雑誌「DigiFi 第10号」、びっくり反則級のヘッドフォンアンプが付録

ポスト

「雑誌の付録なんですが、とってもいい音がするんですよ。試してみませんか?」

◆「DigiFi 第10号」USB DAC搭載デジタルヘッドフォンアンプ画像

…という嬉しい一報が飛び込んできた。2013年5月28日に発刊されるPCオーディオ専門雑誌「DigiFi 第10号」に付いてくる付録で、「いい音でPCオーディオが楽しめるUSB DAC搭載デジタルヘッドフォンアンプが付いてきます」というものだ。

これまで書き連ねてきたヘッドホン/イヤホンのレビュー記事の中でもたびたび触れてきたことだが、もはや音楽はスマホあるいはPCの中に蓄積される時代になった。LP時代はターンテーブル、CD時代はCDプレイヤーが音楽再生機器だったが、今はスマホかPCが音楽プレイヤーとなっている。そしてどちらもイヤホンやヘッドホンを突っ込んで聴くというスタイルだ。

ただ、ここで実は大きな問題がある。PCはあくまでパソコンとしての機能がメインであって、音楽再生能力などには注力されていないという厳しい現実だ。

過当な価格競争の中で、PCにおいては動作が速い/画面がきれい/丈夫/サポート万全…といったアピールポイントは華麗に磨かれ、裏に隠れた“ついでの機能”などには徹底したコストダウンが図られる。ぶっちゃけ、音なんか出ればいいやん…というのが正直なところで、私見で言えば、ノートPCのヘッドホンアウトのサウンドは年を追うごとに音質が悲しいほど劣化している。手元にある同メーカー同シリーズの3年前と1年前に購入したノートPC2台を比べても、チップ速度や画面解像度、ディスク容量などあらゆる点で機能は向上しており、その上で価格は安くなっているといういいことずくめの一方で、ヘッドホンアウトからの音質だけは明らかに以前より劣化していることが分かる。

もちろん音質にこだわったAV機能充実のモデルもあるわけだが、PCの中はノイズの巣窟でもあり、いい音を追及するにも限界があるというのが偽らざる事実だったりもする。PCは“音楽データの管理・収納には最適のツール”だが、“再生するには様々な問題を抱えたやっかいもの”だったのだ。

ということで、元来のオーディオマニアや音にこだわりや追求を見せるオーディエンスは、PCで音楽を再生することをやめ、とっとと音楽データを外に引っ張り出して、外部に音楽再生環境を作り始めた。これがいわゆる高品質「PCオーディオ」といわれる世界だ。

で、話は戻って付録の「USB DAC搭載デジタルヘッドフォンアンプ」…これは、まさしく高品質「PCオーディオ」を実践するための、最もシンプルな一体型機器なのだ。使い方は説明も不要なほど簡単。PCのUSB端子にケーブルでつなげて、イヤホン/ヘッドホンを突っ込めばいきなり高品質な音が出る、というもの。再生はPC内のソフトのままだ。そう、iTunesでもいいし、foobar2000のようなプレイヤーでも構わない。YouTubeでもニコ動でも、PCで再生している音が全てここから高品質に出力されるのだ。

雑誌「DigiFi 第10号」(2013年5月28日発売)に付属されるこの「USB DAC搭載デジタルヘッドフォンアンプ」は、ご覧のとおり素っ裸のまま簡易的な梱包に包まれてお手元に届けられる。基板むき出しという通常ではありえない状態で完成品となっているわけだが、もちろんこのままでもきちんと動作し、実用に問題はない。

なお、基板むき出しのルックスに萌えるのは一部のアブナイお兄さんだけなので、多くの人は、こいつを何かケースか何かに収めなくちゃと思いめぐらすことだろう。埃から守りたいし、使い勝手も良くしたいし…と工作心もくすぐられるところだ。基板四隅にはネジ穴が開いており、4ヵ所で固定することができるので、あとはアイディア次第。「DigiFi 第10号」本誌でもケース制作やドレスアップ術に触れるようなので、それを参考に構想に耽るのも一興だ。

さて、実際のサウンドだが、どれくらい音が良くなるかは、今使っているPCのヘッドホンアウトがどれだけダサいかにもよるところだけど、少なくとも私の環境では、聞き比べるまでもなく一聴で「!」と目ん玉ひん剥く品質の違いを見せつける。もうね、PCのヘッドホンアウトには二度と戻れない。というか、雑誌の付録で、こんな品質のサウンドを提供してしまっていいのだろうか。確かに基板のみの出来上がりで、ケースもなく製品としてのお膳立ては全くないので、世の商品群とは比べるべくもないのだけれど、サウンドだけを純粋に評価すれば、数多のポータブルヘッドホンアンプが持つUSB DAC機能をあっさり凌駕する側面もある。なんかね、こんな基板だけのくせに、非常に実像感のあるエネルギッシュな音が楽しく、非常にパワフルなサウンドに聞こえるわけです。私、当初は適当な箱を見繕って痛々しいルックスにしてやろうとか思っていたんですが、むしろ仰々しいほど重たいどでかい金属筐体の中に収めたほうが気分がよさそうだ。20~30cm位の無駄に立派な筐体を探そう。ヘッドフォンスタンドを兼ねちゃうような家具調でもいいなぁ…。

▲こんな感じでPCのUSB端子にケーブルでつなぐだけ。後はお好きなイヤホン/ヘッドホンをジャックに挿せば、難しさ皆無で高品位なサウンドが簡単に楽しめる。右のPCは普段仕事で使用しているもの、左のヘッドホンはマイ・フェイバリットのひとつ、GRADO PS1000。
ドレスアップに無駄な金がかかりそうな嫌な予感がするけれど(笑)、本当に雑誌「DigiFi 第10号」が¥3,300で発売されるとあれば、もはや反則とも言うべきエポックなもの。オーディオなんか興味なくても音楽が好きであれば、雑誌「DigiFi 第10号」だけは購入をお薦めしたい。これは手に入れておいた方がいいと思うなあ。マジで。ただし、即完必至なので予約する必要がありそう。…ていうか、壊れたらヤだから2冊買っておきたいなぁ…。

text by BARKS編集長 烏丸

雑誌「DigiFi 第10号」
5月28日発売予定
¥3,300(税込、本体¥3,143)
特別付録:USB DAC 搭載デジタルヘッドフォンアンプ
Specifications
・入力:USB 端子(TypeB)
・出力:3.5φ ステレオミニヘッドフォン端子、RCAピン端子
・ヘッドフォン出力:13mW×2(300Ω)
・ライン出力:RCA 2Vrms(MAX時)
・音声フォーマット:リニアPCM(16bit/48kHz)
・USB接続環境:Mac OS 9.1/10.1 以降、Windows XP/Vista/7/8
・電源:USBバスパワー(5V/2.5W)
・音量調整機構:パソコン側ボリュームを外部制御
・寸法/質量:W64×H38×D94mm/59g(支柱、ビス含む)
・ヘッドフォン端子 / 音量ボタン側
※写真のUSBケーブルやパソコンは付属しません。また写真は試作品のため、実際の付録とは仕様が異なる場合があります。
※お求めは全国の書店店頭、(株)ステレオサウンド販売部へ電話もしくはFAXにて直接申し込み。お届けは5月下旬を予定。
※(株)ステレオサウンド・ホームページからの申し込みもOK。クレジットカード決済、コンビニ払い、ペイパル、代引き可。
[問](株)ステレオサウンド販売部(東京都港区元麻布3-8-4)
電話:03(5412)7887 FAX:03(5412)7897

◆ステレオサウンド・オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報