【速報】真夏の夜のJAZZ in HAYAMA ~ Tribute to Bill Evans(3)<br>
▲小曽根真 featuring NO NAME HORSES with Special Guests 青山テルマ&Crystal Kay |
◆小曽根真 featuring NO NAME HORSES画像
ビッグバンドによる演奏が続いた後には、ステージに艶やかな彩りを添える二人の歌姫がスペシャルゲストとして登場。まずは、「そばにいるね」の国民的ヒットも記憶に新しい青山テルマが、クリスティーナ・アギレラなどにも歌い継がれるエタ・ジェイムズのブルージーな名バラード「アット・ラスト」を絶唱。白いワンピースに身を包み登場した可憐な姿とは裏腹なディープでソウルフルなボーカルに、会場は総立ちの拍手で応えた。
続いてステージに招かれたのは、日本を代表する女性R&Bボーカリスト、クリスタル・ケイ。こちらはセクシーで大人っぽい黒のタイトドレスで登場。かつてドリス・デイや、かの美空ひばりも愛唱した米ジャズのスタンダード「上海」を軽やかに、しかし情感たっぷりに熱唱。いまや総立ちとなった観客も思い思いに身体を揺らし、リズムを取って感情を表現する。圧倒的なパフォーマンスを披露した二人の歌姫が舞台を降りた後も、NO NAME HORSESはもう一曲、ラテンなリズム弾ける御機嫌な「ココナッツ・ミーティング」を演奏。「日本では大変なことが起こりましたが、皆さん、これからいい日本をつくっていきましょう」という小曽根の言葉が胸を打つ。
アンコールを求める割れんばかりの拍手に応え、再びバンドと共に青山テルマとクリスタル・ケイが登場。ジャズの有名コーラス・グループ、ランバート・ヘンドリックス&ロスによるナンバー「クラウドバースト」を小曽根たってのリクエストを受け披露。日本の音楽界が誇る若手実力派同士によるスリリングなスキャット合戦は、鳥肌が立つほどに素晴らしく、今宵集まった聴衆にとって忘れられない思い出になっただろう。
トップアーティストの競演により奇跡のような化学反応の数々が生みだされた今宵のステージの最後を飾るのは、小曽根真のソロ・ピアノによる「ワルツ・フォー・デビイ」。“ジャズ・ピアノの詩人”と称され、繊細でロマンティックなピアノが今なお広く愛されるビル・エヴァンスの代表曲だ。この楽曲が収録されたジャズの名盤中の名盤『ワルツ・フォー・デビイ』(1961年録音)が発表されてから50周年を記念して開催された本イベントを締めくくるに相応しい、想い溢れる演奏によってビル・エヴァンスへのオマージュを捧げ、葉山での一夜限りのジャズ・フェスティバルは静かに幕を降ろした。
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