【ライブレポート】HAPPY CREATORS、みんなの愛を越えるハッピーを届け1周年「絶対に後悔させません!」

2025.11.23 12:00

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「世界中にハッピーを届ける」をコンセプトにグループを結成し、2024年11月16日、東京・WWW Xでデビューライブ<はっぴー創造計画>を行なった7人組女性アイドルグループ・HAPPY CREATORS(通称・パピクリ)。

そこから人気をどんどん集め、今年はグループ初となる大型野外フェス<LuckyFes 2025>にも参加。初登場ながら、会場で大いに話題を集めたハピクリが、11月15日、結成1周年を祝うワンマンライブ<HAPPY CREATORS 1st Anniversary Live -はっぴー創造記念日!->を東京・大手町三井ホールで開催した。

この1年で、男性以外に同世代の女性ファンも増えてきたハピクリ。開演前からロビーにはたくさんのファンが集まり、結成から現在までの秘蔵映像集めたムービーを見たり、さらには、ファンから募集したハピクリとの思い出写真をコラージュして作成した特大フラッグの前で写真を撮ったりしている。そんなアニバーサリーならではの華やいだ雰囲気のなか、開演時間になり、ライブはいよいよ開幕。

オープニングムービーが始まると、いきなり新曲が聞えてきて、ファンが「あれ、新曲!?」と大いにざわつく。この曲をバックに、映像のなかではメンバーが1人ずつ、この1年間、ハピクリがライブをやってきた会場や思い出の地に出向き、巡っていく。そうして、散り散りになっていたメンバーが最後、全員でこの日ライブを行なう大手町三井ホールの前に集結。オールロケで撮影されたメモリアルムービーで、ハピクリのこの1年をみんなで振り返ったあとは、曲がSEに変わり、モノクロのメンバー紹介の写真に続いて、本物のメンバーが橘あや、小鈴かれん、松本せりな、夏目りこ、楠森しゅり、逢川あい、七瀬こあの順番でステージに登場。

まずは新衣装の初お披露に「おぉ~」と場内が沸き上がる。何重にもフリルを重ねたメンバーカラーの衣装にゴールドをあしらった大きなリボン、グローブ。これまで見たことがないぐらいゴージャスでキュートな衣装に身を包んだ彼女たちが、「はっぴー大作戦」を歌い出して、この日のライブはスタートした。観客たちが1曲目から“タイガー!ファイヤー!”と叫び、コールを入れてライブを盛り上げていくと、“はいどーぞ!”のあと、ハピクリは全員ジャンプ。その瞬間、スカートがふわっと広がると可愛さは倍増。そして、最後に7人がとびきりかわいい笑顔でVサインを繰り出したあとは“創造しようそうしよう”というキャッチーな歌いだしと振り付けから「きみのせいではっぴーです!」へとつなぐ。すると、ここでは客席からメンバーコールが湧き起こる。

曲ごとに聞えてくるコールも、この1年間でファンのなかで定着していったものだ。MVとメンバーを抜く生カメ、背景に重ねるイラストのタッチ、歌詞を映し出す文字のフォント、色まで、ステージ後方の映像でもファンを楽しませながら、次の「パーレイ!」へとなだれこむ。勢いよく出航したメンバーたちは、間奏で縦1列に整列。そこから一人ずつ左右に散っていくパフォーマンスも綺麗にきめてみせる。初ステージから、とにかくたくさんのライブを重ねてきた7人。その積み重ねで、アイドルとしての責任感、ハピクリとしての使命感をしっかりと背負ってまっとうしようという気持ちが強くなったのだろう。いまのハピクリは、それぞれ7人が凜とした姿で立ち、それぞれのカラーできらめいている。

このあとメンバー紹介をはさんで、橘が「オープニング映像からびっくりすることがたくさんあって、1周年を感じてもらえたんじゃないでしょうか」とファンに語り掛けると、七瀬が「こっちはステージ立つ前から感極まってましたからね」といまの気持ちを素直に伝える。そうして、曲は「じゃじゃじゃじゃーん!!」へ。

