【インタビュー】SIAMSOPHIA、30周年ファイナルのTOYOTA ARENA TOKYO公演直前に語る「ここで観ておかないと、この先はない」

■実際にTOYOTA ARENA TOKYOへ行って
■エネルギーという意味での氣を感じた
──SIAM SHADEのメンバー4人にとっては、想定外だったり衝撃的な演出が多かったようですね。
NATCHIN:大阪城ホール公演をやってみてなにが衝撃的だったかって、終演後にみんなで客席を練り歩いたことなんです。ステージから客席へ下りてファンの近くを歩くなんて、これまでやったことがなかったので。僕らのファンはもちろん、SOPHIAns(SOPHIAファンの呼称)だろうなっていう人たちも、自分たちに「キャー!」って言ってくれるんですよ。それが嬉しかったですね。人気者になった気がしました(一同笑)。
栄喜:SOPHIAnsのペンライトのなかで歌えたのも気持ちよかったな。ああいうのは初めてで。アイドルグループの気分が味わえました。俺ら、一度グッズでペンライトを作ったこともあるんですよ。そこそこ売れたんですけど、ライブ中は誰も使ってなかったですからね(笑)。

赤松:僕が一番ビックリしたのは、リハーサルのときに淳士くんのドラムを見せてもらったら、サーキュレーターが両足の真ん中に設置されていたことですね。だいたいの人は右か左に寄せたところに配置するんですけど、“ド真ん中か!?”って。小さなことですけど、それにビックリしました。
栄喜:それはね、自分の匂いを嗅ぎたいんだよ(一同爆笑)。
NATCHIN:たぶん、そこに配置すると髪の毛に風が当たって、一番綺麗になびくから(笑)。
松岡:淳士はT.M.Revolutionのサポートを長年やってるから、風の当たり方に敏感。
──ははは。説得力ありますね。それにしても、大阪城ホールを経て、両バンドの仲も一層深まったんじゃないですか?
豊田:SIAM SHADEのメンバー4人はほとんど俺らの楽屋にいましたから。お互いひっきりなしにしゃべってたんですよ。もうほとんど全員が同じバンドメンバーというか、ずっと一緒に同じ時間を過ごしてきたかのようなノリで。そういうのは普段の自分たちだけのライブではないから。

──その雰囲気のよさはステージ上からも伝わりました。
豊田:そう。そのノリのままステージに出ていって、パッと横を見たらみんなの姿があって、全員でプレイしてる。同じステージに立って、お互いの30周年を祝えるって、なかなかないから、そりゃ感動しますよね。仲のいい感じがファンにもちゃんと伝わってたと思うし、何よりも客席がいい表情をしてたことが嬉しかったですね。
都:僕はね、メンバーシャッフルのステージで唯一、両方のメンバーだったんですよ。
──SOPHI SHADEとSIAM SOPHIA、両バンドでキーボードを担当されてました。
都:そうなんです。SIAM SHADEの曲をどういう風にしようかなっていうのは、いろいろ考えてたんです。結果、当日それがうまくハマった。そう思いながら弾けたので演ってて楽しかったです。
NATCHIN:やっぱり同期音源を流すのとはわけが違う。「グレイシャルLOVE」の最後とか、すごくよかったよね。
栄喜:そうそう。俺たちのはちょっと安っぽい(笑)。
都:いやいやいや。でもね、メンバーからそう言ってもらえてよかった。嬉しいです。

──松岡さんはここまでみなさんのお話を聞いていかがですか?
松岡:先ほどお話したように、大阪城ホールは計算も何もなかったわけですよ。
──出たとこ勝負というか。
松岡:リアルなドキュメンタリーだったから。なんでそれがうまくいったのか、それはみんなが楽しいと思ってステージに立ってくれたから。ガレッジセールのゴリさん、川ちゃんも含めてね。エンタメってリアリティーだと思うんです。あの日は、僕ら自身が驚いたり、楽しんだり、新鮮に感じていたから。気がついたら、メンバーシャッフルのバンドから栄喜がステージを走っていったりとか。そういうことが満載で、そのすべてがうまくいって、客席の笑顔につながったんだと思いますね。
──では、10月13日に新たなアリーナ会場TOYOTA ARENA TOKYOで開催されるライブ<2025 SIAMSOPHIA FINAL>についてお聞きしたいと思います。 “FINAL”と名付けられたライブを東京でやろうと思ったのは?
松岡:まず経緯から話しますと、やっぱりSIAMSOPHIAを東京でもやりたいよねって話を全員としていたんです。SIAM SHADEは関東のバンドなので、活動の主軸は東京だった。SOPHIAはどちらかというと関西だし、大阪のイメージがあるので、大阪城ホールでやったんです。さっきNATCHINが言ってましたけど、初めて大阪城ホールで演れるというのは、SIAMSOPHIAとして活動するひとつのきっかけになったと思うし、実際楽しかったんです。でもやっぱり、「自分たちのホームグラウンドで、今の姿、今の音を聴かせたいという気持ちがある」っていう話を僕は聞いてて。

