【音楽と映画の密接な関係 2001 秋!】『ロック・ユー!』

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舞台は14世紀ヨーロッパだけど、人々はQueenの「We Will Rock You」のリズムに乗り、
D. Bowieの「Golden Years」で踊る!


男の戦いがあり、恋があり、親子愛がある。時代背景は関係なしに、存分楽しめる娯楽映画!

ROCK YOU![ロック・ユー!]
(2000年アメリカ)

▲舞台は14世紀ヨーロッパ。主人公ウィリアム(ヒース・レジャー)は、仲間とともにエクター卿の従者として旅をしていた。その旅は騎士の競技である“トーナメント”に出るため。が、この競技は身分の高い者しか出場できなかった。騎士を夢見ていたウィリアムは、エクター卿が優勝寸前に命尽きたのをきっかけに、代わりに出場、勝利を手に入れる。その後もヨーロッパ中のトーナメントに身分を偽って出場。旅の途中で、文筆家チョーサー(ポール・ベタニー)、女鍛冶屋ケイト(ローラ・フレイザー)が仲間に加わり、各大会で優勝を果たしていく。そこでジュースティング(馬上槍試合)の名手アダマー伯爵(ルーファス・シーウェル)と、競技とともに、美しい貴婦人ジョスリン(ジャニン・ソサモン)をめぐるライバルとなるのだが……。ウィリアムの故郷ロンドンを最終舞台に騎士の戦いが始まる!


『ROCK YOU![ロック・ユ!]』予告編が観られます!
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2001年10月6日より、東宝洋画系劇場にて公開!
●監督・脚本・製作/ブライアン・ヘルゲランド
●製作/ティム・バン・レリム、トッド・ブラック
●音楽/カーター・バーウェル
●衣装・武具デザイン/カロライン・ハリス
●出演/ヒース・レジャー、ルーファス・シーウェル、ジャニン・ソサモン、ポール・ベタニーほか
●配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
●上映時間/132分

Special Thanx to www.spe.co.jp/movie/rockyou/

オリジナル・サウンドトラック

『「ロック・ユー!」オリジナル・サウンドトラック』

SRCS-2520 2,520(tax in)
2001年8月29日発売
1We Will Rock You/QUEEN
2Low Rider/WAR
3Takin' Care Of Business/BACKMAN-TURNER OVERDRIVE
4Golden Years/DAVID BOWIE
5Ramble On/TRAIN
6Crazy On You/HEART
7Further On Up The Road/ERIC CLAPTON
8Get Ready/RARE EARTH
9I Want To Take You Higher/SLY & THE FAMILY STONE
10The Boys Are Back In Town/THIN LIZZY
11One Of Your Own/CARTER BURWELL
12We Are The Champions/ROBBIE WILLIAMS+QUEEN
13Pieces/DAN POWELL
14Eye Conqueror/THIRD EYE BLIND

なんとも潔い音楽の使われ方である。そしてそれに基づいた大胆な邦題。とはいえ邦題だけでは内容が量りにくい。ロック・バンドのサクセス・ストーリーか青春群像劇、みたいなものを想像しがちだが、舞台は14世紀のヨーロッパ。鎧かぶとの騎士たちが一対一で戦いの技を競うイベント、“トーナメント”を巡る、一人の若者の立身出世物語なのだ。

が、劇中、かかる曲はと言えば、ド頭で鳴り響くQueenの「We Will Rock You」、ほかもThin LizzyDavid BowieWarなどなど。唐突に、しかし効果的にこれらのヒット・ナンバーが出てくる。楽曲の持つ意味がまるで違うため、『ムーラン・ルージュ』(2001年11月公開予定の映画)を引き合いに出すのはためらわれるが、どちらも時代性を超えた、あるいは無視した選曲の意外性が面白い。


▲オーストラリア出身の二枚目ヒース・レジャー演じるウィリアム(左)と、ニュー・ビューティー、ジャニン・ソサモン演じるジョスリン(右)のダンス・シーンは、戦いとは別の見どころでもあります。
監督は、『L.A.コンフィデンシャル』('97年)の脚色でオスカーを受賞し、『ペイバック』('99年)の脚本と監督を担当したブライアン・ヘルゲランド。1961年生まれの彼にとっては、世代的に思い入れのありそうな'70年代のロックがずらりと並ぶ。

監督によると、その意図は、「
過去と現在を切れ目なく結ぶ架け橋をかけること」だそうで、今の時代の観客に見せることを前提にした時代劇、というわけだ。しかも、男性キャラの衣装デザインは、'72年のThe Rolling Stonesのツアーを参考にしたというから、念が入っている。


▲ウィリアムは鎧や兜を脱ぎ捨てて、宿敵アダマー伯爵との最後の戦いに挑む!
貧しい職人の息子に生まれた主人公は、貴族という身分が出場条件の“トーナメント”に、身分を偽って出場。勝利を重ねるうち、定めと思われた階級制度を覆していく。そこに、小説『カンタベリー物語』の作家チョーサーをはじめ彼を支える仲間との団結、一目惚れの貴婦人との駆け引き、敵役との因縁の対決、人生の構図を変えさせるべく、幼い我が子を貴族のもとに送った生涯職人の父親との絆…が絡んで、万人にわかりやすい、とりわけロック・ファンには嬉しい娯楽作品になった。

『パトリオット』('00年)で一躍注目を集めた若手のヒース・レジャーが主演。端正な顔立ちなのに、ときにコミカルで、軽いフットワークの演技で人気を呼びそうだ。

文●佐武加寿子

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