【連載】Vinyl Forest vol.4 ── Discreet Unit「Shake Your Body Down(PN09)」
今回、私Blue Eclairが紹介したいのは、David James Wolstencroft aka Trus'meが主催するPrime Numbersからの新作だ。Prime NumbersといえばもちろんTrus'meが看板アーティストだが、時折リミックスに参加するアーティストが見逃せないのだ。
◆Discreet Unit「Shake Your Body Down(PN09)」 画像
みなさんはDiscreet Unitというアーティストをご存知だろうか。Trus'meと親交の深いLinkwoodやFudge Fingasはすでに単体でのリリースが済んでいるので、ある程度の認知度はあると思われるが、Discreet Unitについては今まで謎の存在であった。彼自身については後述するので、まずは彼の楽曲的な特徴からご紹介していこう。
Discreet Unitといえば、Prime Numbersシリーズでリリースされている「Written In Our Nature(Prime Numbers 03)」や「Unit(Prime Numbers 05)」が代表的な楽曲だろう。彼はFudge Fingasと同様にデトロイト、特にTheo Parrishからの影響を強く受けるアーティストだ。そしてFudge Fingasよりもよりデトロイト色が強い。
今回の「Shake Your Body Down」は、Odysseyの「Use It Up.....Wear It Out」から<Shake Your Body Down>というフレーズをサンプリングし、ダビーでパーカッシブなトラックに仕上がっている。フロア映えするディープ・ハウストラックで、さながら初期のシカゴハウスのような雰囲気を感じ取れる。彼はヴォイス・フレーズを多くサンプリングし、楽曲内に散りばめる点が特徴だろう。
続いてB面の「Twilight」は、いきなり爆発音のSEでスタート。こちらもA面同様に初期のシカゴハウスのような雰囲気で、よりファンキーでよりドープなトラックに仕上がっている。ファットなベースラインに様々なサンプリング音やヴォイスループが絡み、デュスコフィーリングとアシッド感が強く出ている。
この盤はテクノ、ディスコ、シカゴハウスリスナーなどに幅広くおすすめできるトラックではないだろうか。
さて、Discreet Unit、あまり知られていないのだが、実はLinkwoodの兄である。LinkwoodはLinkwood Familyというユニットでも活動していて、その中で兄のDiscreet Unitも参加している。影響を受けた楽曲は兄弟で似ていると思うが、リリースされる楽曲がそれぞれ違うテイストになるのも面白い。今後もこの兄弟の活躍に注目したい。個人的には、Prime NumbersとLinkwood Familyで来日して欲しいものだ。9月下旬にはリリースされる予定となっている。
最後に豆情報だが、今回のジャケットはDiscreet Unit自身がデザインしたそうだ。
text by Blue Eclair
◆Blue Eclairs Room
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、それでも年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「私たちは、レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為そのものが、レーベルが充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
◆Discreet Unit「Shake Your Body Down(PN09)」 画像
みなさんはDiscreet Unitというアーティストをご存知だろうか。Trus'meと親交の深いLinkwoodやFudge Fingasはすでに単体でのリリースが済んでいるので、ある程度の認知度はあると思われるが、Discreet Unitについては今まで謎の存在であった。彼自身については後述するので、まずは彼の楽曲的な特徴からご紹介していこう。
Discreet Unitといえば、Prime Numbersシリーズでリリースされている「Written In Our Nature(Prime Numbers 03)」や「Unit(Prime Numbers 05)」が代表的な楽曲だろう。彼はFudge Fingasと同様にデトロイト、特にTheo Parrishからの影響を強く受けるアーティストだ。そしてFudge Fingasよりもよりデトロイト色が強い。
今回の「Shake Your Body Down」は、Odysseyの「Use It Up.....Wear It Out」から<Shake Your Body Down>というフレーズをサンプリングし、ダビーでパーカッシブなトラックに仕上がっている。フロア映えするディープ・ハウストラックで、さながら初期のシカゴハウスのような雰囲気を感じ取れる。彼はヴォイス・フレーズを多くサンプリングし、楽曲内に散りばめる点が特徴だろう。
続いてB面の「Twilight」は、いきなり爆発音のSEでスタート。こちらもA面同様に初期のシカゴハウスのような雰囲気で、よりファンキーでよりドープなトラックに仕上がっている。ファットなベースラインに様々なサンプリング音やヴォイスループが絡み、デュスコフィーリングとアシッド感が強く出ている。
この盤はテクノ、ディスコ、シカゴハウスリスナーなどに幅広くおすすめできるトラックではないだろうか。
さて、Discreet Unit、あまり知られていないのだが、実はLinkwoodの兄である。LinkwoodはLinkwood Familyというユニットでも活動していて、その中で兄のDiscreet Unitも参加している。影響を受けた楽曲は兄弟で似ていると思うが、リリースされる楽曲がそれぞれ違うテイストになるのも面白い。今後もこの兄弟の活躍に注目したい。個人的には、Prime NumbersとLinkwood Familyで来日して欲しいものだ。9月下旬にはリリースされる予定となっている。
最後に豆情報だが、今回のジャケットはDiscreet Unit自身がデザインしたそうだ。
text by Blue Eclair
◆Blue Eclairs Room
──【連載】「Vinyl Forest」とは
筆者の私達は音楽好きなのは言うまでもないのだが、それでも年齢を重ねるにつれ不感症になりつつある。原因はハッキリしていて、テクノロジーの進化によって低価格、高品質な制作環境が容易に手に入る昨今にもかかわらず、楽曲のクオリティが退化の一途を辿っているからだ。低コストで在庫を抱えずに済むからレーベルは多くのリリースができる反面、現場ではとても使えないトラックも非常に多い。
そこで、データ音楽販売が主流となった昨今のダンスミュージック界隈の懐事情を鑑みて、
「私たちは、レーベル側が在庫リスクを背負い、インディながらも頑なにVinylをリリースするという行為そのものが、レーベルが充分な楽曲クオリティを保証しているのではないのか?」
という持論(フィルタリング)で巡り会えた珠玉の刺激物と、今では考えられない予算を投じてリリースされた名盤をご紹介していく。
text by Dee-S&Blue Eclair
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