ここでは、メンバーの「飛ぶよー」というかけ声に合わせて、ファンも一緒にサビでジャンプ。会場を盛大なジャンプで揺らしたあとは「パンパン開く! パンパン開く!」の合図で手を叩いて開く振りを真似させ、「オイッ! オイッ!」という可愛らしい叫び声を響かせると、観客たちは元気よくコブシを振り上げてみせた。この曲で客席との一体感をどんどん高めていったハピクリ。しかし、「しあわせはまだなぞなのだぞ」を投入すると、曲は明るくポップでかわいいキラキラしたハピクリから、EDMサウンドに一変。笑顔を封印したクールなパフォーマンスで観客をドキッとさせ、ステージから姿を消した。

暗転した場内。ステージ後方のスクリーンには、「メンバーで1番食べるのが早いのは?」や「“しぇあはぴ”に“しぇあ”は何回出てくる?」「しゅりのサングラス芸はこれまで何回あった?」「“はっぴー大作戦の仮タイトルは?」など、ハピクリの曲やメンバーにまつわるマニアックなクイズにメンバーが回答していく映像が流れ、ファンを楽しませていく。会場の空気が和んだところで、ライブは「はっぴー7」で再開。メンバー紹介をとりこんだこの曲では、メンバーカラーに合わせて、照明も場内をその子色に染めていった。

バレンタインデーに合わせてリリースした「ばれたい..!」では、チョコの代りにラブリーなハートを飛ばす7人に向かって、ファンも手でハートマークを作ってお返しのプレゼント。バックの映像も含め、会場中に♡が広がり、甘い幸せムードがたっぷり広がっていったところに、ハピクリの新機軸、アモーレな「モーレツ!ハッピータイム」をドロップ。サンバのリズムに合わせて、トロピカルなダンスアクトとクラップで熱風にハッピーをのせ、場内に充満させていった。

「1周年、用意してきた新曲は、みなさんにエールを贈る曲です」と七瀬が会場にまじめに語り掛けたあとは、新曲「青春応援団のテーマ」を初披露。組曲のようにどんどんテンポや曲の雰囲気が変わる楽曲は、これまでになかったタイプ。“ラーララ~”をハピクリ7人が声を重ねて力強く合唱し、みんなに、そして自分たち自身にエールを贈ったあとは「しぇあはぴ」へ。ここでは、歌詞のフォントの色が歌を担当しているメンバーのカラーに合わせてどんどんチェンジ。照明、映像など、コンサート制作チーム全員が、ハッピーを届けるステージを愛を込めて作っているのがヒシヒシと伝わってきて胸が熱くなる。

だが、次の「闇×病み=yummy♡!」が始まると、その空気が変わる。茶目っ気たっぷりな表情を封印して、恋も愛もいきすぎると怖いと思わせる歌詞を、大人っぽくアクト。そして、七瀬がフロアを荒々しく煽ったあと、青春パンクロックな「WORRYDESTRUCTION」が始まると、さらにムードは一変。“オイっ!オイっ!”と腕を振り上げ、フロアのテンションを上げていくメンバーたち。そのなかで、先陣を切るように橘が豹変。ダンスも歌も超絶エモーショナルに振り切ったアクトで客席に激しく挑みかかると、七瀬もそれに合わせて力強いパンチのある歌を轟かせていく。ハピクリとは思えない激情の熱血パフォーマンスに、場内はそれに負けじと、激しく応戦。会場にはちきれそうなほどの熱気が膨れ上がったところで、メンバーは退場。

