽいところは、僕が最初に作った段階ではなかったんです。アレンジされて戻ってきたらああいう感じのフレーズが入っていて、こう来たか!と思いました。
──Shinyaさん作曲だから、ちょっとドラムの見せ場を入れたのかも。
Shinya:どうなんですかね(笑)。見せ場ってほどでもないですけど。
──メロディは重要と仰っていましたが、「Bloodline」「Void」など、特に歌い上げるメロディがある曲ではドラムを考える時にどんなことを意識するんですか。
Shinya:完全にメロディに寄り添うように考えますね。「Void」とかは一番僕が得意とするパターンで、ライブで演奏していてもすごく楽しいです。メロディに乗って叩くのが一番楽しいんですよね。そこは昔から変わらないです。
──最後の「no end」も、美しいメロディの曲で。アルバムのハイライトのひとつになっていると感じました。
Shinya:はい。この曲も本当に得意パターンで、デモを聴いた時点で“来た!”って感じでした。こういう曲がラストに入るとぐっとくるところはありますね。まだレコーディングでしか叩いてないですけど、フレーズ的にはバッチリのものが生み出せたと思います。
──メロディに寄り添うアプローチとして、具体的にどういう部分を大事にしているんですか?
Shinya:いや、特に何も考えてはいないです。勝手に湯水のごとく浮かんでくるので。
──湯水のごとく! 逆に何パターンも思いついてしまうというより、これだ!ってすぐ決まるんですか。
Shinya:“これだ”っていうフレーズが浮かんで、何回か聴いているうちに、また“これだ”っていうフレーズが浮かんだら変えていく感じです。1回打ち込んだあと、ベッドに行って寝ながら聴き直すことが多いですね。あえて集中せずに流し聴きしてみて、ふと“ここをこうしたい”と思いついてまた机に向かうと。
──一旦、ドラマーではなくリスナーになってみるような感覚?
Shinya:そうそう。すぐ浮かぶので、悩むことはないです。
──京さんの歌メロの付け方はどんどん多彩になっていますが、基本的に京さんの作るメロディには乗りやすいんですか。
Shinya:そうですね。変化したとかはあんまり考えないけど、やっぱりどこかに歌謡曲のエッセンスが入っているじゃないですか。そういう部分は、僕と共通して好きなんじゃないかなと思います。合わせやすさは昔からずっとありますね。
──また少し話が逸れますが、Shinya Channelの「【sukekiyo】sukekiyoのライブに潜入してみました!」という動画によると、以前からよく行っているそうですね。sukekiyoでの京さんはどんなふうに観ているんですか?
Shinya:時々行っているんですけど、もう別のバンドの人として見てますね。DIR EN GREYじゃない人だと思って見てます。
──普段は、正面から京さんのパフォーマンスを観ることはないじゃないですか。そういう意味での新鮮さは?
Shinya:新鮮さはありますけど……完全に別のバンドの人として見ていると思います。
──ちなみに、歌詩はどのタイミングで知るんですか?
