ピンク 『アイム・ノット・デッド』特集 INTERVIEW編

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――新作のために50曲を書いたって本当?

ピンク:40曲よ。そこから収録曲を選んだわけだけれど、その過程は心が痛むものになったわ。私としては3枚組にしても、全部の曲を収録したかったんだけれどね。

――未収録曲は、完璧にお蔵入り?

ピンク:一部は、ジョス・ストーンフェイス・ヒルマイヤに提供したわ。彼女達が気に入ってくれたので。それ以外は、私のお楽しみとして、時々ひとりで聴いているわ(笑)。

――他のアーティストによく曲を提供しているの?

ピンク:書き下ろすことはないけれど、自分でレコーディングしない曲を気に入ってくれる人がいたら提供する程度のレベルでね。

――他人のプロデュースに興味は?

ピンク:全然ない(笑)。

――歌もそうだけれど、本当に正直よね(笑)。

ピンク:オブラートに包んで発言する、ということができないの。音楽でも、人生でも。

――ところで、「ストゥーピッド・ガールズ」のビデオはウケたわ。セレブを演じてみて、着飾るセレブの気持ちは理解できた?

ピンク:以前より、セレブでいることがどんなにバカバカしいことか、っていう気持ちの方が深まったわ。

――パロディにするセレブの人選は、ピンク自身がしたのかしら?

ピンク:全てそう。私のアイディアよ。

――彼女達の生き方に反発しているの?

ピンク:そうではないの。私が反発しているのは、セレブという存在を作り上げているメディアに対して。話題作りだけを重視しているでしょ。ただ、そのメディアの戦略に乗ることで、自分も成功できると思って、バカな女のフリをしている彼女達も感心できないわ。絶対に頭が悪いわけじゃないと思うもの。

――パロディにされた人達から反発は?

ピンク:彼女達は賢いもの。自分のイメージが悪くなるような行動には出ないわ。

――なるほどねぇ。この曲とは対極にある、心温まる曲がヒドゥン・トラックとして最後に収録されているでしょう。お父さんとはどういう経緯で、共演することになったの?

ピンク:私にとって父は初めてのロック・スター。いつか一緒にレコーディングをしたいと思っていたのが、やっと実現したの。タイミングも良かったし、他の曲とのバランスも良かったから。歌っている曲は父の自作曲よ。

――実際に共演してみてどうだった?

ピンク:それがね、スタジオでの父は緊張しまくっていて、すごくかわいかったの。数週間前にステージでも共演したんだけれど、スタジオ以上にブルブル震えてしまって。私にはそれがおもしろいし、愛おしくも思えて。今後も違うカタチになるかもしれないけれど、父にはショックを与えていくつもりよ(笑)。

――ショックといえば、アルバムのタイトルだけれど、どのようにして『アイム・ノット・デッド』というタイトルが生まれたのかな?

ピンク:同名タイトルの曲から取っているわけだけれど、私は今を精一杯生きたいと思っている。その中で生まれた社会的、政治的な疑問は、正直に音楽でも表現している。でも、そういう女性の存在を良しとしない人達もいる。そういう人達に向けてのアンチテーゼの意味も込められているのよ。

取材・文●服部のり子

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