“帝王”オジー・オズボーンの語る家族愛とは? Part2

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“帝王”オジー・オズボーンの語る家族愛とは?

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「この国では、結婚なんか軽く扱われているのさ。“ああ退屈だ、今週結婚しよう”みたいな」

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──これほど長く(音楽キャリアが)続いたのはなぜだと思いますか?

OZZY:さあね。今朝も電話インタヴューで誰かに「この業界で長生きできた理由は何ですか?」と聞かれたが、俺にもわからないよ。というより、人生の計画を立てることなんかできやしなかったんだ。どう考えても、本当ならとっくに死んでるはずだからさ! 自分の身体をさんざん痛めつけてきたわけだから…ドラッグ、酒、過去30年間の俺のライフ・スタイルを考えるとさ。いまや珍しいハエが俺の上を飛んで肩にとまっただけでポックリだ。だが、俺のライフストーリーはすべて実話だよ。

──ご自分の生活がこんな風に展開するとは、予測したことがありますか?

OZZY:いまだにピンとこないね。「来年はこれをやろう、こんなことを起こしてやろう」というような人間じゃないからさ。俺はとてもラッキーな男だ。楽器すら弾かない。歌って観客を楽しませるだけだ。自分のことを偉大なシンガーだなんて思っちゃいないよ。ただ、観客と心を通じ合わせる術は知っている。アーティストがいて、空間があってオーディエンスがいる。けど、俺はオーディエンス側にいるのが好きなんだ。1時間半の間、俺が彼らになり、彼らに俺になってほしいのさ。俺は反キリスト教で、子供たちの自殺願望を煽っていると批判されているが、そんなのは全くのデタラメだ。俺が意図しているのはそんなことじゃない。世間では毎年ハロウィンをやってるけど、俺も毎晩ステージでハロウィン祭りをやっているだけさ。いわば、毎晩がハロウィンパーティみたいなもの。もしハロウィンの日がパーティ禁止だったら、留置場が満員になっちまうだろ? その夜は誰だって悪魔みたいになるわけだからさ!

──中にはあなたが悪魔的だと本当に思っている人たちがいると……

OZZY:“外見で中身を判断するな”という格言がある。俺がこの言葉を口にしたのは、俺ですらOzzyのことはよくわからないからだ。俺は毎朝違う人間に生まれ変わってるのさ。だが、もし世間がOzzy幻想なるものを持っているとしたら、俺は一体何者だって言えばいい? つまり、もし俺が軒下に逆さまにぶら下がって眠り、夜な夜な飛びまわっては人々の首を噛んでいると思われていたとしても、俺自身にはどうしようもないんだよ。でも、これだけは言える。俺はいつだって、皆に俺のコンサートに来て大いに楽しんでほしかっただけさ。自分を傷つけてほしいなんて全く、これっぽっちも思っちゃいないよ。人が信じようが信じまいが、俺の中にあるのは善意だけだ。ある日突然キリスト教フリークになるつもりはないが、俺だって信仰心は持っているし、それは断じて悪魔的なものじゃない。

──コンサートと言えば、毎年恒例のOzzfestツアーのアイデアはどこから来たんですか?

OZZY:Ozzfestのそもそものきっかけは、10年前、音楽業界にいる友人が俺に向かって――イギリスでテレビやラジオをやってる奴なんだが――「神はお前に生き延びてもらいたがっている。いつかお前の演出でロックンロールサーカスをやってる姿が俺には見えるよ」と言ったことに始まる。で、'96年に突然女房に「あなたは何をやりたいの?」と聞かれて、「上手く行くかどうかわからないけど、Jonathan King(前述の友人)が言ってたことをやりたいんだ。2時間半、俺の頭は耐えられるだろうか?」と応えたのさ。彼女はこう言った。「やってみましょうよ!」 その年は4回Ozzfestをやった。すぐにソールド・アウトだったよ。'97年、Sharonは俺にまたやりたいかと聞き、さらに22回ショウをやることになった。そして、あっと言う間に噂が広まり、興行収入第2位のツアーにまで成長した。だが、俺たちはバカじゃない。この状態が永遠に続くのが当たり前だなんて思っちゃいないよ。最終的にはいつか消滅するだろう。そうしたらまた次に進むだけさ。そういったことのすべてがエキサイティングなんだ。普段は曲を書いて、レコーディングして、ツアーをやって、また曲を書いて、レコーディングして、ツアーの繰り返しだ。だが、たまにはレールを外れて、違ったアプローチで何かをする必要がある。そうだろう?

──しばらく前にツアー活動から退かれたのではなかったでしたっけ?

