【速レポ】<中津川 WILD WOOD 2025>JUN SKY WALKER(S)、「最後までハッピーでいようぜ!」

「2025年も今日のこの気持ちを胸に、最後までハッピーでいようぜ!」──宮田和弥(Vo)
そんな言葉で締めくくられたJUN SKY WALKER(S)(以下、ジュンスカ)のライブは、短い時間にバンドとファンとの絆をギュッと凝縮したような、胸が熱くなるものだった。
雨が上がり晴天となった午後のWONDER WALLは大勢の人がライブの開始を待っていた。1980年に結成以来、今年で45周年を迎える宮田和弥、森純太(G)、小林雅之(Dr)の3人。全国を回るアニバーサリーツアーのみならず、対バンシリーズ<狼煙上がる時>の実施、そして来年2026年の全国ツアーで既に9月までスケジュールが入っているなど、驚くほどに精力的に活動している。


森、小林がサポートメンバー市川勝也(Ba)と共に登場すると、森が勢いよく「1、2、3、4!」とカウントしてかき鳴らしたギターから、「MY GENERATION」の演奏が始まった。サングラス姿の宮田が袖から勢いよく飛び出してくると、大歓声で迎えるオーディエンスたち。WONDER WALLはステージ前までギッシリ人だらけで、ライブハウスさながらの密度だ。ステージ前に身を乗り出して歌う宮田と共に歌う人たちの大きな声が、周囲に伝わりさらに人が集まってきた。続いて始まった代表曲の1つ「歩いていこう」では、サビのコーラス「oh oh oh~」でますます結束を高めるバンドとファンたち。「まだまだいくぞ~!」と叫んで、疾走感溢れる「JACK&BETTY」へと進む。宮田は上着を脱いでTシャツ姿になり、「後ろ~!」「中津川~!」と煽りながら歌い、小林の重たいドラム、森のソリッドなギター、市川のベースが音の塊になってオーディエンスを牽引する。じつは本番前のサウンドチェックで「じゃあ、リハーサルいくか!」と、「Let’s Go ヒバリヒルズ」が飛び出したことで、ライブ開始と共に既に一体感が出来上がっていたのだが、本番開始となるとさらに盛り上がるのだから、バンドもファンもエネルギッシュにもほどがある。


「俺たちが、天気と蝉の声を連れて来たぜ!ただね、晴れ過ぎるとお互いバテるじゃない?だからこの後若干、雲をご用意しています。なので、もう少し涼しくなると思うんだよね。そうしないと、クロマニヨンズまでもたないからさ。俺も楽しみにしてるんだよ」と、ユーモアたっぷりな宮田に笑いと拍手が沸き起こる。今年8月に対バンライブが実現したザ・クロマニヨンズも、この日出演するのだ。
どっしりとしたロックサウンドとミディアムテンポで聴かせた「風見鶏」で宮田がハープを披露して喝采を浴びる。MCでは今年バンドが45周年を迎えたこと、森と小林が今年還暦を迎え、来年は宮田が還暦を迎えることを告げると、祝福の拍手が贈られた。来年には、45周年ツアーで中津川のライブハウスに出演することも決まっているそうだ。

「初期のナンバーで、みなさん大好きな曲だと思うので、歌える人は一緒に歌ってください!」と曲名を告げるとファンから「おおっ」と声が上がった「明日が来なくても」から、新曲「レジスト」へ。新旧楽曲を織り交ぜたセットリストは、コアなファンにとっても新鮮なもの。「レジスト」ではヘヴィなリズムで歌うメッセージを受け止めたオーディエンスが腕を振り声を合わせる。
新曲への反応に手ごたえを感じた様子の宮田だが、「ここからは知ってる曲しかやりません!」と、不特定多数の音楽ファンを前にしたサービス精神たっぷりのMCから「いくぜ、中津川ー!」と叫んで「START」が始まったとたん、「うおぉ!」とオーディエンスからドッと歓声が上がり、手拍子しながらサビの大合唱となった。キース・リチャーズばりにギターを低く構えた森は、ステージ前に出て味わい深いソロプレイ。この曲には直線的なイメージを持っていたが、意外とルーズなグルーヴが感じられたのは、45周年というキャリアが醸し出す色気だろうか?大きなサウンドで包み込むように歌われた「悲しすぎる夜」の間奏で、宮田がステージ端まで足を運び、両手を上げてファンの声援に応えるなど、ファンへの感謝と愛情が随所で感じられた。
「今日も明日も、曇っても晴れても、星は向こうにあります。一緒に歌える人は歌ってください!中津川の夜空に贈ります!」と始まったラストナンバーは、「すてきな夜空」。冒頭のスローパートで歌詞を伝えながら合唱を求めて、曲が走りだすと、この日一番の爆発的な盛りあがりとなった。間奏でメンバーを紹介、さらに森のソロ、小林がフィルをいれるタイミングで、それぞれの名を呼ぶ宮田。観客とは「こんなすてきな夜空に」「夜空に」とコール&レスポンスして、ステージとお客さんがすべて1つになったような連帯感は感動的ですらあった。

取材・文◎岡本貴之
撮影◎TAWARA (magNese)
■セットリスト
1. MY GENERATION
2. 歩いていこう
3. JACK&BETTY
4. 風見鶏
5. 明日が来なくても
6. レジスト
7. START
8. 悲しすぎる夜
9. すてきな夜空
■<中津川 WILD WOOD 2025>
9月20日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月21日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 / 21:00終演予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
【Day1:9/20(土)出演者】※A-Z順
ザ・クロマニヨンズ、Def Tech、04 Limited Sazabys、Hedigan’s、HEY-SMITH、一青窈、jo0ji、JUN SKY WALKER(S)、神はサイコロを振らない、KREVA、日食なつこ、Nothing’s Carved In Stone、奥田民生、レキシ、サバシスター、SiM、土岐麻子、東京スカパラダイスオーケストラ、ヤングスキニー、レトロマイガール!!(Opening Act)
【Star Guitar】DJ 西寺郷太(NONA REEVES)、須永辰緒(sunaga t experience)
【Day2:9/21(日)出演者】※A-Z順
ACIDMAN、The BONEZ、Chilli Beans.、Dragon Ash、GLIM SPANKY、go!go!vanillas、iri、木村カエラ、Omoinotake、Original Love、Penthouse、Rei、レトロリロン、スガ シカオ with FUYU、水曜日のカンパネラ、打首獄門同好会、w.o.d.、吉澤嘉代子、Khaki (Opening Act)
関連リンク
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