――先ほど、ライヴを観たのですが、ツイン・ヴォーカルでツイン・ギターの構成で迫力がありますね。
チャーリー:これが一番自然な形だったんだ。アレックスが僕のところへ転がり込んできて、一緒にギターを弾いたり歌ったりしていた。二人で掛け合いをするのが自然だったんだよ。じっくり考えてこうした形に行き着いたんじゃなく、一緒にプレイするうちに自然に出来上がったんだ。
アレックス:そうだね。ハモるのが大好きなんだ。ツインだと、ライヴでもハーモニーが生きてくるんだ。
チャーリー:テイキング・バック・サンデイなんかの影響もあって、デュオ・ヴォーカルの方がいいんだ。感情を深く表現できるし、二人の息が合うと、そこに情熱も加わる。
――東京のライヴでは、ファンに向けて特別なメッセージを送ったようですが、何か隠された意味があるのですか?。
チャーリー:ある女の子にね。その子に捧げたんだ……。
アレックス:ハッハッハ(笑)。
──フェス全体を振り返るとどう?
チャーリー:今日の方がずっと良かったよ。大阪も素晴らしかったけど、東京の方がいいプレイができたと思う。オーディエンスはどちらも同じくらい良かったけど。出演バンドをチェックして、大勢の人が見に来てくれるのは、とてもうれしいことだよね。まだ朝だというのに、本当にクールだよ。
――では次にあなたたち自身についてお訊きします。まずは、ファイトスターという名前の由来を教えて下さい。
チャーリー:バンド名を考えたときに、“Time To Fight”と“Evening Star”といった名前が出てきたんだけど、アレックスが2つを一緒にして“ファイトスター”にしたらどうかと提案した。響きもいいし、自分たちの活動を象徴する感じだから、それに決めることにしたんだ。
――7月にEPが日本でリリースされました。新曲「Paint Your Target」がインディ時代の曲と一緒に収録されていますが、どういった変化がありますか?
チャーリー:EPは新しい感覚なんだ。フル・アルバムはこのEPが自然な進化を遂げた作品になると思う。今回のEPでも、新しいサウンドへ向かう自然な進化が感じられるはずだよ。とはいっても、新曲にはとても満足しているし、トータルな面で少しづつ前へ進むことができて良かったよ。仕上がった曲にはこれまでにない満足感があるんだ。だから、この作品が新しいアルバムだと思ってもらいたい。
オマー:ヘヴィな曲がさらにヘヴィになった。また、ライトな曲には、よりソフトな感覚が加わってるよね。ダイナミックな素晴らしいアルバムなんだ。
――収録曲の「Palahniuk's Laughter」は、米国作家のチャック・パラニューク(『ファイト・クラブ』の原作者)と関係があるんですよね?
ダン:あの小説の大ファンで、彼の他の作品もたくさん読んでるよ。「Palahniuk's Laughter」は『チョーク!』がベースになっているんだ。アメリカのテレビ番組が出てくるんだけど、かなり前の収録を使ったりしていて、番組のバックで流れる笑い声が古い。その映像で笑ってる人間は、今は死んでるんだ。死人が笑ってる。
――EPには『They Liked You Better When You Were Dead』といったタイトルが付けられていますが、これはいったいどういう意味ですか?。
チャーリー:ミュージシャンやアーティストの偉業に対する皮肉なんだ。アーティストとか、有名人が死ぬと、生きている間はそんななことなかったのに、いきなり“伝説”になったりするよね。それが安っぽく思えるんだ。彼らは自分たちの活動をしていただけんだ。でも、死んだとたん、不朽の名声を与えられてしまう。
オマー:生きている間は、ひとりのアーティストとして見られるけど、死ぬと違った見方をされるんだ。ジミ・ヘンドリックスなんかは、突然、伝説として神格化されたよね。
チャーリー:また、裏の意味もあるんだ。一般的に機械的な生活を送っている人たちがいるよね。でも、自分がそういった単調な人生を止めて、自己を主張し、信念の上に立ってみると、周りの人々が魅力的に見えなくなったりする。また、周囲から嫌われたりもするんだ。みんなと同じ生活をして、機械の部品であることを求められる。そういった別の皮肉も含まれてるんだ。
――次にチャーリーにお訊きします。チャーリーがバステッドを脱退し、バンドは解散しました。イギリスのファンの中には、チャーリーを非難する人も多いと伝えられています。実際のところ、どうなんですか?。
チャーリー:イギリスでは、ほかと事情が違うんだ。すでに新しいバンドを始めてるわけだし、7、8ヶ月も活動している。でも、基本的に、イギリス人のロックに対する意識というのは、世界のどの国とも違うんだ。頑固で主張の強い人たちが大勢いるからね。イギリスで活動するバンドは皆、似たような経験をすると思うよ。気に入らないと、クソみたいにメチャクチャ言われるんだ。でも、僕たちは何とか凌いでいる。プレスのサポートがあるしね。もし何の支えもなかったら、ここまでたどり着けなかったかもしれない。ここ数ヶ月のショウは本当に良いものばかりだった。
オマー:バンドが受け入れられていると思うんだ。実際に活動してるわけだし、グループとして好きなことをやっている。チャーリーが過去に何をしようと、それはもうすでに終わったことなんだ。
――フル・アルバムを期待しています。いつ頃になりそうですか?
チャーリー:1月だね。今、レコーディング中なんだ。
――その後にツアーの予定は?
チャーリー:ツアーは2月頃だろうね。イギリスで1月にリリースしたいんだ。その後に日本で発売されれば、また日本に戻ってきてプレイしたいよ。
――グループとしては初来日ですが、何か日本の文化または若者カルチャーに触れましたか?
一同:イェー!!!
オマー:みんなアニメにハマってるんだ。アニメが大好きなんだ。子供の頃から『ドラゴンボールZ』の大ファンで、いろんな面で日本のアートや文化に触れていたんだ。世界の国が日本みたいだったらいいのにって考えたりもしてるよ。
取材・文●木村 孝
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