Shinya:ドラムのレコーディング前には、だいたい歌詩が乗った状態の歌が入っていますね。たぶんもう本チャンのテイクが入っていたんじゃないかな。ただ、何て歌っているかはわからないので、歌詩は発売後にブックレットで見ます。
──文字で渡されるわけじゃないと。
Shinya:歌詩を見るのは、本当にファンの子と同じタイミングです。発売後に、ひとまず1回は歌詩を読みながら聴きますけど、あんまり深くは考えないですね。あ、コーラス録りの時に、自分が歌う前後の歌詩はちょっとだけ見ます。
──今回もコーラスのワードが特徴的だなと思っていて。ライブで披露された時に何て叫んでいるか話題になった「Discard」の《座右の銘》や、「Demand」の《同情求めんな》、「盲目が故に」の《宙ぶらりん》等々……他のバンドだとコーラスはシンプルな英単語だったりすることが多いと思うので、さすがだなと。
Shinya:ああ、たしかに……。コーラスする歌詩と場所は、レコーディングの10秒前に聴かされるんですよ。一回京さんのお手本が流れてから、それを真似してやっているだけです。(京以外の)4人で並んで横並びで録ってます。
──昔のレコーディングドキュメンタリーで4人並んで録っている映像がありましたけど、それは今でもそうなんですね。
Shinya:はい。まあ、僕はライブではコーラスしないのでラクなんですけどね。
──ライブではオーディエンスのみなさんにもぜひ歌っていただきたいですね。4月からのツアーでは、今度こそお客さんがアルバムを聴き込んだ状態で来るわけですけれども、意気込みとしてはいかがでしょうか。
Shinya:僕も今まさに曲を覚えているところなんですけど、何も覚えられないんですよ、難しすぎて。自分で作った時のことを忘れてしまっているので、当時の譜面を見ながら“こんなことをやってたんや……”と。シンプルを目指していたのに、なんでこんなにややこしいんだろう?と悩んでいます。毎回そうなんですけど。
──7月18、19日にはガーデンシアター2daysが発表されて、アリーナクラスでのワンマンは久しぶりになりますね。
Shinya:ガーデンシアターは、コロナ禍のあとの復活でやって以来なので、もう5年ぶりくらいですね。大きい会場はめちゃくちゃ好きなので、すごく楽しみです。今のところ、本番までに曲を覚えられるかどうかという不安しかないので頑張ります(笑)。
取材・文◎後藤寛子
12th ALBUM『MORTAL DOWNER』
2026.04.08 RELEASE
【完全生産限定盤】
3枚組 [CD+特典CD+Blu-ray] SFCD-0291~293 ¥9,900 (tax in)
3枚組 [CD+特典CD+DVD] SFCD-0294~296 ¥8,800 (tax in)
Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Solutions Inc.
[DISC 1 : CD]
1.ISOLATION
2.灰燼に帰す
3.蜿蜒
4.Discard
5.Bloodline
6.There’s nothing else
7.歪と雨
8.The Devil In Me
9.MOBS
10.Void
11.Demand
12.楔
13.盲目が故に
14.no end
[DISC 2 : CD]
TOUR25 WHO IS THIS HELL FOR? [mode of VULGAR & Withering to death.]
2025.04.08 The Belasco – Los Angeles, CA / U.S. –
- 人間を被る [LIVE]
- DRAIN AWAY [LIVE]
- かすみ [LIVE]
- audience KILLER LOOP [LIVE]
- OBSCURE [LIVE]
- G.D.S. [LIVE]
- CHILD PREY [LIVE]
- THE IIID EMPIRE [LIVE]
2025.04.09 The Belasco – Los Angeles, CA / U.S. – - Spilled Milk [LIVE]
- THE FINAL [LIVE]
- Merciless Cult [LIVE]
- 朔-saku- [LIVE]
- C [LIVE]
- 鼓動 [LIVE]
2025.04.11 The Belasco – Los Angeles, CA / U.S. – - VINUSHKA [LIVE]
[DISC 3 : Blu-ray or DVD]
TOUR25 蜿蜒
2025.12.10 Zepp Haneda
- Behind a vacant image
- Discard
- Devote My Life
- Midwife
- 軽蔑と始まり
- 谿壑の欲
- 空谷の跫音
- 蜿蜒
- Schadenfreude
- 人間を被る
- Demand
- The Devil In Me
- T.D.F.F.
- 逆上堪能ケロイドミルク
- 腐海
- 羅刹国
- 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
- VINUSHKA
【初回生産限定盤】
2枚組 (CD+特典CD) SFCD-0297~298 ¥3,960 (tax in)
Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Solutions Inc.
[DISC 1 : CD]
1.ISOLATION
2.灰燼に帰す
3.蜿蜒
4.Discard
5.Bloodline
6.There’s nothing else
7.歪と雨
8.The Devil In Me
9.MOBS
10.Void
11.Demand
12.楔
13.盲目が故に
14.no end
[DISC 2 : CD]
TOUR25 WHO IS THIS HELL FOR? [mode of VULGAR & Withering to death.]