OZZY:知ってると思うが、俺は虫の居所の悪い日につかまると、「くそったれ、俺に近寄るな」と言ってしまう人間だ。我を忘れてしまう。俺はSharonに、「ずいぶん長い間この仕事を続けてきたが、自分のハードワークが報われたことは一度もない。もう辞めたいよ」と言ったんだ。彼女がOKと言ったんで、『No More Tears』をレコーディングし、引退ツアーを行なうと発表した。『No More Tears』ツアーは大きな成功を収め、俺は引退して家に戻った。そうしたら突然気がついたのさ。「で、どうするんだ?」と。俺が悟ったことの1つは、リタイアするには何か他にすることが必要だ、ということだ。俺の場合、“何年も嫌い続けた仕事を辞めるのが待ち遠しくてしょうがない”って感じではなかった。『No More Tears』ツアーが終わって家に帰ったわけだが、俺には自分が退屈したときにいつもやることがあった。起き上がって冷蔵庫を開け、閉めて座り、また立ち上がって冷蔵庫を開ける……で、Sharonに「何やってるの?」と聞かれたのさ。俺は「退屈なんだよ」と答えた。すると彼女は「あんなにリタイアするって私を困らせたくせに! ちゃんとリタイアできないんだったらまた復帰してちょうだい!」と。どうやら俺は、ツアーに出ている時は家に戻りたくて、家にいるとツアーに出たくなる人間らしい。だから、いつもフェンスを飛び越えてばかりいるのさ。引退するには、ほかにやることがないとね。毎日座って窓の外を見るだけだったら死んじまうよ。

──奥様のSharonがマネージャーであることで、軋轢が生じたりしませんか?

OZZY:結婚している男なら誰だってワイフがビジネス・アドバイザーだよ。典型的な例がある。この間、トラックが俺の家に運ばれてきたんだ。「何だこれは?」と思っていたら、女房が走って来て「車買ってくれてありがとね!」と言う。俺が「車なんか買ってないが」と答えたら、「買ったのは私だけど、きっとダメとは言わないだろうと思って」と。「俺は車を持たなくていいのか?」と言うと、「私のBMWを修理に出してあるから、戻ってきたらそれをあげるわ」と言いやがるのさ。「この家のロックスターは一体誰だよ???」。けど、俺は俺で楽しんだ時代があった――グルーピーや一晩だけの相手とね。だが、Sharonは俺の生涯の伴侶だ。彼女は素晴らしいよ。例えば今日、寝坊した俺は彼女に電話して、「このインタヴューには何を着たらいいかな?」と聞いたんだ。彼女は「何を着るべきかって私に聞いてるの?」と言ってたよ。でも、もしそこで電話しなかったら、おそらく「そんなもの着て行くつもり?」と言われただろう。電話しても噛みつかれるし、しなくても噛みつかれるのさ。自分が何を着るべきか聞くとは何てバカな奴だ、なんて思わないでくれよ! Ozzyの宣伝と経理的な部分に関するジャッジは、俺は完全に、無条件に女房を信頼しているのさ。間違っている時もあるが、大抵は彼女が正しい判断をしてくれる。

──あなたはとても幸せな――非常に変わっているかもしれませんが――結婚生活を送っているようですね。

OZZY:子供たちは俺たちにとって本当に大切だと思っている。それから犬も大好きで、10匹ほど飼っているよ。前に別の女と結婚していたこともあるが、酒とドラッグのやり過ぎでダメにしちまったんだ。一番とばっちりを受けるのは子供たちさ。物言わぬ犠牲者だ。何故パパがもう家に帰ってこないのか、理解できない。こういったことは常に子供に影響を及ぼすんだ。アメリカは、例えば君が誰かと結婚して、俺たち夫婦と一緒にメシを食いに行ったら、どっちも離婚しちまう、そんな国だ。それで俺が君のワイフと結婚し、君が俺のワイフと結婚する……だったら一晩だけ取り替えればいいじゃないか。自分の女房と友人関係でいたいと思ったら、離婚なんかしかっただろう。この国では、結婚なんか軽く扱われているのさ。「ああ退屈だ、今週結婚しよう」みたいな。俺は結婚した時、それがどんなものなのかまるでわかってなかった。最初の結婚をめちゃくちゃにすることに関しちゃ、俺はいい仕事をしたと思ってるよ。2度目の結婚もあやうくダメにしかけた。だが、結婚という契約は長い人生の中でも最も重い契約の1つだ。で、そこに子供が関わるとなれば、自動的に彼らが最優先されるのさ。

By Dave DiMartino (C)LAUNCH.com

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