──そこで、大阪だけでなく東京でもやろうと。
松岡:そう。それとは別に、SOPHIAはSOPHIAで、30周年の締めくくりとして普通にライブをやろうと考えていたんです。日本武道館をはじめ、相応しい会場をずっと探していて、そこでTOYOTA ARENA TOKYOの話が出てきまして。ちょうどいい時期にやれたらいいなっていう話をしているときに、僕の頭の中で、別々に考えていた二つの話が一緒になったんですよね。
──30周年の締めくくりに、SIAM SHADEのホームでSIAMSOPHIAをやるという。
松岡:SIAM SHADEのメンバー4人がやるって言ってくれたら、SIAM SHADEのホームでSIAMSOPHIAのファイナルも、30周年の締めくくりも一緒にできるじゃないかと。それで、発表直前にSIAM SHADEメンバーの4人に確認したんです。そうしたら、全員一致で「やりたい」ということだったので、「じゃあ一緒にやろう」って決まったのが、<2025 SIAMSOPHIA FINAL>ですね。
──そうだったんですね。
松岡:メンバー各々で、いろいろ考えてることがすでにあるかもしれないですけど、僕はまったく考えてない。今日こうしてみんなと一緒に集まって、ここから始めるっていう感じ。ここまでは大阪城ホールのSIAMSOPHIAのためにずっと動いてたんですけど、今後はTOYOTA ARENA TOKYOのために連絡を取り合って、考えていきたいと思います。さっき栄喜と一緒に、実際にTOYOTA ARENA TOKYOへ行ってきたら、すごくテンションが上がったので。

栄喜:めっちゃいい会場ですよ。NBA(アメリカとカナダを拠点とするプロバスケットボールリーグ)の試合会場みたいな感じ。客席にはランジェリーじゃなくて…ラウンジがあって(一同爆笑)、選手の家族が試合を見るようなゲストルームとかバーもあって。だから、ランジェリーじゃなくてラグジュアリー(笑)。よかったよね、松ちゃん。
松岡:大阪城ホールとは違って、会場の作りが縦に深い。
栄喜:音はどうかはまだ分かんないけどね。
松岡:エネルギーという意味での氣を感じたな。初めて入ったとき、氣がよかった。
栄喜:そうそうそう! 俺、そういうのは匂いで分かるから。あの会場を見たら、公演のイメージが湧いたな。
──大阪城ホール公演のようなエンタテインメントなステージになりそうですか?
松岡:オーケストラは入らないですし、ゲストはいない。今は、このメンバーでストレートにやりきりたいっていう感じではあります。
──では、メンバーシャッフルによるステージは?
松岡:あれはやりたいですよね。僕らしかできないことだから。

──栄喜さんは会場を見て、なにか思いついたことはありましたか?
栄喜:僕、NBAの中継をよく見てるんですけど、TOYOTA ARENA TOKYOは“THE NBA”な印象でしたね。“ヤベー、日本にもこんなのができちゃうんだ!?”って、まず思ったから。なので、ここで何をやりたいかと言えば、それはもちろんバスケをやりたいです(一同爆笑)。
──ははは。実際、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム“アルバルク東京”のホームアリーナになるそうですし。
栄喜:そうなんですよね。でも僕らはライブだから。
赤松:そりゃそうだ(笑)。

栄喜:松ちゃんは「今は何も考えてない」とか言ってますけど、またライブ直前に指令がくると思うんですよ(笑)。俺がテンパってパツンパツンの時期に「ここはこうで、あそこはああで」って。でもね、松ちゃんがすごいのは、前回のメンバーシャッフルのステージも、松ちゃんは主演ミュージカルのリハが入ってたし、演奏曲の決定から本番まで日にちもそんなになかったのに、一生懸命SIAM SHADEの曲を聴いて覚えて、本番のステージ上では歌詞を一切見ないで歌ったんですよ。マジでそこはすげーと思いましたね。俺なんか、“間違えたらどうしよう”って怖くて、歌詞を見ないとSOPHIAの曲を歌えなかったですから。今回は俺も、歌詞を見ないで歌います。
──大阪城ホール公演とは選曲も変えて?
都:メンバーシャッフルのバンドは、前回とは違う曲も弾きたいですね。SIAM SHADEの曲を演奏するのも楽しいので。