2025.04.08 The Belasco – Los Angeles, CA / U.S. –
- 人間を被る [LIVE]
2025.04.09 The Belasco – Los Angeles, CA / U.S. – - THE FINAL [LIVE]
- 朔-saku- [LIVE]
- C [LIVE]
- 鼓動 [LIVE]
【通常盤】
CD SFCD-0299 ¥3,300 (tax in)
Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Solutions Inc.
[DISC 1 : CD]
1.ISOLATION
2.灰燼に帰す
3.蜿蜒
4.Discard
5.Bloodline
6.There’s nothing else
7.歪と雨
8.The Devil In Me
9.MOBS
10.Void
11.Demand
12.楔
13.盲目が故に
14.no end
※収録内容、タイトル表記及び仕様等は変更になる可能性がございます。
※完全生産限定盤及び初回生産限定盤は、生産数量限定商品となります。確実にお買い求めいただくには、2026年3月5日(木)までにお取扱い店舗にてご予約くださいませ。
<DIR EN GREY TOUR26 Downer Absolutely No One>
2026/4/15(水)【神奈川県】CLUB CITTA’ -「a knot」only-
2026/4/19(日)【宮城県】SENDAI GIGS
2026/4/23(木)【神奈川県】KT Zepp Yokohama
2026/4/29(水・祝)【岡山県】倉敷市芸文館
2026/4/30(木)【福岡県】Zepp Fukuoka
2026/5/4(月・祝)【群馬県】高崎芸術劇場・スタジオシアター -「a knot」 & ONLINE only-
2026/5/5(火・祝)【群馬県】高崎芸術劇場・スタジオシアター -「a knot」LIMITED-
2026/5/9(土)【大阪府】なんばHatch
2026/5/10(日)【大阪府】なんばHatch
2026/5/12(火)【静岡県】静岡市清水文化会館マリナート・大ホール
2026/5/20(水)【東京都】Zepp Haneda
2026/5/23(土)【愛知県】名古屋COMTEC PORTBASE
[開場/開演]
平日公演 17:45/18:30
土日祝日公演 16:45/17:30
[席種/チケット料金]
4/15 神奈川公演
・「a knot」スタンディング ¥9,000(諸経費込)
5/4.5 群馬公演
・「a knot」スタンディング ¥9,000(諸経費込)
・「a knot」指定席 ¥9,000(諸経費込)
・一般スタンディング ¥9,800(諸経費込)※5/4公演のみ
4/29岡山公演・5/12 静岡公演
・VIP Ticket(1F前方指定席・オリジナル特典付き) ¥29,800(諸経費込)
・Exclusive Ticket(指定席・オリジナル特典付き) ¥19,800(諸経費込)
・一般指定席 ¥9,800(諸経費込)
上記以外の公演
・VIP Ticket(1F前方スタンディング・オリジナル特典付き) ¥29,800(諸経費込)
・Exclusive Ticket(2F指定席・オリジナル特典付き) ¥19,800(諸経費込)
・一般スタンディング ¥9,800(諸経費込)
・一般後方席(2F後方指定席) ¥9,800(諸経費込)
・各種チケットにて指定された席・エリア以外でご鑑賞いただくことはできません。
・VIP Ticket/Exclusive TicketはOFFICIAL FAN CLUB 「a knot」会員の方が先行受付にてご購入頂けますが、万が一、定数に達しない場合は会員の方に追加販売もしくは残席を一般席として販売する場合があります。
・オリジナル特典(VIP/ET共通)は公演当日、会場の指定窓口にてお渡しいたします。
・会場定員が座席の定数に達しない場合、後方の座席を「一般後方席」として販売する可能性がございます。
[総合お問合わせ]
NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00〜18:00)
チケット一般発売(先着)
[販売期間] 2026年3月14日(土)10:00~
[対象席種]
・一般スタンディング/一般指定席
・一般後方席(2F後方指定席)
<DIR EN GREY “MORTAL DOWNER”>
2026/7/18(土)【東京都】東京ガーデンシアター
2026/7/19(日)【東京都】東京ガーデンシアター