ムービーのなか、メンバーが真っ白いノートになにかを書こうとしている。そんな映像から始まった「ライムライト」がたまらなかった。ハピクリのなかでもとびきりソリッドなロックチューン。まるで、彼女たちの本音を吐き散らかしたような歌詞に続けて、“僕の全てをあげる”、“だから今だけ、この一瞬を僕にください”と訴えかけるようにメッセージを伝え、最後は7人がフロントに横一列に並んで“LaLaLa~”と全力で大熱唱。彼女たちの武器は、かわいいだけじゃない。エモーショナルに振り切ったこの日のハピクリは、見ている方が熱くなるほどカッコよかった。そのあと「ナチュラブ」で素直な気持ちをファンに伝えたあとは「Life is Olympic」へ。

ここでは生カメがモノクロになり、ファンも一緒になってシンガロング。続けて、オープニング映像のバックで聞こえていた新曲「夢のあとさき」を披露して、これからもともにいこうとメンバーとファンで誓いをたてたあとは「フレッフレッてね」へ。7人のカラーに合わせた照明が広がり、メンバーがはじけるような笑顔で場内をハッピーな空間にしていったところで本編は終了した。

ハピクリはファンも愛に満ちあふれている。それを表すように、ファンの代表が1人立ち上がり「これからもハピクリがもっと大きなグループになるよう応援よろしくお願いします」と生声で観客に挨拶を告げ、「アンコール」のかけ声を先導していくのだ。その声が大きくなったところで、再びメンバーがステージに勢揃い。ここで、映像が流れ“重大発表!”として初の写真集『はじめてのハピクリ』が12月15日に発売されること。初の旅番組「ハピクリ号でGO!」がYouTubeでスタートすること。初のメンバーソロ曲を、2026年2月4日から7週連続で配信リリースすること。さらに、2026年3月28日に<七色の光路>と題したワンマンライブを東京・ヒューリックホール東京で開催することを続けて発表すると、メンバーも観客も驚き、大興奮。

そして、このあとは一人ずつ挨拶を述べる。夏目が「7人揃って1周年を迎えられたのは、当たり前のようで当たり前ではないからとっても嬉しく思います」というと、最年少の松本は「私は最初、アイドル活動のこと、全然分からなかった」と本音を吐露。だが、楠森は「ハピクリに入ってツアー、ラジオ…新しいことに挑戦させてもらって。ハピクリは環境に恵まれてる」と分析。小鈴は「ここにいるみんなが私を、ハピクリを支えて傍にいてくれた」と感謝を述べた。

逢川はこんないまの状況を「1年前の私は想像できていなかった」と伝えた上で「ハピクリを私の生きる場所として選んで良かったねと1年前の自分にいいたいです」といいきった。そうして、橘は今年、ヒューリックホール東京のワンマンで座席を埋められなかったことを振り返り「悔しい思い出の会場です。だから次はソールドアウト。絶対叶えたい夢です」と意気込んだ。七瀬は涙を我慢しながらさらに熱く「だから、ここにいるみんながあと1人、仲間を呼んできて!」と訴えたあと「絶対に後悔させません。みんな、ついて来てくれますか?」と客席を扇動。「最後、私たちのすべてを捧げて歌いたいと思います」といい放ち、ここで再び「ライムライト」を歌唱。1番はフロントに全員が1列に並んだままで踊らず、全員が魂を込めてこの曲を歌い上げ、ライブは熱い空気に包まれたまま終了した。

最後は、この1年間のハピクリの活動をつなぎあわせたムービーとともにテロップが流れて、この日のライブをドラマチックに締め括っていった。

「世界中にハッピーを届ける」をスローガンにアイドル活動を行なってきた結果、この1年でハピクリはハピクリに関わったファンや、コンサート制作スタッフ、関係者からこんなにも献身的な愛を注いでもらえる存在になった。今後、結成2周年に向け、まずは3月のヒューリックホール東京公演ワンマン。ハピクリが本気でリベンジして、チケットを完売させ、みんなの愛を越えるハッピーを届けるので期待していて欲しい。

取材・文◎東條祥恵