「ハリウッドとゲットーの架け橋に」 T.I.インタヴュー

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ハッスルに明け暮れた少年時代

──「Rubber Band Man」において、あなたはかつてのハッスル(ドラッグ・ディール)について語っていますが、あなたが育った環境というのはどのようなものだったのでしょう?

T.I.:ただのフッドのキッズだよ。常に問題を起こしてたけどね。でもまわりの子供たちより頭が良かったんだ。すごく小さい時から本もたくさん読んでたし。中学に上がるくらいまでは、学校の成績もすごく良かったよ。でも、そのうちに色々良くない行動に手を染めて行って、すごく気が短かったからケンカもしょっちゅうしてたし、自然とつるむ仲間も悪いヤツらばかりになっていったんだ。まあ、若気のいたりって感じだけどね。

──ラッパーになる前はハッスルで結構な額を稼いでいたと以前あなたのインタヴューで読んだのですが、これから足を洗ってラッパーになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

T.I.:ハッスルから足を洗ったのは、ずっとこのままじゃいけないってわかってたから。自分には神からもらった特別な才能があって、このままだと神に対する冒涜になるって。人はかならず犠牲を払わなくちゃ成功できない。オレはその稼ぎを捨てて、犠牲にしたことで、ラッパーになったんだ。

──アトランタのラッパーがよく使う言葉、“トラップ”とは、具体的にどういうことですか?

T.I.:“トラップ”とは、ドラッグ売買が行われている場所、とか、ドラッグ売買の行為そのもののことだよ。例えば“I’m trappin”って言ったら、オレはドラッグを売ってる、って意味だし、“I’m in the trap”って言えば、ドラッグを買える場所にいる、っていう意味。アトランタでしか使われてない言葉なんだ。アウトキャストが「SpottieOttieDopalicious」っていう曲でこの単語を使ったのが一番初めだと思うよ。でも当時はほとんどの人がトラップが何かを知らなかったんだ。その職業に手を染めている人間しかね。その言葉をオレが発展させたんだ。

──もしラッパーになっていなかったら何になっていたと思いますか?

T.I.:全く分からないね! ずっとラッパーになるって信じてたから。これしかないと思ってたし。でもオフクロが、オレが小さい時は牧師になりたいって言ってたっていうんだ。自分は全然覚えてないけど。オフクロも全然信仰深いわけじゃないのにな。だからなんでそんなことを言ってたんだか全く覚えてないけど(笑)。【了】

取材協力:Sally Morita


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